順番が前後してしまったが、シティボーイズ報告官Sの前半レポート。
今回の目玉である「シティボーイズ公演を演出家ごとに振り返る」
とはいえ、過去を振り返るのが嫌いな斉木さん。
WOWOWから発売前のDVDが送られてくるも、封を開けずに並べたままで、いつの間にか人にあげたり貸したりでなくなってしまう。
自分の芝居があまり好きではないから、という理由もあるらしい。
スタッフの選んだその演出家の代表コントを、1本まるまる全員で
鑑賞してから語ると言う流れで、直近から過去に遡ってゆく。
演出家1:前田司郎 モナリザ(燃えるゴミ)
シティボーイズライブの準備は数ヵ月前から始まる。
最初は雑談を繰り返し、コントが出来てくると少しずつ稽古をするというシステムらしい。しかし前田さんは、そろそろ本番前1ヶ月前という時期に
なっても一行も書いてこない。
そしてある日、突然どーんと台本を1冊書き上げてきた。
ずっと3人の無駄話を観察し、クセや喋り方などを掴んでいた。
「前田君のホンは字だけで読んでも面白くない。でも芝居にすると面白いんだよ」
シティボーイズライブのコントはいつも新作だが、このコントだけ
ラジカルガジベリビンバシステム時代の再演だった。実に30年ぶり。
しかし当時と再演では、観客の受け方がいまひとつ違う。あの頃は素直にみんな大爆笑する、小気味良い作品だった。
今回はお客さんが引きながらも笑う、という感じ。
30年前は「差別に対する逆差別」を出して、それが素直に笑いになっていた。
しかし今は「“差別に対する逆差別”は無意識にやってしまうことだからよくないよね」という認識が、当たり前になっているのかもしれない。
それは良い意味で当たり前なのか、むしろ当たり前すぎで逆に鈍感になって
しまっていないだろうか。
今回のゲスト、首都東京大学の准教授 渡邉さんによると
シティボーイズのビデオを学生に見せると、まず戸惑う。そして、笑う学生が出てくると「あっ、笑っていいんだ」と安心して他の子たちも
笑いはじめる。
だから、もしこのコントを授業で見せたら、最初から最後まで全く
笑いがおきない可能性もありますね、と語っていた。
こういうものを笑ってはいけません、という教育が染みている子供たち。
そこを乗り越えても笑えるんだ!というところまで持って行くのは難しい。当時と今では単純にスピードが違うので、テンポで笑わせることが
できない点も大きい、と斉木さん。
「みんな歳とったよね」
演出家3:天久聖一 異常な記憶力の村(動かない蟻)
天久さんのコントは全体的にネガティブだった。結末も暗いものが多い。
暗いばかりだとあまりにも・・・ということで、みんなで意見を出しつつ変えたのがこのコント。
しかし、昔の事ばかり異常に覚えているのはあるあるだよね、という話題で
盛り上がる。
演出家4:細川徹 原発推進キャンペーン(マンドラゴラの降る沼)
震災の後にネットで話題になったこのコント。
動画サイトのコメント欄を見たら「不謹慎だ」と書かれていた。こちらの方が5年くらい前なのに・・・。
細川さんは斉木さんのキャラがたつコントを作るのが上手い。
このコントはベタだけれど稽古が大変だった。
台詞に脈略がないのでとても覚えづらい。きたろうさんが叫びすぎて、声がガラガラになる。
演出家6:三木聡 五人姉妹の物語(愚者の代弁者、うっかり東へ)
とにかく脚本の素晴らしさに感嘆する。今見てもまったく古びていない。
このコントでは、とりわけ有志さんの東京物語ぶりが素晴らしい。あとは、どの演出家に怒られたかという話だったかな。
宮沢さん、三木さんにはよく怒られた。
アドリブは基本的に禁止。稽古場で試してOKが出たアドリブのみ
許される(それはアドリブなのだろうか?)