今年のダイナマイト関西は事務所対抗戦。
芸人個々の面白さを追求するイメージのあるダイナマイト関西でチーム戦、しかも大喜利巧者を集めてではなく、大小様々な芸能事務所で戦うと知り驚いた。
その選抜事務所にASH&Dが入ったとな!ひえ~~~。
ASH&Dの大喜利好きといえばザ・ギース高佐さんである。
K-PROの大喜利ライブ転脳児杯や、ゲストに呼ばれての大喜利ライブでも実績を残しているし、ゆかりも深いバッファロー吾郎Aさん主催のダイナマイト関西は憧れだと本人も公言している。だからギースファンの友人とも、高佐さんがいつかダイナマイト関西の本戦に呼ばれればいいね、と常々話していた。
しかし、事務所団体戦は想定外だった。だって駒が少なすぎる。
ASH&Dの若手芸人の数は、夙川アトムさんを役者でカウントしたら7人。
今年入った新人のピン芸人大福さんはさすがにないだろうから、実質6人。ダイナマイト関西団体戦のチームは5人編成。ほぼ選択の余地は無い。
幸いメンバーの中にはIPPONグランプリで予選から本戦に勝ち上がった才女、阿佐ヶ谷姉妹の江里子さんがいるものの、他の人は大喜利のイメージがない。
さらに、対戦相手はお笑い帝国軍よしもとの若手「よしもと21世紀軍」に決まった!
・・・思わず「噛ませ犬」という言葉も頭をよぎるというものじゃあないか。でっ、でも、チームではぼろ負けしてもここで実績を残せば、次回以降のダイナマイト関西に高佐さんがピンで呼ばれる可能性は上がるかもしれないよ高佐さん頑張れ超頑張れ。
そんな諦めムードに可能性の光が差したのが「シティボーイズ 斉木しげる参戦」の一報。
あの“コントレジェンド”シティボーイズの斉木しげるを、ダイナマイト関西に引っ張り出した。それだけでASH&Dが参戦したことに意味ができた。
これでもう、勝っても負けても文句は言わせない。
そして試合は結果から書くと、ASH&Dが奇跡の勝利を勝ち取ったわけですyo!!!
チーム構成はASH&Dが先鋒から高佐→塚本→尾関→渡辺→斉木。
よしもと21世紀軍が菅→伊藤→R藤本→もう中学生→村上。リーダー高佐さんが最初に相手を削るだけ削る作戦。
彼が凄かった。とにかく凄かった。
大喜利ではどちらかというと熟考タイプで、答える声も小さめで迫力に欠けていた高佐さんがまるで別人のよう。
止まらないフリップの手、落ちない面白さ、ふてぶてしい程の勢いで手を上げて答えまくる回答のオラオララッシュ!
勢いのままパンサー菅さんを倒し、強敵伊藤修子さんを同点に持ち込んで相討ち。
次の塚本さんに繋げる。
この同点相討ちルールが画期的だった。
今回のダイナマイト関西 団体戦ルールは以下の通り。
・双方が5ポイントから対戦スタート。解答により相手側のポイントがマイナス。
・どちらかのポイントが0になるか、試合時間[8分]終了時のポイント差で勝敗を決定。・次の試合 勝者のポイントはそのままで次の選手と対戦
・ポイント差がつかず引き分けた場合は双方が退場
・上記を繰り返していき、5人目の[大将]が負ければ敗退。
Aチームの先鋒A1とBチームの先鋒B1が対戦し、残りポイントがA1=3 B1=0でA1が勝ったとする。
次の対戦はA1=3,
Bチームの次鋒B2=5からスタート。試合終了時点で点差がつけば、もちろん残りポイントの多い方が勝って次の試合に進むけれど、例えばA1=2 B2=2 で同点になった場合は双方が退場。
次の試合はA2=5 B3=5 からスタートになる。
対戦相手が変わるたびに双方5ポイントまで復活するシステムだと、実力に差がある場合弱い方が勝つのは難しいと思う。
でもこのシステムならば、同じ負けるにしても前のプレイヤーの残りポイントを駆使して、どうにか相手と同点になるまで食い止められれば、強い対戦相手を道連れにすることができる。強い人が何人も連覇するのを防げるし、ゲームの流れも進むようになっています。
どんな状況でも強い人は勝ち進むだろうと思いがちですが、実際観てみるとこれが難しい。
出題されるお題との相性もあるし、単純にずっと回答し続けると消耗が激しいようで、どんなに強い人でもペンの進みがピタリと止まってしまう光景を目にする。
チームのために鬼のような気迫で2人倒した高佐さんの姿を見て、塚本さんはすでに泣きそう。
あまり大喜利経験のない塚本さんも頑張るも、天才大喜利スト“ベジータ”R藤本さんに敗退。次はこの日のために、せきしろさんに大喜利強化ライブを開いてもらった尾関さん。
誰よりも大きな声で元気よく!挨拶をしっかり!をきちんと実行していた(笑)
藤本さんにクレームをつけたり、敵の答えが受けませんように…とこっそり祈ったりと多少の卑怯さは滲ませつつ、ポイントを取ると拍手が沸き起こるくらい会場を味方につけてR藤本さんと引き分ける。
続いて5ポイント同士で対決となったのは、もう中学生 vs, 阿佐ヶ谷姉妹江里子。
ああ、江里子さんのお辞儀は優雅で美しい。IPPONグランプリのドキュメンタリーでも、この美しいお辞儀と品の良さに惚れ込んだのだった。
そんな彼女の上品さをあらわすように、出囃子はサウンドオブミュージック「My Favorite Things」だなんて選曲した人GJ!
