2013年9月10日火曜日

芸人狼~秋の夜長に消された芸人~

出演者:アルコ&ピース平子、うしろシティ 、鬼ヶ島野田、キングオブコメディ高橋、
THE GEESE高佐、スパローズ森田、ライス、ラバーガール、 ラブレターズ溜口

芸人が人狼をやる。それが芸人狼。
前クールに芸能人が人狼をやるTV番組が2本同時発生しましたが、スラッシュパイルの
芸人狼ライブの方が早くから開催されています。
6月に日記に書いたゴキブリ“の”ポーカーは芸人狼からの派生ですね。
今回は進行もよく展開もスムーズだったからか3ゲーム見ることができました。
 
このゲームには様々な役職があり、芸人狼も毎回少しづつ取り入れたり変更したり
しています。今回は「狂人」と「ハンター」が入り「狩人」がなくなりました。
前回実験的に登場したオリジナル役職「二枚舌」もなくなっています。
 
狂人は人狼陣営なのですが、夜のターンで占っても「村人」と出てしまう。
これにより占い師が占いで確実に見つけることができる狼は2人→1人に。
さらに、夜のターンで指名した村人を守ってくれる「狩人」がなくなってしまったので
占い師であることをカミングアウトするとほぼ100%次ターンで殺されてしまう。
 
代わりに入った「ハンター」は人狼に殺された場合、誰か一人を道連れにする
ことができる・・・怖い。しかも殺された時点で人狼に目星がついていれば
いいけれど、無実の村人を一緒に殺してしまう確率も高いわけで。
全体的に村人に少々不利な改変になりました。
さて、結果はというと・・・
 
(1)人狼:田所、狂人:大水 占い師:阿諏訪、ハンター:森田
人狼側の勝利
 
(2)人狼:野田、狂人:溜口、占い師:関町、ハンター:金子
人狼側の勝利
 
(3)人狼:大水、狂人:平子、占い師:関町、ハンター:高佐
村人側の勝利
 
2対1で人狼側の勝ち~。
個人的に面白かった見所を箇条書きで。
 
<カードの貴公子・高佐様>
 
村人の投票で人狼らしき2名を選び、その2人が自分の無実を主張して
弁明するのですが、たまに同数票になることがある。
そこでカードを使って弁明人を選んだところ、今回は面白いように高佐さんが
引き当ててしまう。
 
あまりにも当たるので平子さんが
「あいつ、人狼じゃなくて占い師なんじゃ・・・?」と推理していた。
本人も楽しくなっちゃったらしく、とうとう最後には弁明で
「これからも僕のカードの引きを見たくありませんか?(だから殺さないで)」。
 
しかも「お先にどうぞ」→サッとカードを引く→(瞬時に)はい、僕です!
この一連の流れがエレガントでね~。
高佐さんはいつも冷静に俯瞰から全体を見て、途中までの推理がとても的確
なのに最終的には読みが外れる・・・という惜しい人なのだけれど。
今回も推理の的ははずしたけれど、その矢は私の胸を射抜いたわ。キュン☆
 
<買収料は500円>
 
第1ゲームのハンターはスパローズ森田さん。
カミングアウトは自分が殺された瞬間まで取っておいたので
 
森「・・・ふっはっはっは。アーーッハッハッハ!!
さあぁ、どいつを道連れにして死んでやろうかなああああぁ~(悪い顔)」
 
彼、村人の味方じゃないと思う。
 
殺す気まんまんの森田さんに500円の賄賂を送ろうとするパーケン&平子っち。
最終的には「俺、本当にこいつが人狼だと思って連れていくから(キリッ)」と
かっこよく平子さんを連れて行きました。平子っち村人だったのに。
後からからかわれて照れる森田お兄さんかわいい。
芸人狼に一番なくてはならない人は森田さんだと思うんですよね。彼こそ
ムードメーカー。目立つので早くに殺されがちだけれど、いないときっと寂しいよ。
 
そんな森田さんは第2ゲームでハンター金子に狙われた時
「おれ、キングオブコントの点数持ってるぞ!(スパローズはセミファイナリスト)」
と、ある意味現金よりエゲつない買収をしていた。
買収された金子さんは森田さんの代わりにパーケン氏を道連れにしました。
キンコメはKOCチャンピオンだけれど、今年の点数は持っていないからです。
 
