2015年11月28日土曜日
スラッシュパイル「将棋の王将」
出演者;スパローズ大和、ザブングル加藤、ザ・ギース高佐&尾関、
ドドん石田、なんぶ桜澤山、ゴールデンエイジヤマト
田口降祐(新日本プロレス)、中村太地(棋士)
スラッシュパイルの将棋イベント第二回。
レギュラー出演者は、普段からLINEの将棋アプリでグループを作っているメンバーらしい。
客層は見たところ半分は将棋ファンで、残りの半分をお笑いファンとプロレスファンで分け合う感じだろうか。
MCのゴールデンエイジヤマトさんは、今回の出演者の中で唯一の将棋素人で前知識はほぼゼロ。
本当にまっさらに知らないので、進行は多少わたわたするけれど、将棋のルールを知らない観客の気持ちをうまく代弁してくれるのでありがたい。
自分は野球と漫才しかしてこなかったので!と、とりあえずなんでも野球に例えてみる(笑)
オープニングではそれぞれ将棋アプリの段位を交えて自己紹介をする。
大和さん、加藤さん、尾関さんが二段。
高佐さんはそれより下だが、LINEグループ内の対戦で尾関さんに負けて以来、あまり現れなくなってしまったらしい。
田口選手は六段。
今回解説をしてくれるのはプロ棋士中村太地氏。
27歳!イケメン!段位はプロ棋士としての六段!
ヤマトさんが皆さんの段位と中村さんの段位はどう違うんですか?と尋ねると、全員頭がもげるほど横にブンブン振りながら
尾「全然違う!俺たちは地下将棋!地獄の将棋!」
加「まあ、俺らはリフティングが何回できるか競っているようなもんだから。
中村さんはプロのサッカー選手」
大和さんは挨拶代わりにとりあえず年収を聞く。
中「羽生さんクラスになると数億でしょうね。
僕のですか?皆さんの年収も教えてくれたらいいですよ(笑)」
本日の対戦カードを発表。
ここでなぜか負けた奴は相手の靴を舐めるという屈辱的なルールが追加となる。
<第一試合>
ザ・ギースコンビ対決
高佐さんと尾関さんによる相方同士の勝負。
大和さん曰く、将棋は負けると頬が痙攣するほど悔しいものだから、コンビ同士でなんて絶対にやっちゃいけない。
実際、LINEグループにもコンビで参加しているのはギースのみらしい。
尾関さんは小学生時代に将棋クラブに入っていた。
高佐さんは父親が将棋が趣味で、かなり上手い人だったので習っていた。
LINEグループ内では尾関さんの方が勝ち星は多い。
しかし最近は高佐さんは現れないので、現在どれくらい腕が上がっているのかわからない。
今日は単独ライブの稽古をしていたので、試しにやってみたら高佐さんが勝った。
第一局がスタート。
尾関さんが絶対負けたくない!という気持ちが強く、カメラの存在を忘れてしばしば映り込んでしまう。
かなり守りの強い指し方をしている、らしい。
実力は拮抗しているようで、中盤まではどちらが優勢ということもなく進む。
対局中は周囲に座る出演者達がトークを交わす。
中村六段が話の中で出した羽生名人の名言「運命は勇者に微笑む」に触発されて高佐さんが仕掛けた!
尾関さんも指し返し、2人の間で激しい攻防が繰り広げられ、会場内のテンションも一気にあがる。
尾関さんがかなり良い駒の動かし方をして、中村六段に五千円拾ったくらい価値があると褒められる。
大「尾関にとっての五千円は実質一万円ですからね!」
終盤は尾関さんが優勢。
会場からも「辛い・・」という声が漏れる。
中「ここまで辛いと、今後のコンビ間の関係に影響が出ちゃいませんかねー」
辛いの意味を調べたら
「終盤で指し手が着実かつ非常に厳しいこと。茶化して『友達をなくす手』ともいう」
なるほど。
そのまま尾関さんの勝利。
「よかったー負けたらどうしようかと思ってえ」と大和さんに嬉しさのあまり抱きつこうとして、本気で嫌がられる。
尾「高佐のお父さん将棋キチ○イみたいな人だから・・」
高「人のお父さんをさりげなくディスるなよ」
終了後、高佐さんが感想戦はしないんですか、と尋ねながら駒を順番通り戻していく!?
