2013年12月31日火曜日

ラジオとたまごサンド

THE MANZAIの翌日。
文化放送のゴールデンラジオで、審査員である大竹まことさんがTHE MANZAIの
感想を話すのが恒例となっている。

今年は大竹さんが「この年齢でTHE MANZAIの審査するのはキツいものがある」と語っていた
面白いと思う自分なりの基準はあるけれど、64歳の基準で若い人の感性を審査できるのか。
視聴者に「もうこいつの感覚は古くてズレているな」と思われるかもしれない恐怖がある、と。

自分なりの基準と世間の評価のズレを確かめるために、大竹さんはラジオで1つ1つの漫才に
丁寧な感想を述べているのかもしれない。
私はこんな感覚ですがいかがです?世間と乖離してはいませんか?
そんな風にラジオリスナーへ問いかけているのかもしれない。

今年のTHE MANZAIは、各ブロックで自分だったら誰に票を入れるかと考えながら見ていて、
その全て大竹さんとピタリと同じでなんだか嬉しかった。
もちろん審査員それぞれが、それぞれ違う評価ポイントと好みを持っている。
逆にバラバラだからこそ、複数の審査員がいる意味がある。
それぞれの評価のベン図が重なり合った、その一番小さな中心に入る芸人が優勝するのだろう。

今年はウーマンラッシュアワー。
勢いと情熱がほとばしり、場の空気を巻き込むような圧倒的な勝利だった。

準決勝のブロック審査で、大竹さんはウーマンラッシュアワーではなく風藤松原に票を投じた。
「ウーマンラッシュアワーのあの勢いは確かに凄い。全体の流れでいけば、ウーマンなのかもしれない。
でも、審査員はね、結局自分の面白いと思ったものに入れるしかないんだよ」

風藤松原が自分にとって一番面白いと思ったから、彼らにいれた。
こんな確かで信頼できる言葉はない。
松原さんの繊細さ、どこか突拍子もない風松漫才のワードセンス。
ここに魅力を感じて評価をしてくれる審査員がいてよかった。
そして、それが大竹さんであってくれてうれしいなと思う。
なにしろシティボーイズファンなもので。

打上げには参加せず、終了してすぐの十時頃コンビニで夕飯のたまごサンドとお茶を買う。
そして、どうやらTHE MANZAIをチェックしていたらしい店員にギョッとされ
俺がたまごサンド食って何が悪い!と憮然とする。
たまごサンドをお腹におさめ、その日の夜か翌朝には、ラジオで話すための内容をまとめたのだろう。
私はこんな感覚ですがいかがです?世間と乖離してはいませんか?と問いながら。

後日談として、敗者復活から勝ち上がった流れ星がゴールデンラジオにやってきた時の話を。
THE MANZAIが終わった後、瀧上さんは大竹さんの楽屋にやってきたと思ったら
抱きついて号泣。周りをかなり戸惑わせたようで。
「俺、もう帰る支度をしていたのに!マフラー巻いてただろう!
こいつがワンワン泣くもんだから・・・ハンカチ返せ!」

THE MANZAI本番と、コンビニのたまごサンドの間に挟まれた、なんとも素敵なエピソード。
流れ星もおめでとう!ちゅうえい、奥さんとお幸せにね。