2017年1月30日月曜日

すいているのに相席 ファン感謝祭

まさかの相模原開催。
なぜに相模原かと思ったら、すいているのに相席の制作協力に
入っている㈲イエスマンの持ち小屋がここにあるらしい。
(駄菓子屋とステージが合体したユニークな劇場)
ここを皮切りに、ユーモアツアーとして全国を周っていくとのこと。

昼には「野田 vs, 尾関」があったが、私が参加したのは
夜の「すいているのに相席 ファン感謝祭」のみ。
前半は各出演者が相席3.5~4を中心にもう一度見たい
コントを選び、映像を見ながら振り返る。

バッファロー吾郎A→力持ち
尾関→小さな森のお菓子の家
高佐→キミに届け
野田→美輪さんとかくれんぼ
山脇→天使
(せきしろ)→尾関豊「十五の夜」

「キミに届け」で、たった数個の台詞で鮮烈な印象を残す
高田さんの女性役がとても好きだ。
女と書いてスケと読ませるあのはすっぱな感じ。
その後、高田さんが元・毛皮族と知り思わず膝を打つ。
そりゃ似合うはずだ~。

「美輪さんとかくれんぼ」は高佐版と野田版を
見比べてみる。
お笑いとして圧倒的に正しい野田版は、真面目に
演じる野田さんの奇妙な動きに終始みんなで大笑い。
高佐版の青年はその後IKKOや舟木を追い求めている間に、
耽美をこじらせて、一周まわって笑えるキャラになっていった。
それなので、この相席1で美輪さんとかくれんぼをしている
頃の青年にはあまり麗しさはない。
なんなら今見ると、ちょっと美輪さんに対して上から目線なくらい。
役は育っていくものなんだね。

山脇さんは、あんなにお稽古したのに1回きりの公演だった
のが勿体ない!と思い入れたっぷりの「天使」を。
コンセプトが2.5次元ミュージカルということで、ハイキュー好きの
山脇さんが振付や2.5ミュ出演者としての振る舞いを
みんなにみっちりと指導をした。

ラストはステージ上にいなかったせきしろさんからの
リクエストで尾関豊。
あーそういえばこんなのあったね!
この機会がなければ、振り返りもせずに忘れられそうな
キャラだったので良いリクエストだと言われていた。
(大画面で自分の熱唱を見る尾関さんは恥ずかしそう)

後半は相席シルエットクイズ。
すいているのに相席の1場面を切り取り、モノクロにした
図を見てどの場面か当てる。
これが意外と難しい。
高佐さんだと思ったシルエットが尾関さんだったり、
アニメキャラのモノボケ部先輩が混ざっていたり。

ラストは相席5でやってみたいコント。
尾関さん主演で笑ゥせぇるすまんコントの案が出て、
これは観たいなあ。
金に意地汚い主人公(尾関)が、野田さんと
「これは俺のものだー!」とか奪い合う。
Bar魔の巣のマスターも是非入れて欲しい。

2017年1月27日金曜日

英国ロイヤルバレエ「アナスタシア」

去年から引き続き鑑賞している映画館でバレエシリーズ。
ボリショイバレエと英国ロイヤルが定期的に上映してくれるが、
お金と時間の関係で、さすがに全て見るわけにはいかない。

今回選んだのは英国ロイヤルバレエ「アナスタシア」。
舞台好きとしては未見の演目に興味があるので。
20世紀FOXの作ったアニメ映画で見たことがあったかな?
バレエ版では、死んだはずの皇女アナスタシアと、自分を
アナスタシアだと主張する女性アナ・アンダーソンを描く。

1幕はアナスタシアのおてんば娘らしさ、2幕は美しく成長した姿で
デビュー舞踏会に暗い影が刺しやがて革命に。
そして3幕は精神病院のアナ・アンダーソン・・・と思いきや、
よく見てみると1幕と2幕の舞台美術にも病室を思わせる部分があると
舞台美術スタッフのインタビューで語られていた。
つまり全てはアナの妄想として描かれている。
この作品が作られた当時はまだアナ・アンダーソンが本当に
アナスタシアなのかは判明しておらず、3幕の精神病院部分だけの
短編バレエだったという。

アナスタシア/アナ・アンダーソンを演じるのは、現在イギリスで
活躍中のロシア人バレエダンサー ナタリア・オシポワ。
1幕~2幕のチャーミングさと難しいダンス(出ずっぱり!)
何より3幕の狂気の表現が鳥肌がたつほど素晴らしかった。

かねがねバレエダンサーはどのように演技力を磨いているのか
不思議だったが、インタビューによると彼らは特別な演技の
レッスンは受けていないらしい。
音楽に身を委ねて踊ると演技は自然とついてくるのだ、と。
なんて美しい・・・。

それにしても、海外の舞台作品がどれにしようかな?と迷うくらい
映画館で上映されるのだから幸せな時代だ。
この上映のためにかなりのカメラとスタッフを用意して撮影を
するので費用はかかるだろうが、その映像で世界中の
映画館で観客を動員できるし、プロモーションにもなる。
団員・スタッフを率いて(場合によってはオーケストラも)世界ツアーを
する莫大な費用と労力を考えれば、この方式はメリットだらけだろう。

しかも舞台を見に行く観客を奪わず、むしろ新しいファンを掘り起こしている。
実際、私の母は若い頃からバレエファンで、来日公演を喜んで観に行って
いたが、最近は億劫がって劇場に足を運ばなくなっていた。
それがこの映画館で上演されるバレエシリーズを知り、今度は
映画館でバレエを楽しむようになったのだ。