棋譜を覚えているんですね。
尾「ここが高佐の凄いところなんです!」
大「勝って心に余裕がうまれたから、そんな台詞が言えるんだな」
高佐さんは加藤さんから「決まったことやから!これはもう法律やねん!」と、尾関さんの靴舐めを
強要されるも、高佐さんはなんとなくごまかしてうやむやにする。
<第二試合>
弟子対決 ドドん石田vs.なんぶ桜澤山
スパローズ大和さんの後輩石田さんと、ザブングル加藤さんの後輩澤山さん。
先輩に無理やり将棋を始めるよう命令された2人、なんと将棋歴10日同士のビギナー対決だ。
澤山さんは東大法学部出身。
エリートヤンキーならぬインテリヤンキーな頭脳明晰さが買われた。
対する石田さんは「お坊さんはなんとなく将棋が強そうだから」という、完全なイメージ先行による選出である。
お坊さんは将棋やらないの?と聞かれると
石「和尚様の部屋に将棋盤はあったような気がしますけど。
こちらから勝負をお願いして勝っちゃったら、もう終わりですから・・」
お寺も縦社会なのだ。
将棋盤を挟んだ2人、澤山さんは脳内で学んだ内容を復習しているのか盤上を見つめる。
石田さんは合掌しながら小声でお経を唱えている。
精神集中、もしくは仏様頼み。
「正座は得意なので、長期戦に持ち込めば有利かもしれません」
第2局がスタート。
10日目同士なんて勝負になるのだろうか?という客席の予想に反して、手つきは
不慣れでもちゃんと駒を動かしていく。
中村六段も、普通ならば駒の動き方のルールを覚えるのが精一杯だと
思いますよと感心する。
きちんと囲えていますしね、との言葉に客席の将棋ファンも温かい眼差しで頷く。
対戦は途中まではうまくいっていたものの、石田さんがだんだんパニックに。
一度置いた駒を動かしてしまう(待ったをする)、焦って時計を押さない、
あげくに間違って自分の駒を取ってしまう。
中「自分の駒を取れたら羽生さんにも勝てますね(笑)」
高「家から持ってきた飛車とか使っちゃ駄目だよ(笑)」
この勝負は澤山さんの勝ち。
やはり東大法学部の頭脳は強かった。
「将棋ができない坊主ってなんか胡散臭いよね」と言われる石田さんである。
弟子が負けたら罰ゲームを受けるのは師匠だ!ということで、大和さんが澤山さんの靴を舐めることに。
跪くわけじゃなく、手渡された靴をベロリ。
<第三試合>
田口選手vs会場のお客さん
本日のサプライズマッチ。
対戦したい人はいますか?と募ると、女性の多い客席の中にいた男性客が勢い良く手を挙げる。
将棋もお笑いも好きで、腕前は将棋会館で初段だという。
強い田口選手の胸をかりて、お遊び的な対局をするのかと思っていた会場の空気が、中村六段の
「将棋会館で初段というと、実際は2段3段くらいの実力があるかも・・」
という言葉にピリッとなる。
素人目に見ても、駒を並べるところから上手いことがよくわかる。
無駄な手つきがなく、駒を動かしてもグチャっとならない。
盤上が整然としている。
「前が酷かったから、より凄さが際立ちますね」
上段者同士の対局はやはり進め方が違うらしく、共演者や客席の将棋ファンから
唸り声やため息が漏れる。
勝敗は田口選手の勝利。しかしお客さんも強かった!
<第四試合>
師匠対決 スパローズ大和vsザブングル加藤
LINEグループではリーダー格の大和さんと加藤さん。
実際に将棋アプリで毎日対戦している。
尾「加藤さんが誰か対戦しませんか?と呼びかけると、必ず大和さんが
やりましょう!と答えて二人で対戦しているんですよ」
まるで、ご近所に同じくらいの腕の将棋仲間を見つけて喜び、
毎日将棋を指している隠居老人友達のよう。
対戦成績は140勝148敗(?)くらいの僅差で、勝ったり負けたりの
互角の実力。
今までは将棋を指す二人は無言で、周りの芸人が実況をしていたが
この対戦だけは大和さんが喋る(笑)
自分の順番が終わると、真剣な顔をしている加藤さんをイジり出す。
加「まいったな~」
大「えっ、いま『参りました』って言った?」
加「言ってねーよ!」
そんなことをしているので、しょっちゅう時計を押し忘れて周りの芸人から
「大和さん、時計!」と注意されてしまう。
慣れている二人だけあって、初盤は手慣れた駒の置き方。
もちろん相手もそれはわかっていて、そのツーカーさが微笑ましい。
加藤さんがかなり長考で時間を使ってしまい、終盤は大和さんのペースに。
そのまま大和さんの勝利。
あまりのショックに、伝家の宝刀“悔しいです!”を忘れて
「あー、悔しいなぁ・・・」と呟いてしまう加藤さん。
そして、師匠が負けても弟子の靴を舐めるルールが適応されるらしい。
大「そいつ負けたからタメグチでいいぞ」
石「おい、ほら舐めろよ」
自分の雪駄をぞんざいに渡す石田さん。
加藤さん、ものすごい顔でそれに齧りつく(笑)
<第五試合>
中村太地六段vs田口選手 駒落ち戦
本日の最終対局。
駒落ちとは実力に差がある相手と戦う時に、ハンデをつけるため上手い方の使う駒を減らすこと。
ここで中村六段から提案が出る。
「最初は一枚落ちで時間制限なしでやるつもりだったんですが、10分間ならば二枚落ちでどうでしょう。
そのかわり、本気でいきます!」
ということで、中村六段は飛車と角を使用せずに戦うことに。
この本気モードの中村六段がかっこいい。
全神経を集中して盤面見つめる眼差しの鋭いこと。
もちろん将棋ファンである出演者も、ワクワクしながら2人を見つめる。
尾「見てー背中がこんなに細い」
加「田口さん、プロレスなら簡単に殺せますね」
飛車と角の駒がないので、普通は王将を守るように配置するはずが
王将も戦力として上がってくる。
これを見て、基本的に野球に例えて質問するヤマトさんが
「ピッチャーで4番も打つ、みたいな感じですか?」
「いや、どっちかというと監督が4番も兼ねる。代打オレ!みたいな」
「谷繁!谷繁だ!」
中村六段が1手指す度に会場中から、
「ええっ・・・」
という悲鳴があがる。
その駒の置き方にどういう意味があるのか読めなすぎて怖いらしい。
こんなハンデがあっても中村六段の堂々たる勝利だった。
感想を聞かれ「1枚落ちの練習をしていたので」とポツリこぼした田口選手と、それを聞いてハッとして申し訳なさそうな田口六段。
この対決ではさすがに靴舐め罰ゲームはなかった(笑)
エンディングでも、まるで部活仲間のようにキャッキャとして仲が良さそうだった皆さんだった。
仲良きことは美しき哉。
登録:
投稿 (Atom)