<裏の裏の裏・・・?!>
 
ゲーム初心者の鬼ヶ島・野田さんが第二ゲームで狂人役に。
人狼役は隣にいた溜口さんで、このペアは頼りないからすぐにやられちゃうだろう、と
客席から笑いが起きたほどだったのに、なんと勝利を収めました。
 
客席から眺めていると、特に野田さんなんて隙だらけなんですよ。
だって最初から急に口数が少なく不安そうで、ホワイトボードを胸にしっかり抱きしめて
自分を守っているんだもん。どうみても怪しい。
しかし野田さんは普段から挙動がおかしいので、他のプレイヤーから見ると人狼であることを
隠しているのか、あらぬ疑いをかけられてテンパっているのか区別がつかない!
さあ・・・どっちだ?!疑惑と混乱の中、野田人狼は最大のピンチをむかえることになる。
 
<彼は哀れな占い師>
 
第二ゲームも終盤となり残りの人数は人狼側2名、村人側3名。村人が圧倒的に不利。
ここで最大のチャンスが訪れる。占い師・関町さんが夜のターンで野田さんが人狼である
事実を突き止めたのだ!キターーーー!(この結果を見て驚き、胸に両手を添えてアアッ
という顔をする関町さんはなんだかおばちゃんっぽかった)
 
さて、やってきた翌朝。関町さんは野田さんの正体をまだ暴かない。しばらく泳がせて
ボロが出るのを待つ作戦らしい。
村ではこの中に占い師が残っているはずなのに、この期におよんでカミングアウトしないことに
ざわついている。
 
「正体を明かさないということは、占いで人狼を見つけられなかったんだろう」
「でも、もう言った方がいいって。少なくとも誰が村人かがわかればヒントになるんだから」
「自分が占い師だと明かして殺されるのを恐れているんだな」
 
全体の状況を把握することができず、とにかく自分を守ることで必死な人物。
ということは占い師の正体は・・・鬼ヶ島野田に違いない!
 
えええええええ~~~~~~~!!!(無言で驚く客席)
 
野田さんに自分が占い師であることを吐けと強要する村人達。
人狼には嘘カミングアウトというテクニックがあるけれど成功確率が低いし、なにより
野田さんは「オレ、ジンロウジャナイ。オレ、ウソツイテナイ」と主張することしかできなくて
多分こんな状況は想定外。関町さんは冷静に観察している。
 
占い師じゃなければお前は人狼だとプレッシャーをかけられ、ウーウー、グアー、クォーーーと
もはや人間じゃない叫び声をあげながら苦し紛れに「はいっ、わたしが占い師ですー」と嘘をつく。
そこに颯爽と現れたのは、そう、彼こそ真の占い師・関町!!!
 
関「フッフッフ。野田さん、あなたとうとう尻尾をあらわし・・・」
その他「ほらーー!やっぱり野田が占い師だー!」「お前なんで言わなかったんだよ!」
関「あ・あの、みなさん私の話を・・・」
その他「だって皆が怖い顔するからー」「お前状況見ろよーーーー」「グワーーー」
関「ちょっ!すごく大事な話で・・・」
 
誰も注目してくれないので腕を上げて、ハイこっちに注目!と走り回る関町さん。
なんだか面白そうなミニコントが始まったのできゃっきゃと参加する村人たち。
やっと注目を集めた彼が真相を話そうとした瞬間
 
飛永MC「はーい、時間切れでーす」
 
えええええええ~~~~~~~!!!(無言で驚く客席。2回目)
 
この後の弁明で、もちろん関町さんは自分が占い師であり人狼の野田さんが嘘を
ついている真実を切々と語りましたが
「本物の占い師ならもっと早く名乗り出るはず。奴は占い師の名を騙る人狼だ。この嘘つき!」
という扱いを受けて殺されました・・・。そして村人側は負けました・・・。
なんて運のない残念な人なんだ・・・。
 
 
私の中のクライマックスはこんなところかな。しかし第2ゲームのラストはドラマチックだったわー。
人狼はルールがあり、筋書きのないドラマですね。
第3ゲームも狂人役の平子さんのとぼけた演技がうまく、占いの結果に村人が惑わされていそう
だったのでこれは見破れないかな?とハラハラ。
溜口さんがラストに狂人が残っている可能性を示唆して見事、村人側の勝利となりました。
 
