2015年8月22日土曜日

シティボーイズファイナルpart1「燃えるゴミ」

そのタイトルにファンの間で激震が走った。
とうとうXデーがやって来たのだ。
いつか来ることはわかっていたし、彼らの年齢を考えればそれは遠いことではないだろうことも理解していたのに、実際に文字になって知らされるとショックが大きい。

ファイナル・・・ファイナルpart1・・・ん?パート1?

part1ということは、ファイナルpart2もあるかもしれないってこと?
思わずグルグルと考える。
その後、この舞台に関する三人のトークや演出家を交えた座談会などの内容を読むと
「ファイナルにすると最後という事実ばかりが大きく取り上げられて、その話題が舞台の内容を上回ってしまう。だからpart1をつけてお茶を濁すのだ」
ということらしい。

しかも、それを話しているのは、シティボーイズライブの要であるきたろうさんなのだ。
他の記事でも斉木さんや大竹さんはどっちつかずの様子だったけれど、きたろうさんの言葉には「これで最後」という思いを感じた。
だから、未来の事はわからないけれど、今年の舞台はやはり最後のライブなのだろう。

舞台はゴミ捨て場の監視をしている老人3人。
この老人たちのとりとめのない会話を中心にストーリーが進む。
それぞれの独立したコントが何本も続くスタイルが多いシティボーイズライブの中では、なかなか珍しい構成だ。
老人たちの会話パートの間に、かなり色の違うコントが数本差し込まれる。

・城に潜入しようとする忍者(きたろう、大竹)と阻止する殿(斉木)。
結局斉木しげる歌謡ショー。
・警備員(きたろう)と絵の中から抜け出たモナリザ(斉木)の恋。
でも結局、暴走したモナリザ斉木の怪獣ショー

 書き出してわかったけれど、どちらも斉木さんのためのコントじゃないか(笑)
しげる超楽しそうだったよ。
大竹さんがラジオで「斉木がモナリザばかり稽古したがるから困る」と、ぼやいていた気持ちもよくわかる。
他のコントは、本筋の老人たちの話と繋がる過去シーン。
カチューシャつけてエプロン姿のきたろうさんは妙に可愛らしいく、絶対狙ってやっているのだからずるい。
そしておむつ姿でハイハイする巨体の斉木さんには、言葉にできない狂気を感じる。

大田(大竹)と木田(きたろう)は長年の知り合いだが、斉田(斉木)が二人と知り合ったのは数年前。
老人と言える年齢の3人が、子供のように繰り広げる小さな喧嘩がなんともおかしい。
舞台終盤の泥団子にまつわる喧嘩がクライマックスだ。
自分が長年かけて磨いてきた泥団子は、何よりも固いと自慢する木田。
木田に小さな裏切りをされた大田は、じゃあその泥団子にボーリングの球を落としてみようじゃないかとけしかける。
そんな事をしても誰も幸せにならないから、と止めようとする斉田。
歳を重ねた男達には意地もある、出した言葉を引っ込めることもできず、かくして泥団子は舞台上でグシャリと潰れることとなる。

ショックを受けて立ち去る木田。
「だって、あいつがやってみろって言うから」と、泣きそうな声で言い訳をする大田。
「あんな泥団子がボーリングの球より固いわけがないだろ!」と一喝する斉田。

パンフレットの対談を読むとわかる通り、この3人の登場人物はシティボーイズ3人本人の性格を色濃く反映している。
演出・脚本の前田司郎さんは、打合せで喋っている3人をじっと観察してこの脚本を仕上げてきたのだという。
(雑誌「悲劇喜劇」の鼎談によると、自分自身を舞台上で演じるには自分を再構築する必要があり、御三方はずいぶんと悩みながら演じていたようだ。)

私もストーリーの中の3人にシティボーイズを大いに重ねながら見ていたので、泥団子のシーンは胸が詰まって思わず涙しそうになってしまった。
そして仲直りの抱擁シーンでは、思わず心の中で「前田さんありがとう!」と絶叫(笑)
だって、脚本に書かれていなければ、こんな姿を見る機会なんてないからね。
見ている観客より本人達がずっと恥ずかしかったはずだけれど、こんな熱い姿もいいじゃないか。
最後なのだし、ね。

ラバーガールが大竹さん不在のゴールデンラジオで、シティボーイズライブすっごく面白かった!という話をしていた。
自分たちのような若い世代の芸人から観ても、とても新しく事をしている。
今の歳でそれに挑戦しているのがすごく格好いい、と。

