2018年2月8日木曜日

マンスリープロジェクト「トークセッション 宮田慶子×小川絵梨子」

20166月に発表された新国立劇場 新芸術監督予定者ニュース。
芸術性も大衆性も兼ね備えたラインナップ、マンスリープロジェクトと
いう素晴らしい企画を立ち上げた演劇部門の芸術監督 宮田慶子さんの退任
は残念だが、次はどんな方になるのだろうと記事を確認して、
思わず目を見開いた。

「演劇部門 小川絵梨子」

演出を手掛けた舞台を何作か観ているはず。
でもこの方若手じゃなかったかしら・・・?
慌てて経歴を確認するとなんと1978年生まれ!30代!
これは・・・これは凄いことだ。
30代の女性演出家が芸術監督に、しかも国立の劇場の芸術監督に
就任するのだ。

小川さんの就任はもう今年の秋。
そして1月のマンスリープロジェクトは、宮田さん&小川さんの新旧芸術監督
トークセッションだというので、これは必見だと小躍りしながら劇場に
足を運んだ。

上演時間は約90分間だったかな。かなり密度の濃い話を聞く事ができた。
自分の防備録として、特に印象に残った部分を書いておこうと思う。

・まず話題に上がったのはやはり年齢の若さ。
小川さん曰く「ギリギリ30代ですが」。

宮田さんが芸術監督に就任したのが52歳の時。
それでさえ歴代最年少で、周りから「芸術監督がそんなに若くて大丈夫なのか」
と言われていたらしい。

小川さんはオファーが来て率直に驚いたとのこと。そりゃそうだ。
芸術監督に誰がなるかというのはフリーの演出家にとって死活問題なので、
仲間と「お仕事をくれる人になるといいね~」と話しあっていたのに、
まさか自分に話がくるとは。
宮田さんは初めて仕事をした時から素晴らしい才能だと感じ、すぐに
新国立の若手企画(だったかな?)のオファーを出した。

・とりあえず小川さんの経歴をということで。
中学生くらいからずっと演劇ぶっくを読み劇場に通う演劇ファンであった
けれど、本格的な活動を考え始めたのは高校を卒業してから。
日本でプロの演出家になるのはどうすればいいかわからなかった、という
話が何度か出てきました。

小劇場ブームの先輩方は自分のヒーローだけれど、彼らは強烈な個性と
自分の作りたい演劇観を持ち、脚本・演出さらに劇団の主宰者でもある。
自分にはあんな圧倒的な才能がないことはわかっているし、演出だけをや
りたい。
となると他に思いつくのは老舗の新劇劇団だが、新劇は厳しくて怖い
イメージがあった(笑)
新劇出身の宮田さんも
「新劇の演出はデビューまでにとても時間がかかるしね。苦節十何年という世界。
しかも徒弟制度なので、体系的に学ぶのは難しい。
他の人の演出方法を観ながら学んで、足りない部分は独学しかない」

そんなこんなで、大学後はニューヨークのアクターズスタジオで学ぶ
ことにした小川さん。
ニューヨークに来た日本の演劇関係者にプロの演出家になる方法を相談しても
「わからない」「脚本は書かないの?そうなると、うーん、東宝かなぁ?」
という曖昧な答えしか返ってこない。
しかし帰国すると日本の演劇界もかなり状況が変わっていて、フリーの
演出家も比較的活動しやすい環境になっていた。

・印象的だったお金の話。
新国立劇場は国の税金で全てを賄っていると考えている人が多いが、
それでは全く足りない。
企業・スポンサー・個人からの賛助金にも支えられている。
アメリカには国立劇場がない。(確か)州立劇場も少なく、ほとんどは
非営利団体として劇場を運営している。
なぜこれが可能かというと、企業から劇場への寄付金がとても多いから。
寄付による税額控除があるので、企業は積極的に利用する。
だから、実はアメリカの文化予算はとても低いのだそう(韓国の文化予算は高いらしい)。

