2016年6月11日土曜日

すいているのに相席4 反省会(裏)


すいているのに相席の裏話を聞けるとあり、
ファンに大人気のトークライブ「すいているのに相席反省会」。
今回は昼夜に分かれての開催で、とりわけ昼の部が面白かったので
こちらにメモとして残して置くことにした。

昼の部は「裏」、夜の部は「表」という副題がついている。
両方を見比べると「裏」は舞台を支える裏方、「表」は舞台に立つ
演者の意味だったことがわかる。

「裏」の出演者はバッファロー吾郎A、せきしろ、粟村香織、
石川信治(イエスマン)、ザ・ギース高佐。

粟村さんは元・お笑いナタリー編集部で、愛に溢れた
(特にレイザーラモンとスパローズに熱かった!)舞台レポートを
記していたことで、一部お笑いファンに有名な方。

そして石川さんは「犬の心 副音声ライブ」「もしもTHE MANZAI
決勝最後の3組にレイザーラモン、スパローズ、エルシャラカーニの
3組が残ったら」など、最近なんとも面白そうなライブがあると
高い確率で制作に名前のあるイベント会社「イエスマン」の方。

お二人とも元々よしもとに勤めていて、お互いに仕事のできる
頼もしい人という認識があったとのこと。
よしもとを退社後も、もしもTHE MANZAI~や下北沢のお笑い&カレーフェスで
タッグを組み、とても良好な関係で仕事をしている。

ユーモア軍団と仕事でしっかり絡んだのは、下北沢カレーフェスが
初めて・・・と言っていたかな?
せきしろさんやAさんにとっても、楽屋裏までカレーの香りで溢れていたこの
ライブは、まるで高校の文化祭のように楽しかった。

今回の公演は元々イエスマンがイベント内容未定のまま座・高円寺を
2日間おさえていて、すいているのに相席の会場を探しているという
噂を耳にしたので、ここで相席はいかがですか?と提案したらしい。

稽古場の予約、打合せに同席、各セクションへの連絡等と
石川さんの仕事は現場がスムーズに進むための調整全般。
粟村さんは主にパンフレットの作成に関するあれこれ。
せきしろさんもAさんも、石川さんと粟村さんは言わば潤滑油であり、
お二人がいてくれたおかげで稽古や本番に集中することができた、
今回の相席がどんなに進めやすかったことか、本当に助けられたと
何度も繰り返し感謝を述べる。

そんな石川さんの手元には、初期打合せからのやりとりや
誰がどんな提案をしていたかといったメモがびっしりと書かれた
メモがある。
消えてしまったコント案、実は最初は配役が違った登場人物など
興味深い内容も教えてくれるが、大半がAさんのうっかり言った
(良い意味で)しょうもない一言で、「俺、もっとええこと言っとったやろ!」と
ぷんすか怒るAさんであった。

石川さんに大量のメモがあるならば、粟村さんには大量の画像・映像
ストックがある。
特に豊富だったのが、今回のパンフレットの目玉、アイアム野田の
スペシャルグラビアオフショット!
流し眼の野田、浜辺で太陽の光を浴びて輝く野田、とにかくセクシーな野田。
あまりに枚数が多いのでスライドショーにすると、画面の中の野田さんが
ウネウネと動き、会場からワーキャーではない悲鳴があがる。

そもそもこのグラビア企画があがったのは、全員が対談やコラムなど
パンフレットの中でコーナーを担当した中で野田さんだけ何もなく、
本人に希望を聞いたらセクシーなグラビアを撮りたいという要望が
あったから・・・らしい(そんな理由だったはず)

近所の公園でセミヌード写真を撮影して、通報でもされたら洒落に
ならない。さて、どうしようと考えたところ、海ならば脱いでも
問題ないだろうという理由で浜辺での撮影になる。
鬼ヶ島を担当するマネージャーのご実家が海の近くということで、
ロケのためにお借りして素晴らしい写真が撮れた。