他にも色々面白いことがありましたよ。
殺されて袖にはけるたびに「なんて日だ!」「イタトン!」とかKOCフレーズを叫ぶお約束ができたり。
出演者の中にお気に入りの芸人さんがいるならば、是非1度見てみることをお勧めします。
 

2013年9月6日金曜日

「こみちが行けば~女流二つ目の修行日乗」

Twitterはフォローをするアカウントを選ばなければ、リツートでいらない情報が
山ほど飛び込んできてうんざりするものだけれど。
自分では決して見つけることができない情報と出会わせてくれることもある。
 
去年の認定漫才師Dr.ハインリッヒの彩さんのブログ
 
今回のTHE MANZAIに対する冷静な自己評価が実にクールで
かっこいい。
 
女であることと芸人であること。
2つのバランスを保ちながら芸の道を進むことが書かれた、素晴らしい
文章をもう1つ知っている。
かつてフリーペーパー月刊ラジオデイズに連載されていた、落語家
柳亭こみちさんの 「こみちが行けば」
 
「こみちが行けば~女流二つ目の修行日乗」
http://www.radiodays.jp/radiodays-blog/mrd/?cat=4


最初は落語会でもらった時だけ目を通していたけれど、途中からどうしても 
毎回読みたくなり、ウェブ版ラジオデイズもしっかりチェックしていた。 

自分に厳しく、芸に厳しく、それゆえに少し不器用で真面目。 
彼女の高座を初めて見た時に上手だけれど堅くて地味だと思った。 
「地味」じゃなくて「地道」だったんだ。 
ジミチなコミチさんだったのだ!(どや顔)

女性が落語家を目指すという道のりで出合った辛くとも幸せな 
エピソードの数々。 
ラストの燕路師匠にどうしても稽古して欲しいを頼みこみ、しかし 
見せども上げてもらえない、師匠の前で初めて涙した回など、まるで 
燕路師匠のあの丸い顔の眉毛がギュッと下がる表情が目に見えるよう。 

『この連載が終わることになったらしい。 
私にはまだまだ書きたいことが山ほどある。
入門初日の師匠の言葉。 
私の芸名がつくまでのこと。 
おかみさんとの交換ノート。 
初高座の日。 
寄席で大きくしくじった日の師匠の言葉。 
二つ目に昇進したその日。 
師匠から初めて御礼を言われた時。 
おかみさんとお酒を呑んだあの日。 
最近の師弟での会話。 

エピソードは数限りない。 
今までも、これからも、私はこうしたエピソードを大事にして生きていく。 
そこから学んだことが私の命。それが私の落語を作っていくのだ。』
 
こみちさんはエッセイ執筆中に漫才師 宮田陽・昇の宮田昇さんと
ご結婚し、現在は産休中。
「こみちが行けば」は今でもラジオデイズのHPで全て読むことができる。
是非、書籍にまとめて欲しいと思っている。
 

2013年9月5日木曜日

初代三遊亭天どん真打披露特別公演「天は何を見ているのか 新作の日」

天どんさん、真打おめでとー!わっしょーい!
円丈門下といえば新作派ということで、あえて新作の先輩方が並ぶ日を選んで
観にいってきましたよ。
 
百栄「船越くん」
昇太「マサコ」
円丈「悲しみは埼玉に向けて」
口上
彦いち「掛け声指南」
天どん「カベ抜け」 
 
SWAなお2人は代表作を。
彦いちさんは「まさか黒紋付でこの話するとは思ってなかったけどねー」なんて笑っていた。
久しぶりにムアンチャイに会えた!
百栄さんはサスペンスドラマにありがちな風景から作られた「船越くん」。
円丈師匠の悲しみ~は代表作の1つでありながら、生では聞いたことがなかったので
嬉しかった・・・ん?考えてみたら誰もおめでたい落語やってないぞ!
 