企業に限らず個人の寄付も多い。
小川さんがアメリカで仲間と小規模の芝居を作る時にファンドレイジングで
資金を募った。
大口はなかなか難しく、友達に声をかけると
「いいよ。どうせ国に税金を払うくらいならその活動に出すわ」
と数万円の寄付を気軽に受けてくれる人が結構いる。
日本も寄付に対する税額控除があるのになかなか広まらないですね、もちろん
若い人たちは自分の生活で精いっぱいだからしょうがないとは思うけれどと語るお二人。

・小川さんが任期中の大きな指針として提案した「三つの柱」。
この三つの柱をわかりやすく説明してくれた。

1つ目は幅広い観客に観客層に演劇をお届けする。
エッヂの効いた難解な作品も必要だと思うけれど、老若男女に親しみやすい演劇を届けたい。
でも、少し背伸びをしたいこともある。
そのバランスを上手に汲んだラインナップを試みたい。

2つ目はフルオーディションとディベロップメント。
本来、演劇は上演するべき良い脚本があり、その脚本を上演のために役者を集める。
しかしなかなかそうはいかない。それは「集客」の問題があるから。
確かに集客は大事だ。ガラガラの客席は舞台上の役者のテンションも下がる。
また、フリーのプロデューサーや演出家は、毎回次の作品が興行的に
失敗したら自分のキャリアが終わるかもしれない、もう仕事は来ないか
もしれないという覚悟で臨んでいる。

しかし、集客ありきで演劇を作るとスケジュール調整難(なかなか稽古の
時間が取れない)が発生したり。他にも色々と
オーディションは健全な作り方であるし、何よりその芝居に出たい人が来てくれる。

「『向こうからやりたい!』と来てくれる人と芝居を作るのと、
本人以外の意思でキャスティングされたであろう人に『あのやりたいですか?』と
伺いながら芝居を作るのでは全然違いますよね!」と語り合うお二人を
観て、ご苦労が垣間見えるなあと。

もちろん国立の劇場だからといって、集客を無視できるわけではない。
「ずっと赤字続きだったら、多分私は任期途中でいなくなると思います(笑)」と小川さん。
しかし、新国立劇場だからこそできること。
可能であれば、毎年1本はフルオーディションの作品を上演したい。
今回の「かもめ」は演出が鈴木裕美さん。彼女もずっとフルオーディション
の舞台を作りたいと話していた。
脚本はトム・ストッパードの英語台本を小川さんが翻訳する。

ディベロップメントはまだ正式に固まっていない印象だったけれど、
劇場が開いているから作品を作るのではなく、作品が良いから劇場に
あげる状況を作りたい。
そのために長期間かけてじっくり幾つかの作品を作っていき、場合によっては
途中で演出や役者も変え、仕上がったら協議の上で劇場で上演するという
試みになる予定。

イギリスのナショナルシアターにはディベロップメントの部署があり、
常に200ぐらい待機状態の作品があるらしい(200って・・・)。
作品の出来不出来だけではなく、トランプ政権だからこれをかけてみよう、
など世界情勢や流行によって候補の中からピックアップする場合もある。

3つ目の横の繋がり。
これについては残念ながらあまり覚えていない。
宮田さんも地方の公共劇場と連携をとって何かしたかったけれど、叶わなかった
と話していた気がする。

・注目のラインアップ
小川さんが気にしていたのは
「ナショナルシアターライブ(NT Live)と被ってしまった演目がいくつかあって
偶然なんです~パクリじゃないの~」

確かにスカイライトはNT Liveで知ったけれど、誰もいない国(No Man’s Land
はずっとやりたかった作品だった。
宮田さんも、全く別の国の演出家が上演したい演目がかぶるということは、
これが今の世界の流れなのかもしれないですね、と。

そんな中、ひと際目立つのが少年王者舘「1001(イチゼロゼロイチ)」。
小川「これはもう、私が少年王者舘のただただファンだからです!」
ラインアップの中で、作と演出が分かれていない唯一の作品。招聘枠とのこと。
(そういえば、維新派を招聘して上演してくれたのも新国立劇場だっけ)

・新国立まつり?
宮田さんが自分は叶えられなかったので、小川さんに是非新国立まつりを
やって欲しい!とお願いしていた。
新国立劇場にはせっかくバレエ、演劇、音楽の3ジャンルあるのだから、
その全てを観る事ができるフェスのようなイベントが欲しい。
開催中は短編作品やミニコンサートなどをたくさん上演して、通し券を
購入したお客さんはどれでも見ることができる。