 「劇場では咳をひとつするのも憚られるけれど、劇場ならば気軽に
飴を口に入れたりお茶を飲んだりできるし。
トイレにも行きやすいでしょう?
それに、劇場であんなに表情や足の動きがよく見える席を取ろうと
思ったらとっても高いんだから!
いい時代になったわねえ。」

2017年1月25日水曜日

ガレージシャンソンショー ニューアルバムリリースツアー「13~treize~」

ぬるぬると活動を再開して3年。
なんと13年ぶりの新譜が発売されることとなったガレージシャンソンショー。
山田「13年も空いたらさぁ、普通CD出さないよね(笑)」

年明けからNHKラジオ「すっぴん」に出演した二人のインタビューによると、
活動再開後の方が肩の力が抜け、楽しく演奏できているらしい。
「前よりもお互いのことが好きになったんですかね?
良い意味でお互いがお互いを構わなくなった、と言いますか」

メインタイトルが佐藤さんの作った13拍子の曲なもので、じゃあそれに
合わせましょうとライブも13日の金曜日に設定したものの、こんな縁起の
悪い日はガラガラだろうと侮っていたら
意外とどのホールも埋まっていて予約に苦労したらしい。

セットリストは新譜を中心に、おなじみの時事ネタコーナーもある。
しかしその時事ネタがなかなか際どく、これではとてもとても
DVDに残せないということで、収録用の別バージョンも撮っていた。
そう、ライブDVDが出るんだって!これは嬉しい。
大好きな売買ブルースも入っているし、なによりこの日の
フラミンゴ・ブルーヴァードは絶品だった。

ポップでキッチュなお二人はムジカ・ピッコリーノが似合いそうだから、
NHKの中の人がDVDを観ていつかブッキングしてくれないだろうか。

2017年1月20日金曜日

阿佐ヶ谷姉妹単独ライブ「産声」

今まで変ホ長調やタブレット純との合同ライブ、なぜか単独ディナーショウ(!)を
経験していた阿佐ヶ谷姉妹。10周年で初の単独ライブが開催されることになった。
 
会場は都内の小さな会場を飛び越えて座・高円寺、しかも大阪公演ありと
彼女たちの現在の活躍ぶりが伺える。
客席にはいかにも業界人・関係者らしい人も点在するが、地元阿佐ヶ谷で
応援するご町内の方々も多く、平均年齢高めのゆったりのんびりとした雰囲気に
包まれていた。
 
<リアリーおばさんのクッキー>
バスの乗り遅れてパートを休むおばさん(江里子)が、クッキーを配り歩く
ふりふりのコスプレおばさん(美穂)に出会う。
「あなたもしかして・・・ステラおばさん?!」
彼女はステラおばさんではなく、Really?しか喋らないリアリーおばさん。
 
<おばさんあるあるオーディション>
なかなか物を受取らないおばさん、お金を紙に包んで渡してくるおばさん、
電話で声のトーンが変わるおばさんetc。
彼女たちの飛躍のきっかけとなった「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に
で見ることができる、秀逸なおばさんあるあるのショートコント集。
 
<喧嘩漫才>
漫才の途中で喧嘩になる江里子と美穂。
「カエルの声が出る動画見るのやめてよ気持ち悪い!」
「なによ、妖怪肩パッドばばあ!」
「寝る前にポテトチップス1袋食べるのやめて。幾つよ?!」
「私はおじゃがが好きなの。おじゃがでお腹いっぱいにして
寝るのが幸せなの!」
 
<二人の前世は本当に姉妹だった?>
第二次世界対戦へと突入したことを嘆く二人の姉妹。
姉(江里子)は音楽の先生であり、空腹のこまっしゃくれた妹(美穂)を
なだめるために、絵本を読んだりお歌を歌ったり。
「わたし、生まれ変わったらお腹いっぱいおじゃがを食べたい」
 
<どこにもいる こんな人>
♪いるいる どこにもいる どこにもいるこんな人~
というフレーズに乗せて、絵付きのフリップに顔をハメるネタ。
振り返るタイミングを取るために、小さな声でせぇ~のと言ってるのが
会場に聞こえてしまい微笑ましい。
 
<スタンド・ババア・ミー>
昼下がりの公園で鳩に餌を撒く二人のおばさん。
美穂に好意を寄せている江里子は・・・。
 
<リアリーおばさんのクッキー おかわり>
 
 
<ソングコーナー>
ドリームガール
You’d be so nice to come home to
みずいろの雨
魂のルフラン
産声
365日の紙飛行機
花束を君に
月がとっても青いから
さよならの向こう側
トルコ行進曲
 
 
ピンクの衣装とは違うドレスに身を包み、歌詞を阿佐ヶ谷・高円寺に寄せた
「ドリームガール」から始まり、盟友タブレット純が二人のために作った
オリジナルソング「おしぼりをまるめたら」はしっとりと歌う。
「産声」はこの日のために作られたオリジナルソングで、
作詞は演出の坪田塁さんだ。
 
劇中で何度となく流れた美穂さんの
「誰に頼まれたわけでもない。自分で選んだ道だもの。
自分で良いようにしなくては」
そのような台詞に、年齢や性別に関係なく自分の人生を
選びその責任を自分で引取る、柔らかくも芯のある覚悟を感じる。
 
特筆すべきは舞台上から客席の隅々にまで行き渡る幸せいっぱいの空気!
カーテンコールでは予想通り江里子さんが涙・涙で、お客さんも
貰い泣きをしていた。
お二人からとびきりの贈り物を頂いた気分で劇場を後にした。