あのように普通の会話のやりとりが面白いというシーンが長く続くコントは、実は演じるのが結構難しいらしい。
まず、台詞が覚えにくい。
話に展開があればそこをきっかけに台詞を記憶することができるけれど、同じようなテンションが続くと厳しい。
そして感情も作りにくい。
起伏の少ない場面で笑いを生むのは難しいのに、3人は面白い。

「かなわないなぁと思っちゃった」と飛永さん。
昔から憧れているけれど、ある時期からどこかで憧れていては勝てない、追いつかなきゃいけないと思うようにしていた。
「でも今年のライブを見たら、あっまだ追いつけないな・・という感じになっちゃいました」
大水さんは単純にあの3人が揃って立っている姿が格好いい、ちょっと狡いくらいだなぁと。
3人バラバラなタイプの違うかっこよさ。
「だから、ああなりたいな〜と思いながらずーっと観ていました」

そんな芸人から見た裏話を楽しく聞きつつ、どこか心が沈んだまま。
ファイナルにpart1とつける作戦は功を奏して、公演はあまり大騒ぎされることもなくフンワリと終わりを迎えた。
どうせまだ続くだろうと考え、チケットを取らなかった人も多いかもしれない。
だから、心から終わって欲しくないとは思いつつ、もしきちんと「ファイナル公演」と掲げていれば、もっとシティボーイズの功績に注目が集まったのではないだろうかと考えてしまう。
最後という言葉をブースターにして、今まで沢山のクリエイターに影響を与えてきたシティボーイズに相応しい評価、目に見える評価が出てくるのではないかと、そんな期待をしていたから。

でもまあ、そんな重い気持ちもWOWOWのシティボーイズ一挙放送のニュースを聞いて吹き飛んだけどね!
やってくれたねWOWOW!ありがとうWOWOW

初めて観たのがWOWOWの特集なので、私にとってのシティボーイズライブは「鍵のないトイレ」から。
「鍵のないトイレ」は今から23年前の1992年、シティボーイズは当時すでに42,43歳なのだ。
4243歳というと、今のラーメンズと同じくらいで東京03よりは上(2015年現在)。
自分にとっても「えっ、私まだあの頃のシティボーイズに年齢追いついていなかったのか!」とビックリしてしまう。

40代~50代にかけて布団祭りで布団を振り回し、長い廊下を走り、日比谷野音でライブを行い、人気も評価も上がっていった。

これはなかなか夢のある話ではなかろうか。

2015年7月25日土曜日

ダイナマイト関西2015~事務所対抗団体戦~よしもと21世紀軍 vs ASH&D~

「ゴチャゴチャ言わんとだれが一番おもろいんか決めたらえんや!」でおなじみ、ダイナマイト関西を見に行く。
今年のダイナマイト関西は事務所対抗戦。
芸人個々の面白さを追求するイメージのあるダイナマイト関西でチーム戦、しかも大喜利巧者を集めてではなく、大小様々な芸能事務所で戦うと知り驚いた。
その選抜事務所にASH&Dが入ったとな!ひえ~~~。

ASH&Dの大喜利好きといえばザ・ギース高佐さんである。
K-PROの大喜利ライブ転脳児杯や、ゲストに呼ばれての大喜利ライブでも実績を残しているし、ゆかりも深いバッファロー吾郎Aさん主催のダイナマイト関西は憧れだと本人も公言している。
だからギースファンの友人とも、高佐さんがいつかダイナマイト関西の本戦に呼ばれればいいね、と常々話していた。
しかし、事務所団体戦は想定外だった。だって駒が少なすぎる。

ASH&Dの若手芸人の数は、夙川アトムさんを役者でカウントしたら7人。
今年入った新人のピン芸人大福さんはさすがにないだろうから、実質6人。
ダイナマイト関西団体戦のチームは5人編成。ほぼ選択の余地は無い。
幸いメンバーの中にはIPPONグランプリで予選から本戦に勝ち上がった才女、阿佐ヶ谷姉妹の江里子さんがいるものの、他の人は大喜利のイメージがない。

さらに、対戦相手はお笑い帝国軍よしもとの若手「よしもと21世紀軍」に決まった!
・・・思わず「噛ませ犬」という言葉も頭をよぎるというものじゃあないか。
でっ、でも、チームではぼろ負けしてもここで実績を残せば、次回以降のダイナマイト関西に高佐さんがピンで呼ばれる可能性は上がるかもしれないよ高佐さん頑張れ超頑張れ。

そんな諦めムードに可能性の光が差したのが「シティボーイズ 斉木しげる参戦」の一報。
あの“コントレジェンド”シティボーイズの斉木しげるを、ダイナマイト関西に引っ張り出した。
それだけでASH&Dが参戦したことに意味ができた。
これでもう、勝っても負けても文句は言わせない。

そして試合は結果から書くと、ASH&Dが奇跡の勝利を勝ち取ったわけですyo!!!