・震災の話
宮田さんが新国立劇場の芸術監督を就任した半年後に大震災がおこった。
あの時の事は一生忘れない、と語る。あの時期、東京中の劇場から
観客が消えてしまった。とりわけ夜公演は。
電力不足で交通機関が麻痺していた東京では、帰宅難民になる人が多かった。
とにかくいち早く家まで辿り着きたい。皆そう思うのが当然だ。

当時、新国立劇場では橋爪功さんと石倉三郎さん出演の「ゴドーを待ちながら」
を上演していた。
その舞台美術がまるで津波の去った後の様な風景で、奇妙な符合にぞわりとした。
足を運んでくれた数少ないお客さんと共に、「来るかもしれないゴドー(何か)を
ひたすら待つ」という経験をしたことは、きっと一生覚えていると言う。

90分でも足りない程の聴きごたえのある対談だった。
国立の劇場なので比較的チケット代も安く、とりわけ学生には大きな割引も
あるので、老若男女がもっと気軽に通ってくれるといいなと思う。 

  新国立劇場 2018/2019シーズン 演劇ラインアップの発表
http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_011682.html

  2018/2019シーズン 演劇ラインアップ説明会資料
http://www.nntt.jac.go.jp/release/press/upload_files/lineup_drama_2018-2019.pdf

新国立劇場ポスター展「イメージの記憶」

今年は新国立劇場開館20周年。
その記念として、2階3階のギャラリーで歴代のポスター展が開催されている。

 以前ブログに書いたかもしれないが、私は開館当初の新国立劇場
ポスター(チラシ)が大好きだった。
とりわけバレエ・オペラが素晴らしく、くるみ割り人形ならば人形を胸に抱き
夢見るような表情のクララのイラスト。
キトリの優雅なセンスに薔薇をあしらったドンキホーテ。
桜の舞い散る中、大きく羽を広げた蝶をモチーフにした蝶々夫人。
しかし当時通っていた小劇場の折込みには、新国立劇場のチラシ
(特にバレエ、オペラ)は入らないので、わざわざ劇場までチラシを貰いに
行っていた。

それくらい好きだったあのポスターに会える!と、芸術監督トークショーが
終わったその足でギャラリーへ。
ああ、今見ても美しい。ウットリと眺めながら、その美しさの理由を確信した。
イラストだからだ。写真を使っていないからだ。

コンサート、オペラ、バレエを見に行くと、入口で分厚い他公演のチラシ束を
渡される。
そのチラシのほとんどは、大きく書かれた公演名と写真が印刷されている。
クラシックコンサートならばホールで演奏する楽団の全体写真に、指揮者の
姿がドーン!
オペラやバレエならば、ソリストの舞台写真がバーン!
失礼を承知で書くならば、宣伝美術としての美しさは欠片もない。

しかし、何故そうなってしまうかもわかる。
前述のトークショーでも出ていた、集客問題があるからだろう。
コンサート、オペラ、バレエは演劇以上に「ソリスト(あるいは指揮者)が誰なのか」
が重要であり、観客もそこを目当てでどの公演に行くか選ぶ場合が多い。
となると、いかにその情報を目立たせるかという点が最重要で、結果として
定型文のような凡庸なチラシになってしまう。

国立の劇場ならば、他公演のように集客に重くとらわれずに企画をたてる
ことができる。作品で人を呼ぼう。
高い志を持った誰かが開館当初はいて、この美しいポスターを制作したのかも
しれない。

そんな想像をしながら、たっぷりと時間をかけてポスター達を眺めた。

http://www.nntt.jac.go.jp/centre/news/detail/180112_011688.html

2017年12月22日金曜日

ラブレターズ 渋谷ライブシリーズ

今年の4月から続いていたラブレターズのライブシリーズが、
12月の単独ライブで幕を閉じた。

・60分ライブ
・トークライブ
・ミュージシャンと対バン
・お寺でライブ
・溜口スーパーディナーショー
・学生のお笑いサークルと対決
 
私はお寺ライブと学生対決以外は通ったのかな。
正式にはここに入らないけれど、秋にバッファロー吾郎Aさんと
せきしろさんが次々に企画したライブに、溜口さんと塚本さんが
それぞれ参加していたのも、感覚的にはシリーズの一環に思える。