それにしても、もう中さんのわけがわからないのに面白い回答は魔法のようだ。
三振か場外ホームランの2択のような回答の数々。
対する江里子さんも、生活感溢れる特色のある回答で応戦してこの試合もまさかの引き分け。
とうとう試合は大将戦にもつれ込む。
しずる村上さんは「まさかコントではなく、大喜利で斉木さんと共演するとは」と話していましたが、そりゃそうだよねえ。
ここで斉木さんが負けちゃっても悔いはない…と覚悟したよ。さすがに判定も斉木さんにはちょっと甘めだったかな、なんと大将戦も引き分けになってしまった。
バッファロー吾郎のお二人もまさかこんな事態は起こらないだろうとは思いつつ、一応作っておいたという延長ステージへと突入する(作っておいて良かったなあ!と語り合うお二人が微笑ましい)
お互いのチームが1名ずつ選抜。制限時間3分間の中で答えを1つだけ出し、より面白かった方の優勝とする
ASH&Dチームはもちろんリーダー高佐さん。
よしもと21世紀軍は、ここでもう中学生を出してきた。
私てっきりR藤本さんが出てくると思っていたのだけれど、なるほど互角に戦うのではなく「勝つ」ための戦略ならば、今日抜群に受けていたもう中さんだ。見事な采配。
そして・・・審査員の満票で高佐さんの勝利!
舞台袖ではASH&Dメンバーが抱き合って喜び、客席後方では応援メンバー(ミホさん、溜口さん、大福さん、大竹マネ)がハイタッチしていたそうで。
仲間である彼らは、それこそ高佐さんがどれだけ長い間この舞台を渇望していたか知っていて「事務所の顔に泥を塗るわけにいかない、何より憧れの舞台に立った高佐さんの足を引っ張るわけにはいかない」と、全員必死の思いで頑張ったのだろうなぁなんて勝手に想像して、客席で目をウルウルさせてしまった。尾関さんがASH&Dチームを頑張れベアーズに例えていましたが、私は風が強く吹いているを思い出した。
努力と作戦で強豪を打ち破る弱小チームの物語は、いつだって人の心を動かすものだ。
本戦の後、休憩を挟んでエキシビジョンの大喜利が2つあったのですが、もう勝敗に関係がないので全員伸び伸びとしている。
そうすると、やはり個々ではよしもと21世紀軍のメンバーが圧倒的に面白い!
特にパンサー菅さんの回答が隅々まで面白くて、初戦であまり答えを出すことなく敗退してしまったのが本当に残念。
ASH&D勢もすっかりいつもの控えめな皆さんに戻り、先ほどの気迫はどこへやら。
高佐さんも自分のペースでゆっくりと答えを書いている。
さっきの勝利はチーム一丸となって根性でもぎ取った奇跡だったのだなあ、とシミジミしてしまう。
ルミネで起こった夏の夜の奇跡。
目撃できた私は幸せ者だった。
そうすると、やはり個々ではよしもと21世紀軍のメンバーが圧倒的に面白い!
特にパンサー菅さんの回答が隅々まで面白くて、初戦であまり答えを出すことなく敗退してしまったのが本当に残念。
ASH&D勢もすっかりいつもの控えめな皆さんに戻り、先ほどの気迫はどこへやら。
高佐さんも自分のペースでゆっくりと答えを書いている。
さっきの勝利はチーム一丸となって根性でもぎ取った奇跡だったのだなあ、とシミジミしてしまう。
ルミネで起こった夏の夜の奇跡。
目撃できた私は幸せ者だった。