チーム構成はASH&Dが先鋒から高佐→塚本→尾関→渡辺→斉木。
よしもと21世紀軍が菅→伊藤→R藤本→もう中学生→村上。
リーダー高佐さんが最初に相手を削るだけ削る作戦。
彼が凄かった。とにかく凄かった。
大喜利ではどちらかというと熟考タイプで、答える声も小さめで迫力に欠けていた高佐さんがまるで別人のよう。
止まらないフリップの手、落ちない面白さ、ふてぶてしい程の勢いで手を上げて答えまくる回答のオラオララッシュ!
勢いのままパンサー菅さんを倒し、強敵伊藤修子さんを同点に持ち込んで相討ち。
次の塚本さんに繋げる。

この同点相討ちルールが画期的だった。
今回のダイナマイト関西 団体戦ルールは以下の通り。

・双方が5ポイントから対戦スタート。解答により相手側のポイントがマイナス。
・どちらかのポイントが0になるか、試合時間[8分]終了時のポイント差で勝敗を決定。
・次の試合 勝者のポイントはそのままで次の選手と対戦
・ポイント差がつかず引き分けた場合は双方が退場
・上記を繰り返していき、5人目の[大将]が負ければ敗退。

Aチームの先鋒A1Bチームの先鋒B1が対戦し、残りポイントがA1=3 B1=0A1が勝ったとする。
次の対戦はA1=3,  Bチームの次鋒B2=5からスタート。
試合終了時点で点差がつけば、もちろん残りポイントの多い方が勝って次の試合に進むけれど、例えばA1=2  B2=2 で同点になった場合は双方が退場。
次の試合はA2=5  B3=5 からスタートになる。

対戦相手が変わるたびに双方5ポイントまで復活するシステムだと、実力に差がある場合弱い方が勝つのは難しいと思う。
でもこのシステムならば、同じ負けるにしても前のプレイヤーの残りポイントを駆使して、どうにか相手と同点になるまで食い止められれば、強い対戦相手を道連れにすることができる。
強い人が何人も連覇するのを防げるし、ゲームの流れも進むようになっています。
どんな状況でも強い人は勝ち進むだろうと思いがちですが、実際観てみるとこれが難しい。
出題されるお題との相性もあるし、単純にずっと回答し続けると消耗が激しいようで、どんなに強い人でもペンの進みがピタリと止まってしまう光景を目にする。

チームのために鬼のような気迫で2人倒した高佐さんの姿を見て、塚本さんはすでに泣きそう。
あまり大喜利経験のない塚本さんも頑張るも、天才大喜利スト“ベジータ”R藤本さんに敗退。
次はこの日のために、せきしろさんに大喜利強化ライブを開いてもらった尾関さん。
誰よりも大きな声で元気よく!挨拶をしっかり!をきちんと実行していた(笑)
藤本さんにクレームをつけたり、敵の答えが受けませんように…とこっそり祈ったりと多少の卑怯さは滲ませつつ、ポイントを取ると拍手が沸き起こるくらい会場を味方につけてR藤本さんと引き分ける。

続いて5ポイント同士で対決となったのは、もう中学生 vs, 阿佐ヶ谷姉妹江里子。
ああ、江里子さんのお辞儀は優雅で美しい。
IPPONグランプリのドキュメンタリーでも、この美しいお辞儀と品の良さに惚れ込んだのだった。
そんな彼女の上品さをあらわすように、出囃子はサウンドオブミュージック「My Favorite Things」だなんて選曲した人GJ!
それにしても、もう中さんのわけがわからないのに面白い回答は魔法のようだ。
三振か場外ホームランの2択のような回答の数々。
対する江里子さんも、生活感溢れる特色のある回答で応戦してこの試合もまさかの引き分け。
とうとう試合は大将戦にもつれ込む。

しずる村上さんは「まさかコントではなく、大喜利で斉木さんと共演するとは」と話していましたが、そりゃそうだよねえ。
ここで斉木さんが負けちゃっても悔いはない…と覚悟したよ。
さすがに判定も斉木さんにはちょっと甘めだったかな、なんと大将戦も引き分けになってしまった。