元々能力の高いコンビである二人が、経験値を得て
成長をしていく姿が眩しく、
未経験のジャンルに飛び込む、そのドキドキする
気持ちを一緒に体験させてもらえたのがとても幸せだった。
私はチケット代を払って客席に座っているだけなのに、こんなに
楽しませてもらっていいのかしらと戸惑うくらい。

大ラスの単独ライブ「SWEET da PARTY」はまさにパーティー!
溜口スーパーディナーショーで着ていた白タキシードに
今日は二人で身を包み、歌いながら登場するその歌詞には、
対バンライブで共演したバンドの名前が折り込まれる。

越後製菓、王理恵のそばなどファンにはピンとくる
せきしろさん脚本のコントも、いつものラブレターズとはまるで違って面白い。
(しかし抜群の演技があるので、コントとしての違和感はあまりない)

ラブレらしさ100%のオープニングコント。
当たり前のように受け入れているコントのシチュエーションを解体する「コンビニ」。
ハートウォーミングな「どんぐり」など。

私は富良野で暮らすおじさんの諦観と、ラジオのサテライトスタジオの側で
自分の声が届かないDJに話し続けるおじさんの
無自覚な寂しさが心に触れた。
やさしい視線を持ちながら、単純な「いい話」に落としこまない
そのバランス感覚が素晴らしい。

最後の2.5次元インタラクティブミュージカル(ライブビューイング)は
観客参加型で、パーティーのラストにピッタリのコント。
私も恥をかき捨てて「大丈夫だよー!痛くないよー!」と叫んできた。
本職とまではいかなくても、一定レベルの歌唱力と演技力、そして
恥ずかしがらずにやりきる強いハートがなければできないこのコント。
まさにラブレターズにぴったり。

小柄でポップなラブレターズなので、いつまでも掛け出し若手のイメージがあり、
単独ライブに行くたびにその達者さに新鮮に驚いてしまう。
300席を超える会場に全く負けない存在感と華を持つだけでなく、どうやら
風格さえ漂い始めた。
来年は私達をどこへ連れて行ってくれるのだろう。

2017年10月12日木曜日

溜口スーパーディナーショー

溜口さんの初ソロライブということでチケットは完売御礼。

2017年6月7日水曜日

すいているのに相席5

「今」
東進ハイスクールで講義中の林先生(尾関)の元に
タイムマシーンに乗って未来から自分(高佐)がやってきた。
タイムスリップ。とは言っても、未来が変わってしまうことは避けたいので、
数分後の未来からやってきたらしい。
「僕が来たのは?」「未来でしょ!」

珍しく黒髪の高佐さん。
同一人物という設定なので、尾関さんに寄せたのかな。
細かいSF設定があるということで、やはり脚本担当は上田さんだった。

「同窓会~未来へ~」
小学校の同窓会で集まった五人の男女。
ヒロッチ(佐藤)、ノッポ(尾関)、ハカセ(高佐)、ぷーやん(野田)、チコ(本間)。
彼らは教育実習にやってきたあいる先生(山脇)の思い出を語り合う。
元気でかわいい人気者だった彼女は、みんなから親しみを込めて”アヒルちゃん”と呼ばれていた。
ところが、この日に現れたアヒルちゃん(バ吾A)は、当時とは似ても
似つかない姿になっていた。
果たして彼女はアヒルちゃん本人なのだろうか?

相席反省会のAさんによると、アヒルちゃんの着ているB&Bシャツから
生まれたコントらしい。
最後に出てきた骨格標本は、以前どこまでも転がるごきげんようサイコロのコントで
出てきたものだった。
確かその時の相席でも「あれは高かったから、今度別のコントに使わなくちゃ」と
せきしろさんが言っていた気がする。
意外と物ありきでコントは作られるのかもしれない。

