出演:キングオブコメディ高橋 、THE GEESE 、 山脇唯
バッファロー吾郎A、せきしろ
ロフトプラスワンがほぼ満席の入り・・・!
本公演はわりと集客に苦戦していたようだったので(特に前半)、ちょっと
ドキドキしていましたが、相席を愛する人々が集まったようで嬉しかった~。
記録用映像を見ながら今回の公演を振り返る、それはそれは楽しい時間でした。
とにかく客席も出演者も、みんな「空いているのに相席」の事が大好きなことが
伝わってきて、あの空間ったら幸せしかなかったよね。
おまけに、最後には1と2のベストネタ&新ネタで「空いているのに相席2.5」が
数ヵ月後に決定しているという、最高のプレゼントニュースまで頂きました。
いやっほ~~~。
場所はルミネで、どうやら一回公演のようです。
バッファロー吾郎Aさんが、これにお客さん入らないと今後ルミネではできなく
なってしまう、と話していたので、気になっている方にはぜひぜひ足を運んで
頂きたい。
・・・これって逆に考えれば、ルミネで2.5を成功させて、今後ルミネで毎年
上演するコントライブに発展させる構想があるのではないかと。
よしもとニュースセンターのインタビューで
“『空いているのに相席』も、いずれシアターコクーンで8日間くらいできるイベントに
なればいいなと。シティーボーイズさんがやっていらっしゃる単独ライブのように、
年に一度のお祭り的なライブにしていきたいという夢を持ってやっています。”
と、語っていているのを読んだときには、冗談半分にとらえていたけれど。
結構本気で視野に入れているのかもしれませんよ。
よしもとニュースセンター
「バッファロー吾郎・Aが語る!コントライブ『空いているのに相席 vol.2』の
魅力とは」
それでは反省会の感想をば。
皆さんがそれぞれ印象に残っているコントを挙げて、その映像を振り返る
スタイルでした。
◆中央の大きなスクリーンで映像を映すのですが、みんな自分の
見せ場や、恥ずかしい場面になるとうつむいて見ないようにしているのが
大変キュートです。
中でも机に突っ伏して、終わった途端「何なんすか!これ何なんすか!」
と抗議していたのが尾関さん。ヨネスケコントのオチのシーン。
その気持ちわかるよ。アレはやれと言われたら相当恥ずかしい。
「トークショーに来てくれた麒麟の川島さんも、このオチ超つまんない
って言ってたよ!」
「いやあ、書き終わって読み直したらボケが一つもなかったからさぁ~」
ほぼ妖怪なヨネスケ、あの手この手で幼い兄弟(高橋&高佐)を騙そうと
するのだけど、小学校低学年くらいのちびっこなら扉を開けてしまい
そうなレベルの嘘が面白い。
クール宅急便で~す。早く受け取らないととけちゃいますよ~、が好き。
「お兄ちゃん!お母さんだよ!」
「違うよ、お母さんは3年前に死んだじゃないか!」
結構ぞわっときますね。
高橋さんが、何があっても俺が守ってあげなきゃ!という気持ちにさせる、
高佐さんの頼りなげな弟らしさにメロメロしている。
「おでが守ってあげるからね」
「うん、お兄ちゃん!」
しゃもじの大きさが普通で、尾関さんの身長が小さいと思って見ると
面白いと言われたので意識してみたら、なるほど確かに。
スプーンおばさんのようだわ。
あんなに恐ろしいヨネスケを、最後に通りがかりの普通のおじさんが
止められるとは何事なのか。
A「俺は(変なおじさんコントの)クワマン的な存在なんだよね」
そんなヨネスケコント、本当は「晩ごはん」という正式タイトルが
あるのに、もう誰も呼びません。ヨネスケです。
せきしろさんは「ザ・ディナー」というタイトルで、ハリウッドで
映画化したいそうです。このコントをリクエストしたのもせきしろさん。
◆カリオストロの城をリクエストしたのは尾関さんだったかな?
ルパンてかっこいいよね~、台本もらってからカリ城見直しちゃった
もの!俺も~!と、キャッキャと語るおじさん達。
高橋さんは、銭形の決め台詞の後に出てくるおじいさんの台詞
「なんと気持ちのいい連中だろう」
を、稽古中から勝手に付け足して迷惑がられていた。
高佐さんは、自分の銭形を見て「もう少し似ていると思った」と愕然。
一方、尾関さんは似てるね~と誉められて「骨格が似ているから
声も似てる」と発言して、周りから総ツッコミを受ける。
天然・・・!