バッファロー吾郎のお二人もまさかこんな事態は起こらないだろうとは思いつつ、一応作っておいたという延長ステージへと突入する(作っておいて良かったなあ!と語り合うお二人が微笑ましい)
お互いのチームが1名ずつ選抜。
制限時間3分間の中で答えを1つだけ出し、より面白かった方の優勝とする

ASH&Dチームはもちろんリーダー高佐さん。
よしもと21世紀軍は、ここでもう中学生を出してきた。
私てっきりR藤本さんが出てくると思っていたのだけれど、なるほど互角に戦うのではなく「勝つ」ための戦略ならば、今日抜群に受けていたもう中さんだ。見事な采配。
そして・・・審査員の満票で高佐さんの勝利!

舞台袖ではASH&Dメンバーが抱き合って喜び、客席後方では応援メンバー(ミホさん、溜口さん、大福さん、大竹マネ)がハイタッチしていたそうで。
仲間である彼らは、それこそ高佐さんがどれだけ長い間この舞台を渇望していたか知っていて「事務所の顔に泥を塗るわけにいかない、何より憧れの舞台に立った高佐さんの足を引っ張るわけにはいかない」と、全員必死の思いで頑張ったのだろうなぁなんて勝手に想像して、客席で目をウルウルさせてしまった。
尾関さんがASH&Dチームを頑張れベアーズに例えていましたが、私は風が強く吹いているを思い出した。
努力と作戦で強豪を打ち破る弱小チームの物語は、いつだって人の心を動かすものだ。

本戦の後、休憩を挟んでエキシビジョンの大喜利が2つあったのですが、もう勝敗に関係がないので全員伸び伸びとしている。
そうすると、やはり個々ではよしもと21世紀軍のメンバーが圧倒的に面白い!
特にパンサー菅さんの回答が隅々まで面白くて、初戦であまり答えを出すことなく敗退してしまったのが本当に残念。
ASH&D勢もすっかりいつもの控えめな皆さんに戻り、先ほどの気迫はどこへやら。
高佐さんも自分のペースでゆっくりと答えを書いている。

さっきの勝利はチーム一丸となって根性でもぎ取った奇跡だったのだなあ、とシミジミしてしまう。
ルミネで起こった夏の夜の奇跡。
目撃できた私は幸せ者だった。

2015年6月11日木曜日

ラブレターズ「COSMO」

・オープニング
・フォークシンガーのお見舞い
・たった一人の卒業生
・女、抱けます
AAA
・ボーリングでプロポーズ
・引き籠り
・エンディング

単独ライブでは次のコント用の着替えをするために時間が必要なので、コントとコントの間を映像で繋ぐことが一般的。
しかし、今回のCOSMOではコントとコントの間をコントで繋いでいました!
前のコントの終わりに溜口さんの役だけが残って一人芝居でその場をつなぎ、ハケたら次のコントが塚本さんから始まって、後から急いで着替えた溜口さんが登場したり。
もちろんその逆もあり。

これは二人とも裏で休む暇がほとんど無いでしょうね。
登場人物がストーリーの中で違和感なく退場するために、脚本を考えるのも大変だったと思います。
一人芝居で数分間をもたせることができる演技力を二人とも持っているわけで、やはりラブレターズは演技派コンビだなあ。

初の試みとして、溜口さんの女装も話題でした。
「フォークシンガーのお見舞い」と「ボーリングでプロポーズ」ですね。
前者はギャグっぽく、後者は本格的に女性を演じる感じ。
ボーリング~では、彼氏に合わせることをやめた途端態度が豹変する部分が上手い!
このコントは,どこかでまた観てみたいです。

2015年6月3日水曜日

THE GEESE「ロイヤルストレートフラッシュバック」

◆オープニング
二面舞台の左右にドアがひとつずつある舞台セット。
両側のドアから登場した二人が手元のスマホを操作すると壁にスクリーンが投射され、オープニング映像が流れる。
 
公演名にかけてトランプのモチーフが使われている、お洒落な映像でした。
高佐さんのスクリーンから尾関さんのスクリーンに映像が移動するなど、ちょっとした仕掛けもあり目にも楽しい。
 
◆合格だよ
仲間と共に立ち上げたベンチャー事業への融資を依頼するため、大企業へやってきた男。
決意を試すためにわざとうまい話をもちかけ、答えを聞いては「合格だよ!」と繰り返し叫ぶ相手に当惑する。
 
試すようなことをされれば人は嫌なものだし、しかも勝手に拍手して「合格だよ!」とか言うおじさん超ウザイよね。
そんな嫌な奴が楽しいコントになりました!
今後こういうおじさんにあったら、「きっとポケットの中に『合鴨』と書かれた紙が入っているんだ」と妄想してやり過ごすことにしよう。
 
◆大改造!コントビフォーアフター
シュールさを突き詰め過ぎて、様々な問題を抱えている2015年現在のザ・ギースのコント。
このコントが、一流の匠のリフォーム術によって劇的に大変身!
 