 
「離婚届」
黄昏時のマンションの1室で、疲れた顔をした女(山脇)が荷物をまとめて出て
行こうとしたところに男(尾関)と鉢合わせ、とげとげしい会話を交わす。
どうやら彼らは離婚を決意した夫婦らしい。
部屋に置いておいたはずの離婚届が見つからない。
その理由は・・・山羊。
山羊に離婚届を食べられてしまったなら仕方が無い。
「なあ、俺達もう一度やり直せないか?」

尾関&山脇コンビだし、この夫婦は「恵方巻き」の夫婦なのだろう。
ベランダで恵方に向かって恵方巻きを食べていたら、妻の浮気現場を
目撃してしまったあの夫婦がついに離婚。
・・・のはずが山羊に救われる。
部屋に山羊て。

「風に吹かれて」
金閣(野田)と銀閣(バ吾A)が、名前を呼ばれて返事をすると
吸い込まれる瓢箪を片手に獲物を探している。
そこに現れた1人の男(尾関)。サングラスをかけ、ギターを抱えて飄々と歩く
彼こそ、伝説のミュージシャン ボブ・ディランだ。
金閣と銀閣に名前を呼ばれ続けるも、沈黙を守るボブ。
彼はたった一言を残し、風に吹かれて去って行った。
行けたら行くよ、と。

カーテンコールで「まさか自分がボブ・ディランになれるなんてすごく嬉しい」と
喜んでいた尾関さん。
一度最前列に座って見上げたら、サングラス姿も似合うし、あの長身なので
とてもかっこよかった。

「今日から勝俣を見る目が変わる話」
人助けや善意のために、勝俣(高佐)のズボンが見る見るうちに短くなっていく話。
勝俣は現代の幸福な王子だったのだ。

このタイトルが出てから始まるのだから、考えてみたらとんでもない。
基本的に繰り返しで、しかも最初のひとくだりでオチというか、仕掛けは観客に
わかってしまう。
タイトルでバラし、オチも早速バラし、それでもウケ続けるコント。
本間さんが演じたチャラい男の台詞
「おっ、椅子がある。あそこでイチャイチャしようぜ!」
が、共演者にも観客にも大人気だった(私も大好き)。

「猫と話す」
不思議な服装のおばさん(野田)が、抱き上げた猫に延々と話しかけている。
それをじっと見つめていた男(バ吾A)がひらめき、立ちあがって叫んだ。
「わかった、喋っている本体は猫ではなくおばさんだ!」
見事正解した男はおばさんからレイを受取り、
アメリカ横断ウルトラクイズ次のチェックポイントへと力強く進むのであった。

ウルトラクイズでおなじみのSEが流れた途端にやられた!と思ったコント。
男の隣に置かれたスーツケース、おばさんが首からかけているレイ。
ヒントは散りばめられていたのに。

野田さんが「今までは顔芸やでかい声で無理やり笑いをとっていたけれど、
今回初めて小声で話すだけで客席がドカーン!と笑う体験をした!
練られている脚本てすごい!」と大興奮だった。
その一方、野田さんが台詞を派手に飛ばしたり間違えたりするので、
皆は舞台袖で上手くいきますようにと祈っていたらしい。

内容はチケット取りあるあるなので、中盤まではお笑いファンに大受けで、
後半はアイドルチケットあるあるになるので、私も含めて「?」となっている人多し。
脚本はもちろんアイドル好きのせきしろさん。

「イソップ物語」
スクールウォーズミュージカル。
アイアシアタートーキョーで絶賛上演中!

思い出しながら書こうとしたら、ほとんどあらすじがなかった。
せきしろさんは反省会で「このコントは歌い出すまでは何でもいい」
と言っていた意味がよくわかる。
スクールウォーズ世代がどれだけいるかなんて気にせず、長々と高佐さんに
イソップのものまねをさせる相席が好きだ。

「野田 vs. 尾関」
おなじみの映像によるハーフタイムショー。
今回は野田と尾関が日替わりのお題で対決をする。

「マツケンサンバ」
舞台上で振付家の真島(高佐)と松平健(バ吾A)が、マツケンサンバの
リハーサルを行っている。
振付の確認中、松平健が突然保険証がないと騒ぎ出した。
リハーサルが終わったらすぐに歯医者へ行くために、着物の帯に挟んでおいた
保険証がなくなっているのだ。
周りを巻き込んで大騒ぎをした結果、保険証は楽屋に置いてあるパーカーの
フードの中から見つかる。
暴れん坊将軍ならぬ、あわてん坊将軍な健さんであった。