トリの天どんさんは幽霊との奇妙な二人暮らしを描いた「カベ抜け」。
初めて聞いたけれど「新婚かーーー!!」という雄叫びが笑えたよ。彼らしいゆったり
まったりとしたテンポで。これからさらに磨かれてゆくのでしょう。
 
口上がまたゆる~い。
一応形式通り、緋毛氈の中央で天どんさんが頭を下げているのだけれど
あまりにも皆が好き勝手にワチャワチャ騒ぐから、途中で肘ついてウンザリした顔をしている。
 
 
彦いち「あんまり思い出ないんだけど。間が悪いっていうかさあ、居酒屋で天どんが
話始めると店員が注文取りにくるんだよねー。アナウンスが鳴ったり。」
 
百栄「僕、昨日甥っ子の結婚式に呼ばれたんですけど。落語家だから祝辞を頼まれる
だろうと用意していたらまさかのご指名無しで。だから今やりますね。
○○君、御結婚おめでとうございます!」
 
昇太「天どんなんて名前つけられて、かわいそうだなーと思いましたよぉ~。
二つ目になってもまさかの天どんのまま。今回真打昇進ということでさすがに変わるのかと・・・。
でもまあ、これから上手な天どん<上天丼>になればいいね!(すべったー)」
 
円丈「(昇太さんの話を受けて)こいつは間が悪いんですよ。
二つ目になる直前に私をしくじって。お前なんか天どんのままだ!って。今
回さすがに変えていいと言いましたよ。そうしたら本人が是非そのままでって 
(天どんさん、ええ~?と真ん中で複雑な顔)」
 
 
わはははー。こんなんですよ、落語の口上って。堅苦しいところが全然なくて楽しいの。
初めて落語を聴く人をどの落語会に連れていくか。これは落語好きにとって重大な
問題であり悩みごとなのだけれど、一番いいのは真打披露興行中の寄席に連れていくことだと思う!
まず出演者が豪華。寄席全体が華やいでいる。何より口上がある。
 
協会だの抜擢だの色々な例外事項は除いて、一般的に東京の落語家は入門して
13~15年程で自動的に真打になる。それ以降一人前の落語家として認められると
いう意味では、真打披露は成人式に似ている。そして師弟は親子のようなもの。
 
娘・息子の晴れ姿を祝うように、口上には師匠をはじめ協会の幹部・大先輩たちが
ずらり並んで言葉を添える。グッとくるようないい話を披露する人がいれば、齢70を
超えた大幹部がおちゃめないたずら仕掛けてくる時もある。
 
「何もこれから生涯贔屓にしてくれと言うじゃありません。
今日ご来場された御客様と彼には“ご縁ができた”ということです。
この先どこかで彼の名前を偶然見かけた時に、あぁそういえばこいつの披露目に
居合わせたっけな。どれ、ちっとは上手くなったかな?
心の隅に名前を少しだけ刻んでもらえる。それで十分なのでございます。」
 
ご縁を大切にする。嗚呼、善い言葉だな。
真夜中に放送されている落語番組や、地域の小さな落語会でその若き真打の名前を
みかければ、きっと縁を結んだ日のことを思い出す。

うしろシティの話シティ

うしろシティが365日毎晩続けていたユーストリーム放送「うしろシティの話シティ」が
9/2に最終回を迎えたそうです。
文章にして書けば簡単だけれど・・・1年間毎日!
OLのお弁当を作ろう!の決意だって3週後くらいたてばくじけるのに。
「今日は・・・コンビニでいいや」ってなるのに。凄いなー。
 
私は気になるゲストの来る回だけチェックをしていましたが、芸人同士の仲の良さが
垣間見えるユルくて楽しい放送が多かったですね。
そんな中、TVやライブでは聞けない彼らの本心やオフレコトークがチラリと垣間見えることが
あり、うしろシティファンの方々には堪らない番組だろうと羨ましく思いました。
 
個人的には、9月に終了が決まったバチバチエレキテるのメンバーが参加している回が
残っているのが嬉しいな。奇しくも話シティの最終回がバチバチエレキテるの打上げ日と
重なり、ニューヨーク&うしろシティ&ラブレターズのライブは、関東のバチエレ最終回と
同日に放送されるのだそうですよ。
 
この1年で彼らは一気に若手筆頭の人気芸人となった。
(人気沸騰を見越してユーストリームを始めたのだとしたら大した慧眼だ!)
その貴重な一年間を記録した映像がたっぷり残っているわけで、もしやこのアーカイブは
これから価値がどんどん高くなる、将来のお宝映像なのかもしれない・・・?