匠のリフォーム術によって「頭のおかしくなったさ○なクンが突然銀行を襲い、銃を乱射したら撃たれた行員が右翼的な台詞を叫んで絶命」が、「スマートな銀行強盗がすっきり爽やかに銀行を襲い、銃を突きつけられた行員が突然ご飯をしっかり食べることの重要性を説き、感化された強盗と一緒に歌って大団円」になりました。
 
ギースの<シュールなネタをするコント師>というイメージを使ったメタなコント。
うん、同じわけのわからないコントならば、確かにすっきりとして見やすい方がいいかもしれない。
照明も明るくなったことだし。
このコントは銀行員高佐さんの細やかなマイムも見どころです。
「ここが銀行か。入ってみよう」
→“分かりやすい説明台詞でコントの入口もスッキリ!”が、やたらと面白い。
匠の一押しリフォームポイントが、なぜ郷ひろみモノマネのリサイクルだったのかは謎である。
 
◆ニュース「7時の悪口」
政治、スポーツ、ほほえましい日常風景。
様々なものに悪口を言い続けてきたニュース番組「7時の悪口」が、本日最終回を迎える。
 
高佐さんのぼさぼさ女装ウィッグが気になるパート1。
今回は舞台上で着替えるから鏡を見ることができないのだろうけれど、いや、それにしても…。
ちなみに、女装コントがあるけれどタイツを履く暇がないので、お二人とも足のむだ毛はツルッツルに処理してありました。
 
コントの内容はあらすじ通り。純粋な悪口。
うーん、これはDVDに出来ないよー。
 
◆精神と時のカラオケルーム
ここは“逆”精神と時のカラオケルーム。
カラオケルーム内の1分は、外の世界の1年に相当する。
冗長な前奏や、ただただ長い曲に割く時間は1秒たりとも無い。
この部屋においてどの曲を歌うのがベストなのか、二人はアイディアを出し始める。
 
このコントのために「前奏+長い」で検索をして、みんなで曲を探したのでしょうか。
B’zに疎いため、ラブファントムの前奏があんなに壮大なのを初めて知る。
転調が多すぎる。魔王かと思ったよ。
人形の久月テーマソングは、ニルヴァーナの次に載っているらしい。
最後は超高速「硝子の少年」を二人でデュエット。
初日からしばらくして見に行くと、歌う時のフリが増えていたり、尾関さんがマイクを堂本剛持ちにしていたりという差が生まれて楽しかったです。
 
◆上司の本性
エンジントラブルによりNY行きの機内が大パニック。
ダンディで落ち着きを払った上司が、精神的に追い詰められてとった行動とは。
人は窮地に陥った時にその本性を現わす・・・。
 
高佐さんのぼさぼさ女装ウィッグが気になるパート2。
「完璧な女装をすると、美しすぎてコントに観客が集中できないからでは?」と提案してみたところ、友人からは「ボサボサの方が集中できない!」と言われてしまった。
それはさておき、このコントはなんと言っても「ローリングブリーフインザスカイ~」に尽きるかと。
本性を現した上司(下ネタの質が酷い)の、空中で弧を描く白いブリーフ。
初日はブリーフの上に履いていた黒いパンツを下げ忘れて、尾関さんが「しまったブリーフじゃない!後ろ向いているからわかんないだろうけど!」と慌てていました。
 
◆遡りカルチャースクール
<どんな習い事でも、瞬時に身に着けることができる!>が売りのカルチャースクール。
なぜそんなことが可能なのか?秘密は、講師のタイムスリップ能力にあった。
講師がタイムスリップで過去に戻り、過去の人物に接触して趣味を習わせることにより、現在の人物にその技能が身に着くのだ。
しかし何度も過去に戻って同じ人物に接触したことにより、バタフライエフェクトが起こってしまう。
 
コントの最初と最後が繋がってループ!
SFだ。かっこいい。
パントマイム・オカリナ・ダンスと高佐さんの特技の見本市です。
尾関さん演じる講師は、ものすごくエロいことを考えるとタイムスリップできる。
このエロいことワードもちょこちょこ変わっていましたね。
バタフライエフェクトにより、ソニー社員だった高佐さんはソニー芸人になるわけですが、濃いお笑いファン以外の前でやった時に、果たしてソニー芸人という言葉の持つ意味合いが伝わるのか?!
 