今回の思い出について聞かれるたびに、このコントについて熱く語っていたのは尾関さん。
とにかくラストの「全員でオレ!→照明落ちる→客席からの拍手」の流れが
快感だったそうな。
あれは観ていても気持ちのいい瞬間だった。

そして、実はこのコントは登場人物・台詞・動き・流れに一つの無駄もない、
完璧な構成なのだと教えてくれた。
反省会で映像を見直すと、健さんが最初からちゃんと保険証を確認しながら
ダンスをしているのがわかる。
マジー役の高佐さんの動きも美しい。
本間さんの演じた初老の照明さんもいい。演じる役の幅が広い!

ちなみに今回の相席で、真っ先に出来たコントがマツケンサンバ
だったとのこと。上田さんはいつもせきしろさん、Aさんから届く脚本を
読んで自分の作品を考えるのに、届いたのが
「松平健が保険証をなくし、踊り、そして見つかる」
という内容だったので、この後に一体俺は何を書けばいいんだろう?と
頭を抱えたそうな。

「ひょっとこ」
ステージ中央でひたすら踊るひょっとこ仮面の男(野田)。
「私を先頭に10kmの渋滞です!」

野田さんのハートの強さを堪能するコント。

「メモ。川合俊一は警戒心が強い」
海辺でスイカ割りをしている二人の男。
目隠しをした男(尾関)を誘導する友人(佐藤)は
いたずら心から、凝った説明で左右を示す。
「じゃあ、川合俊一の分け目の方!」
川合俊一の分け目。それは自分が川合俊一の場合だろうか、
それとも自分から見た川合俊一の場合だろうか?

アフタートークで上田さんが、この憑依方法の革新さについて述べていました。
誰かの人格が入ってしまうという話を書く場合、例えば気絶させるとか
怪しい薬を飲むとか、きっかけの方法は色々あるけれど
「俺から見た川合俊一なのか?俺が川合俊一の場合なのか?
・・・俺か?俺は川合俊一なのか・・・?」と
対象の事を考えすぎて別人格になる、というパターンは初めてみたとのこと。

「素敵な紙芝居」
パチンコで金をすった男(本間)がイラつきながら公園で待っている。
待ち合わせに現れた男の恋人は、内面の優しさが外見にも
滲み出るような、男とは正反対の素朴な女(山脇)だった。

公園では老人(野田)が、不思議な紙芝居を語りだした。
女には紙芝居に描かれた素晴らしい絵が見える。
自らを犠牲にして工場を救った男(佐藤)にも。
しかし、女の恋人の目にはただの白紙にしか見えないのだった。

しゃぶしゃぶを食べる時に、ごまだれを使う人だけが見ることができる
不思議な紙芝居。
アフタートークで客席アンケートを取り、想像以上にごまだれ派がいたので
Aさんが衝撃を受けていた。
反省会で、突然出てくるストーリーテラー(高佐さん)はごまだれ派なのか
ポン酢派かとなのかと聞かれ
「あの人はベジタリアンです」。

「グルメの言霊」
本日も彦麻呂(バ吾A)のグルメレポートは絶好調。
それを笑いながら見るディレクター(尾関)の横で、AD(本間)が怪訝な顔を
している。
彼は彦麻呂が最近料理の味ではなく、自分の口の中の状態をレポートしている
ことに気づいていた。

終盤のAさんの不穏な演技。大迫力。
口内レポートは背筋がぞわぞわしてくる気持ち悪さだった。

「フェス」
夏フェスを楽しんだカップル(高佐&山脇)が、風にのって聞こえてくる星野源の
歌声を背に、出口に向かっていた。
バスの時間があるから、もう帰らなくちゃいけない。
でも、二人の時間をもう少し長く楽しみたい。
あと少しだけ。

相席には珍しいピュアな恋愛もの。
このフェス、ソード(剣)ステージ、トラディション(伝統)ステージといちいち
分け方がおかしい。
星野源はメインステージのトリなのだろうか?
フェス会場では和泉元彌が乗っていることになっていたヘリコプター。
今回の相席では他のコントでもヘリコプターの音がちょくちょく聞こえている。
ファンの間で、実は全てのコントは同じ夏の日なのではないか説が囁かれている。

