2017年4月19日水曜日

シティボーイズ報告官S(前篇)

順番が前後してしまったが、シティボーイズ報告官Sの前半レポート。
今回の目玉である「シティボーイズ公演を演出家ごとに振り返る」

とはいえ、過去を振り返るのが嫌いな斉木さん。
WOWOWから発売前のDVDが送られてくるも、封を開けずに
並べたままで、いつの間にか人にあげたり貸したりでなくなってしまう。
自分の芝居があまり好きではないから、という理由もあるらしい。

スタッフの選んだその演出家の代表コントを、1本まるまる全員で
鑑賞してから語ると言う流れで、直近から過去に遡ってゆく。


演出家1:前田司郎 モナリザ(燃えるゴミ)

シティボーイズライブの準備は数ヵ月前から始まる。
最初は雑談を繰り返し、コントが出来てくると少しずつ稽古をするというシステムらしい。
しかし前田さんは、そろそろ本番前1ヶ月前という時期に
なっても一行も書いてこない。
そしてある日、突然どーんと台本を1冊書き上げてきた。
ずっと3人の無駄話を観察し、クセや喋り方などを掴んでいた。
「前田君のホンは字だけで読んでも面白くない。でも芝居にすると面白いんだよ」

 
演出家2:宮沢章夫 喫茶店(西瓜割りの棒、あなた達に、桜の下ではじめる準備を)

シティボーイズライブのコントはいつも新作だが、このコントだけ
ラジカルガジベリビンバシステム時代の再演だった。実に30年ぶり。
しかし当時と再演では、観客の受け方がいまひとつ違う。
あの頃は素直にみんな大爆笑する、小気味良い作品だった。
今回はお客さんが引きながらも笑う、という感じ。

30年前は「差別に対する逆差別」を出して、それが素直に笑いになっていた。
しかし今は「“差別に対する逆差別”は無意識にやってしまうことだから
よくないよね」という認識が、当たり前になっているのかもしれない。
それは良い意味で当たり前なのか、むしろ当たり前すぎで逆に鈍感になって
しまっていないだろうか。

今回のゲスト、首都東京大学の准教授 渡邉さんによると
シティボーイズのビデオを学生に見せると、まず戸惑う。
そして、笑う学生が出てくると「あっ、笑っていいんだ」と安心して他の子たちも
笑いはじめる。
だから、もしこのコントを授業で見せたら、最初から最後まで全く
笑いがおきない可能性もありますね、と語っていた。

こういうものを笑ってはいけません、という教育が染みている子供たち。
そこを乗り越えても笑えるんだ!というところまで持って行くのは難しい。
当時と今では単純にスピードが違うので、テンポで笑わせることが
できない点も大きい、と斉木さん。
「みんな歳とったよね」


演出家3:天久聖一 異常な記憶力の村(動かない蟻)

天久さんのコントは全体的にネガティブだった。結末も暗いものが多い。
暗いばかりだとあまりにも・・・ということで、みんなで意見を出しつつ
変えたのがこのコント。
しかし、昔の事ばかり異常に覚えているのはあるあるだよね、という話題で
盛り上がる。

 
演出家4:細川徹 原発推進キャンペーン(マンドラゴラの降る沼)

震災の後にネットで話題になったこのコント。
動画サイトのコメント欄を見たら「不謹慎だ」と書かれていた。
こちらの方が5年くらい前なのに・・・。
細川さんは斉木さんのキャラがたつコントを作るのが上手い。

 
演出家5:坪田塁 3人の兵士(ラ・ハッスル・きのこショー)

このコントはベタだけれど稽古が大変だった。
台詞に脈略がないのでとても覚えづらい。
きたろうさんが叫びすぎて、声がガラガラになる。


演出家6:三木聡 五人姉妹の物語(愚者の代弁者、うっかり東へ)

とにかく脚本の素晴らしさに感嘆する。今見てもまったく古びていない。
このコントでは、とりわけ有志さんの東京物語ぶりが素晴らしい。
あとは、どの演出家に怒られたかという話だったかな。
宮沢さん、三木さんにはよく怒られた。
アドリブは基本的に禁止。稽古場で試してOKが出たアドリブのみ
許される(それはアドリブなのだろうか?)

2017年4月7日金曜日

港で酒をもらう番組

毎週楽しみにチェックしている「博多華丸のもらい酒みなと旅」。
そういえばDVDが出ていたなと思い、ちょうど楽天ポイントも貯まって
いたので購入してみた。
今回の特典は須黒アナと相棒である博多大吉さんの副音声。
さっそく聴いてみると・・・いや~大吉先生が真っ黒ですな!
止まらない番組&よしもとへの愚痴。

そうそう、この番組がよしもと制作であることもDVDを買って初めて知った。
再生するとよしもとのタイトルが出る。
(アメトーーク!もDVDで観ると、やはり同じく「あっ、よしもとか!」と驚く)
ということで、番組を通して事務所に色々とクレームが出るわけで。

大吉さんのトークから察するに、あの「華丸、泥酔で生放送事件」が、
華大の冠番組だった「知りたいサタデー」が終了する原因の一つだったのだろうか。
だとしたら、激怒するのも無理はない。
そんな状態になるまで相方に飲ませたのは番組=事務所で、
身内に裏切られたようなものだろう。

その怒りから「もし自分がゲストで出たら、記憶が飛ぶほど飲んで
ベロベロになってやる!」と決意していた大吉先生。
その宣言通り、飲みに飲んでの大暴走。
タカアンドトシのトシがマジギレするほどに(笑)

「華丸さんに会いたい」と連呼したり、ネットで相方愛が凄いと盛り上がっていた部分に関しては、
「会えばもうこの収録が終わらせることができるから~」
「照れたわけではなくて面白すぎて赤くなって~」
と、一生懸命弁明をしていた。かわいい。
きっと半分事実で、半分照れ隠しなのだろう。
須黒アナに相方がボケているときは目を見てあげてね、と
アドバイスをしたり、好きな食べ物をバッチリ把握していたりと
なんだかんだでやはり仲の良い華大さんだった。

今は第2シーズンに入り、いつの間にか港要素が消えてしまった。
あのまま続いたら肝臓がやられてしまいそうなので、これは
これでいいんじゃないかと。
その代わり、第1シーズンではどうにか食に絡んで出演していた
よしもと芸人が、もう堂々といきなり登場する。
普段は大宮と幕張を中心に頑張っています!的なメンバーが、しかも増えてやってくる。
酒が減り、お笑いが増えた(笑)

バイプレイヤーズ関連で松重豊さん&光石研さんと飲んで
博多弁トークをした回もとりわけ面白く、今後色々な人と飲みながら
本音を語る番組として続いて欲しい。