FISH or BEEF
FISH or BEEF?」「BEEF
BEEF or CHICKEN?」「BEEF
BEEF or カニタベホウダイ?」「・・・カニ食べ放題」
 
2択の質問を繰り返すことのみで構成されているコント。
なかなかの長さのコントを質問のやりとりだけで作るのは、思いつくことはできても成立させるのが難しいと思いますよ。
どちらも捨てがたい!と悩むくらい魅力的なフレーズで揃えなければならないし、ラストに向かって盛り上がるように順番も考え抜かれているのでしょうね。
ABBCでもACとは限らない。いや~匠の技だわ。
それにしても、布団に入ってくる猫の魅力には抗えない・・・!
 
◆早稲田大学への道
とにかく早稲田大学に行きたい学生。
家はお金持ちだし、何年かかっても早稲田がいいと言い張る彼に、教師は早稲田大学へ至る長く・回りくどく・ひたすら遠い道のりを説明する。
 
インド経由、早稲田大学行き。
尾関さんの台詞が超多いぞ。学生はやはり松戸に行かされる。
尾関さんのおかげで松戸には山崎パンの工場があるということを学びました。
 
◆爆笑行きという名のバス
単独ライブでおなじみ、滑る一発ギャグコーナー。
運転手(尾関)のアナウンスする一発ギャグ停留所で降りたい学生(高佐)が、降車ボタンを押す。
「次、滑ります」
 
やたら降りたがる学生と、自信のない停留所では絶対に止まりたくない運転手の攻防が。
滑るとバスが事故りそうになる。
学生なのにやたらノリノリでバスの運転(&ギャグ)をしたがる高佐さん。
 
◆帰ってきた童貞
やっと捨てたはずの童貞が、実体となり元気に部屋に帰ってきた。
25歳まで未経験の奴は一生童貞」「いや、そんなはずは無い!」
二人(?)の間に芽生えた奇妙な友情をめぐるハートフル童貞コメディ。
 
考えてみたら<童貞を捨てる>という言葉はなかなか奇妙なもので。
捨てた物ならば拾う神がいたり、うっかり戻ってくるということもあるだろう。
そんな発想からか、童貞が人間の形をして現れる不思議なコントが誕生。
舞台と客席の形を活かし、長身の尾関さんが突然舞台上に大ジャンプしながら飛び込んでくるシーンは迫力があったなぁ。
2度見ても新鮮に驚いたもの。
 
◆エンディング
 
今回もコントの多彩さに驚きました。
さらに最近のギースのコントは持ち前のシュールさに大衆性が加わり、初めて見る観客にもわかりやすく、不思議な魅力に溢れていてワクワクします。
これが彼らの言う草シュールかしら。
 
設定やルールに工夫のあるシュールなコントを地道に長く続けたことによって、観客の中で「ギース=不思議なコント」という認識が出来ているために、見る時に良い意味でハードルが下がるのもあるかもしれませんね。
他のコンビがいきなり妙な設定でコントを始めたら、一瞬身構えるし理解するまで頭に内容が入りづらい。
でもギースならば「あぁ、ギースだからね」と最初からストンと納得できる。
 
以前、ライブのトークであったジンカーズとギースの会話で
尾関「最近は分かりやすい笑いが本流で、シュールな笑いはもう古いという風潮がない?」
馬場「そうかもしれない。でも流行は繰り返すものだから、またこういう笑いの時期がくるはずだよ」
というような内容のやり取りがありまして。
(細かい部分はうろ覚えですが。しかも前にも書いた気がする)
 
お笑いに限らず、ブームが巻き起これば類似品が山のように発生して、陰りが見えるとあれだけあった物が一体どこに?と呆れるほど一気に消えてしまう。
流行、まさに河の流れの如し。
渦に揉まれつつ流れが去った後にも留まり、そして残った人々が本物なのだろうと思います。

スタイリッシュでお洒落で都会派。
それを前時代的に感じて「お笑いなのにかっこいいですね」と、からかう人もいるかもしれない。
でも、ファンはギースが胸を張ってスタイリッシュでいてくれることがとても嬉しい。
本物は力強く、しぶとく、しなやかで美しいのだ。