「クララが立つのを横から見るか?下から見るか?」
クララが立つところが見ることができるらしい。
そんな噂を聞き、僕(佐藤)とゆうすけ(野田)は
小学校の夏休みを利用して、小さな冒険に出かけた。
自転車を漕いで、漕いで、やっと到着した古びたテーマパーク。
「クララ スタンダップショー」と書かれた看板の横に座っているのは、
クララの雑なコスプレをしたおじさん(バ吾A)だった。

まさかあのおじさん?
不安に思いながらも、ショー開始の時間を待つ。
なにしろ親友と一緒だから、話したい事はいくらでもあって、長い待ち時間など
苦にならないのだ。
家からもってきたお菓子を年寄りくさいとからかう僕。
少しムッとしながら、お菓子をわけてくれるゆうすけ。

突然の雨によりショーは中止になり、がっかりとしながら僕たちは家路につく。
ゆうすけとはいつでも会える、また行けばいい。
そう思っていたのに、夏休みが終わると先生からゆうすけの転校を告げられる...

最後は少年たちの切ない夏物語。
オチの佐藤さんが衝撃的で、座っているだけで受けるから
佐藤さんが「クララシステム」と名付ける。
(楽日があまり受けなかったのは、多分リピーターが多いからではないかと・・・)
クララ(仮)の幼馴染役だった本間さんは、マッチョいじりを
工夫して、日を追うごとに笑い声が大きくなったのを喜んでいた。

 

2017年4月19日水曜日

シティボーイズ報告官S(前篇)

順番が前後してしまったが、シティボーイズ報告官Sの前半レポート。
今回の目玉である「シティボーイズ公演を演出家ごとに振り返る」

とはいえ、過去を振り返るのが嫌いな斉木さん。
WOWOWから発売前のDVDが送られてくるも、封を開けずに
並べたままで、いつの間にか人にあげたり貸したりでなくなってしまう。
自分の芝居があまり好きではないから、という理由もあるらしい。

スタッフの選んだその演出家の代表コントを、1本まるまる全員で
鑑賞してから語ると言う流れで、直近から過去に遡ってゆく。


演出家1:前田司郎 モナリザ(燃えるゴミ)

シティボーイズライブの準備は数ヵ月前から始まる。
最初は雑談を繰り返し、コントが出来てくると少しずつ稽古をするというシステムらしい。
しかし前田さんは、そろそろ本番前1ヶ月前という時期に
なっても一行も書いてこない。
そしてある日、突然どーんと台本を1冊書き上げてきた。
ずっと3人の無駄話を観察し、クセや喋り方などを掴んでいた。
「前田君のホンは字だけで読んでも面白くない。でも芝居にすると面白いんだよ」

 
演出家2:宮沢章夫 喫茶店(西瓜割りの棒、あなた達に、桜の下ではじめる準備を)

シティボーイズライブのコントはいつも新作だが、このコントだけ
ラジカルガジベリビンバシステム時代の再演だった。実に30年ぶり。
しかし当時と再演では、観客の受け方がいまひとつ違う。
あの頃は素直にみんな大爆笑する、小気味良い作品だった。
今回はお客さんが引きながらも笑う、という感じ。

30年前は「差別に対する逆差別」を出して、それが素直に笑いになっていた。
しかし今は「“差別に対する逆差別”は無意識にやってしまうことだから
よくないよね」という認識が、当たり前になっているのかもしれない。
それは良い意味で当たり前なのか、むしろ当たり前すぎで逆に鈍感になって
しまっていないだろうか。

今回のゲスト、首都東京大学の准教授 渡邉さんによると
シティボーイズのビデオを学生に見せると、まず戸惑う。
そして、笑う学生が出てくると「あっ、笑っていいんだ」と安心して他の子たちも
笑いはじめる。
だから、もしこのコントを授業で見せたら、最初から最後まで全く
笑いがおきない可能性もありますね、と語っていた。

