去年のライブは東京キネマ倶楽部を筆頭に、各都市のキャバレーの箱を
ツアーで周るという驚きの企画で、今年の東京は北沢タウンホールの複数公演。
早々にチケットも売れて絶好調の二人です。
構成は1部がネタコーナー。おトイレ休憩を挟んで2部が歌謡ショー。
エンドロールでネタのタイトルも出ていたかな?さすがに覚えていないのでちょっとおぼろげな記憶のまま書いておく。
コント「おばさん女学生」
インフルエンザで欠席の娘の代わりにセーラー服で登校する母親(美穂)
と、それは無理があるでしょ!と止める先生(江里子)との攻防を描く。
お母さんがtiktokを「チックタック!チックタック!」と全身で表す表現が
加わっていた。
コント「温泉旅行」
温泉旅行にやってきたおばさん二人。
しかし木村さんの歩き方がいつにも増して遅いし、なんだか妙に虫がたかってくる。
「渡辺さん、あのー。もしかして私…ゾンビになってるかもしれないわ」
駅で人とすれ違った時に首筋がチクッとしたと話し、確認してみると確かに
噛み痕が。
ゾンビになっても足湯には入るおばさん達。
結局渡辺さんもゾンビになっていて「お家の方にお迎え来てもらえる?
うちは出張中だから無理だわー」と、危機感があるんだかないんだかの
ほのぼの加減に笑ってしまう。
このコント好きだなあ。おばさん×ゾンビ。
おばさんは何と掛け合わせても面白い。
ショートコント「おばさんあるある」
細かすぎて伝わらない選手権でもおなじみ、おばさんあるあるコーナー。
何本かあった中で私のお気に入りは調剤薬局のおばさん。阿佐ヶ谷姉妹のショートコント「調剤薬局」。
もうタイトルだけでおかしい。ドラッグストアではこの味は出せない。
カプセルの色で盛り上がり、1錠交換しましょうか?→薬剤師さんに
怒られる(当然)。
きっと重い病気じゃないのだろう。
「ずっと飲み続けてるけどこれ本当に効いてるのかしら?
病院にボラれてるんじゃない?」くらいの気持ちで、いつもの薬をもらいに
きたおばさん同士の他愛ない冗談。
そこそこ元気に暮らす一病息災の幸せの風景。
音声コント?「オー!ブラザー」
ネタの合間には二人が兄弟という設定で繰り広げられる音声ドラマがあった。
舞台中央に貴族っぽいひらひらとした服が2着飾られ、恋に悩む兄の
エリック(江里子)の悩みを弟のミホソン(美穂)が聴きアドバイスを
するという内容。
江里子さんの声と演技が宝塚の男役風味で結構かっこいい。
漫才「桃おばさん」
美穂さんの提案する桃太郎のおばさん版。
江里子さんが盛大にとちってしまい、その分犬・猿・鳥の鳴き声を頑張る。コント「今、幸せですか?」
ふじきみつ彦さん脚本のロングコント。
かつてコンビを組んでいた二人が、泥棒と被害者という関係になってしまった理由とは。
泥棒がメルカリに出品する品物を、次から次に購入していた太客
「あゆはぴ」とは誰なのか。
意外な結末だったー!てっきり漫才コンビかと思っていたら。
ここからは第二部。
お二人の御両親、友人、阿佐ヶ谷の皆さまが歌う浅香唯「セシル」の映像
で幕開け。
美穂さんのお母様は顔も歌声もそっくりで、ここからおばさん女子高生の
コントが生まれたのかな?と考える。
ダンスナンバーメドレーがあり、欅坂46「サイエントマジョリティー」を
歌い踊る二人に会場が大盛り上がりだ。
でも、この曲を結構序盤に持ってくるからその後息が切れて大変そう。
あと、もっとお水を飲んで休憩してもいいんですよ?
他は何の曲が入っていたかな。
たしかABBA「ダンシングクイーン」があったはず。
バンドメンバーや江里子さんにピンクの法被を手渡して突然開催される
「みほちゃん祭り」。
新年会でザ・ギースが作ったASH&D数え唄が素晴らしかったので、私も作りたい!ということで今回はみほちゃん数え唄が披露された。
お姉さんは勇ましく太鼓を叩く。あ、そ~れ!あ、よいしょっ!
とにかくゼリーが好き、ダメだと思っても夜中に柿の種を1袋食べちゃう。
日常には全く役にたたないが、知っていると少し幸せになる美穂トリビアを
受取った会場のお客さん達であった。
美穂さんは今回も生着替えでガンバガンバ!
お客さんに3種類の衣装(アイドル風、迷彩服、あともう1着)から1着拍手で選んでもらい、それによって歌が決まる。
去年はスーパーJOCKY風生着替えで、今年は着替えの間にシルエットだけ
見えるといういや~ん♪な、こういうのも昭和のバラエティにあったわーと
懐かしく思う仕様だ。
私が選んだ回ではアイドル風、前日に見に行った方に聞いたら同じく
アイドルだったそうで、他の衣装はどんな歌なのか気になる。
特に迷彩服。セーラー服と機関銃かな?
江里子さんのソロコーナー。
私はね、江里子さんが加藤登紀子の歌を唄うと目から涙がこぼれる仕組みになっているのですよ。
今回は百万本の薔薇。あぁ、素晴らしかった。
唄い方や声も寄せているけれど決してモノマネに収まらない。
彼女の歌声から物語と鮮やかな深紅のバラが浮かび上がってくる。
もう1曲「メランコリー」は素敵なドレスを着て唄っているのだが、目を
閉じて聴くと…見える。
宝塚2部のショーで、銀橋を歩きながら悩ましげな視線を客席に向けて唄う男役トップスター様の姿が見える!
低音がとってもセクシー。そもそもこの曲は誰だろう?と覚えている歌詞で
検索したら、なんと越路吹雪じゃないですか。
当たらずとも遠からず。
美穂さんも清廉で綺麗な歌声が娘役のようなので、阿佐ヶ谷姉妹=宝塚説が
頭をよぎる。
以前浅草で行われた「阿佐ヶ谷姉妹のわいわいフェスタ」で披露された
きたろうさん作詞、大竹マネ作曲による阿佐ヶ谷姉妹の歌を今回も唄う。
「あなた、私がいて良かったわね」という歌詞が、以前聴いた時よりも
胸に沁み込む。
TV番組での活躍、賞レースで優勝、単独ライブの成功。
二人の経験が増すごとに心を打つことになるのだろう。「私、あなたがいて良かったわ」のさらに先にある「あなた、私がいて
良かったわね」。
本当の姉妹ではない二人が出会い、共に歩み、そして変わらず隣にいる奇跡。
思えばこのライブは「私の隣に貴女がいる」ことの奇跡に包まれていた
ような気がする。
「今、幸せですか?」のストレートなコンビ愛。そして、2幕最初に唄われた「セシル」の歌詞。
“人は大人になるたび 弱くなるよね
ふっと自信をなくして 迷ってしまう
だから友達以上の 愛を捜すの
今夜わたしがそれになれれば いいのに“