こんなに力を入れたグラビアなのに、いざ開幕すると悲劇がおこる。
ポスターはパンフレットに挟みこんであるだけなので、逆さに持つと
床に落ちてしまうのだ。
座・高円寺の床にバサバサと落ち、踏まれそうになっている
セクシー野田ポスター。落とした人も恥ずかしいらしく
粟「ロビーで大声でポスターの落し物があります!と叫んだのですが
3名の方がまだ取りに来ていないんです・・・」

パンフレットでもうひとつ力を入れられていたのが氷河コーナー。
相席が始まる前からネット上で大盛り上がりだった人気キャラ
なので、皆さんの大いなる期待を裏切ったりイメージと違うものに
してはいけない!と粟村さんは大変なプレッシャーを感じていたという。

放課後にアイスクリームを食べる氷河、教室に佇む氷河。
「ほら、これなんか“氷河様が放課後にフリーズストームの練習をして
いらっしゃる”という感じで」
なぜか常に氷河に敬語を絶やさない粟村さん。
ついさっきセクシー野田写真に悲鳴をあげていた客席の女性たちが
おもむろにカメラを取り出し、氷河様オフショットを連写し始めた。

他にも「明星」を意識して、イラストコーナーの名前表記にまで
細かいこだわりを見せるなど、プロの編集技が光る。
そしてアイドル雑誌の裏表紙と言えばCDリリース広告!ということで、
氷河をCDデビューさせる(という設定)ことになった。
そのためにフルネームをみんなで考え、観客は
「氷河は名前じゃなくて名字だったのか・・・!」と衝撃を受けることになる。

さらにオフショットを披露してくれたのは、パンフレットに
掲載されていたニセ稽古場風景。
これは実際の稽古を撮影したのではなく、わざわざ劇団の稽古風に
それっぽい動きや演出をして撮影したもので、その写真の全てに
せきしろさんがコメントをつけた。
粟村さんは、ぴったりのコメントがすぐに届いたので驚いたそうだ。

舞台を助けてくれるスタッフは他にもたくさん。
今回は照明の方から、コントの内容を理解した上で照明プランの
提案があり、それがとても嬉しかった。

また、ものまね王座決定戦のコントは山脇さんが全身タイツを
着る役だったので、女性スタッフが「山脇さんは女性なので身体のラインが
あまり出ないように、タイツの上から何か履いていただいた方が
いいんじゃないですか?」とアドバイスをくれた。
男性である自分たちには全くない発想で、そこに気を回さなければ
ならなかったことにまるで気がつかず
「そういうのわからん!俺らぜんっっぜんわからん!」と
力説をするAさん。

このものまね王座決定戦のコントは、以前にこやつタイムさんの
単独で披露されたネタ。
今回の相席にはこやつさんも見に来てくれて、終演後に黒衣が動かす
蝶はもっとひらひらとする方が良いからと、舞台裏であっという間に
小道具を改良してくれたのだという。

さらに、忘れてはいけない裏方はネイキッドロフトの店長。
相席ファンである店長を筆頭に、お店のスタッフはみんな
相席Tシャツ&SAKONTシャツを着用!
毎回楽しみな限定メニューも一部は店長が考えているそうで、
今回の「半人前のたぬきそば」は、こどものたぬきがまだ
半人前なことと、食べやすいハーフサイズの蕎麦で
あることが上手にかかっている素敵なネーミングだった。

一応、脚本としての裏話もしておこうかな、ということで
せきしろさんは相席の初期コント表(案)を見せてくれた。
最終的な内容と比べると、順番が入れ替わっていたり、なくなって
しまったコントがあったりと大分変っている。

印象深かったのは、一通り揃ったコントを並べてみると、TVや
芸能に関するパロディものがほとんどなく、相席ではパロディ要素を
期待されている部分が大きいので、いくつかのコントはボツに
したという話だった。
どんな内容かを少しだけ教えてくれて、それがとても面白そうな
設定だったので、いつかの相席で披露されるのを楽しみにしたい。