こういうものを笑ってはいけません、という教育が染みている子供たち。
そこを乗り越えても笑えるんだ!というところまで持って行くのは難しい。
当時と今では単純にスピードが違うので、テンポで笑わせることが
できない点も大きい、と斉木さん。
「みんな歳とったよね」


演出家3:天久聖一 異常な記憶力の村(動かない蟻)

天久さんのコントは全体的にネガティブだった。結末も暗いものが多い。
暗いばかりだとあまりにも・・・ということで、みんなで意見を出しつつ
変えたのがこのコント。
しかし、昔の事ばかり異常に覚えているのはあるあるだよね、という話題で
盛り上がる。

 
演出家4:細川徹 原発推進キャンペーン(マンドラゴラの降る沼)

震災の後にネットで話題になったこのコント。
動画サイトのコメント欄を見たら「不謹慎だ」と書かれていた。
こちらの方が5年くらい前なのに・・・。
細川さんは斉木さんのキャラがたつコントを作るのが上手い。

 
演出家5:坪田塁 3人の兵士(ラ・ハッスル・きのこショー)

このコントはベタだけれど稽古が大変だった。
台詞に脈略がないのでとても覚えづらい。
きたろうさんが叫びすぎて、声がガラガラになる。


演出家6:三木聡 五人姉妹の物語(愚者の代弁者、うっかり東へ)

とにかく脚本の素晴らしさに感嘆する。今見てもまったく古びていない。
このコントでは、とりわけ有志さんの東京物語ぶりが素晴らしい。
あとは、どの演出家に怒られたかという話だったかな。
宮沢さん、三木さんにはよく怒られた。
アドリブは基本的に禁止。稽古場で試してOKが出たアドリブのみ
許される(それはアドリブなのだろうか?)

2017年4月7日金曜日

港で酒をもらう番組

毎週楽しみにチェックしている「博多華丸のもらい酒みなと旅」。
そういえばDVDが出ていたなと思い、ちょうど楽天ポイントも貯まって
いたので購入してみた。
今回の特典は須黒アナと相棒である博多大吉さんの副音声。
さっそく聴いてみると・・・いや~大吉先生が真っ黒ですな!
止まらない番組&よしもとへの愚痴。

そうそう、この番組がよしもと制作であることもDVDを買って初めて知った。
再生するとよしもとのタイトルが出る。
(アメトーーク!もDVDで観ると、やはり同じく「あっ、よしもとか!」と驚く)
ということで、番組を通して事務所に色々とクレームが出るわけで。

大吉さんのトークから察するに、あの「華丸、泥酔で生放送事件」が、
華大の冠番組だった「知りたいサタデー」が終了する原因の一つだったのだろうか。
だとしたら、激怒するのも無理はない。
そんな状態になるまで相方に飲ませたのは番組=事務所で、
身内に裏切られたようなものだろう。

その怒りから「もし自分がゲストで出たら、記憶が飛ぶほど飲んで
ベロベロになってやる!」と決意していた大吉先生。
その宣言通り、飲みに飲んでの大暴走。
タカアンドトシのトシがマジギレするほどに(笑)

「華丸さんに会いたい」と連呼したり、ネットで相方愛が凄いと盛り上がっていた部分に関しては、
「会えばもうこの収録が終わらせることができるから~」
「照れたわけではなくて面白すぎて赤くなって~」
と、一生懸命弁明をしていた。かわいい。
きっと半分事実で、半分照れ隠しなのだろう。
須黒アナに相方がボケているときは目を見てあげてね、と
アドバイスをしたり、好きな食べ物をバッチリ把握していたりと
なんだかんだでやはり仲の良い華大さんだった。

今は第2シーズンに入り、いつの間にか港要素が消えてしまった。
あのまま続いたら肝臓がやられてしまいそうなので、これは
これでいいんじゃないかと。
その代わり、第1シーズンではどうにか食に絡んで出演していた
よしもと芸人が、もう堂々といきなり登場する。
普段は大宮と幕張を中心に頑張っています!的なメンバーが、しかも増えてやってくる。
酒が減り、お笑いが増えた(笑)

バイプレイヤーズ関連で松重豊さん&光石研さんと飲んで
博多弁トークをした回もとりわけ面白く、今後色々な人と飲みながら
本音を語る番組として続いて欲しい。