プロジェクターで台本を映してくれたのですが、確かに最初に
書かれている役名が意味不明だわ。
ルパンで銭形で竹下景子。
小道具の銃の指定に、なるべくワルサーP38に近い形のもの
と書かれていましたよ。
せきしろさんやAさんが「やっぱり見る人は、そういう所までチェック
するからねえ」「歌詞にもあるし」。
そこまでこだわりがありながら、なぜマムちゃんコントの老人ヅラは
100均クオリティだったのか(笑)
高佐さんが曲に合わせて扮装をとくシーンで、初日だけ予期せぬ
笑いが客席がおこったらしい。
「稽古場で、これだけの笑いのプロが集まって観客の反応を
予想しているのに、それでも予想外のことがおこると驚いて~」
という考えに、プロしての自意識の高さを垣間見る。おお。
◆高佐さんのリクエストは大喜利部。
ギースが揃って稽古に参加できない時期があり、その間は
みんなで大喜利の練習ばかりしていた。
「まさか魔王をやるわけにはいかないし」
山脇さんは直前に「ゲラゲラ人間コンテスト」という台詞を
追加され、間違えないように一生懸命練習したのに
全く受けなかったとションボリ。
せきしろさんだけ大爆笑してたそうです(このパターン多いな)
本番を見ていた時にはAさん扮する主人公・仰木くんばかり
注目していたのですが、今回映像で振り返ったら敵役の烈火
(高橋さん)のキャラクターがツボで・・・!
俺の属性は炎!と自分から説明しだす(不利になるのに)
心で考えていることが全部口から出る。
あと、仰木くんとマネージャーが会話をしていると、あまりにも
手持ちぶさたで延々と準備運動をしているの。
全体に漂う少年漫画イズム。皆がジャンプっぽい、いやどちらか
というとコロコロだと話していると、せきしろさんが
「いや、バッファロー吾郎だよ」(ニヤリ)
ヒュー♪と鳴らない口笛を吹きそうになりました。
◆高橋さんのリクエストは別のコントだったのだけれど、みんなが
いや、高橋さんはこれでしょう!と推したのが「ヒロト」。
最終日ということでカメラさんもアップにする場面を心得ており、
素晴らしく凶悪な顔をした、高橋さんのヒロト顔の数々が・・・!
一時停止すると「これ誰だー!」と叫ぶくらい高橋さんに見えない。
かといって、ヒロトでもない。
悪乗りしすぎて、たけしのモノマネをする噂のヒロトを初めて
見た。これは・・・怒られるよね(笑)
ファン役のAさんに歌わせる場面がやけにしつこいと思ったら
「何度振っても、キラキラしたパンク青年の瞳で歌い返して
くれるから」楽しくなっちゃったみたいです。
◆流しの兄弟コントをリクエストしたのは山脇さんだったかな?
こちらはAさんのアドリブが大暴れ。前回の殺陣師みたい。
日本のジャスティン・ビーバーを思いついたのは嬉しかったと。
最初はカーペンターズだったらしい。
味噌汁一郎(Aさん)のアドリブがあまりにも止まらないので、
楽日の映像ではスナックの客役の高橋さんが、腕時計を
指す仕草をしてアピール。このコントには出てこない尾関さんも
あまりにも長いので
「次に出た時、お客さん俺のこと忘れてるんじゃないかな」
と、セット裏で不安になっていたらしい。
この収集つかないボケの数々に高橋さんがツッコミを入れまくる
のだけれど、当然アドリブボケにはアドリブで応酬するしかなく、
高橋さんから湧き出るワードの数々が素晴らしい。
尾関さんが絶賛して、褒められた高橋さんは照れ隠しで
ツンツンしてました。やだ、かわいい。
また、尾関さんは高佐さんのピアニカも絶賛。
確かに本番でも、ほとんど手元を見ずにスラスラ弾いていましたね。
稽古でもピアニカの練習時間を取らなければならないと思っていた
のに、ほとんど耳コピでこなせるし、こんな感じの曲と伝えれば
すぐに弾いてくれるので全く必要なかった。
ここまでできるとは思わなかったと、みんなで誉めまくる。
山脇さんのマイム演技のうまさも際立っていました。
グラスにお酒作って、スッと手で押して出してくれるんだよ!と。
スナックのママはカウンターで聞いている場面が多いので、
何もしないとちょっと間ができてしまうのでしょうね。
まさか、烈火のように準備運動するわけにはいかないし。
今回の反省会、山脇さんは緊張もあって(&前日飲んだから
迎え酒という意味もあり)最初の乾杯で日本酒を頼むという
かっこいい注文をしてました(笑)
彼女がツイートや日記で、空いているのに相席が終わってしまい
寂しい。これはもう相席ロスだ、と語っているのを読んで
わたしもわたしもー!と共感しきり。
山脇さんの日記ページを遡ると、稽古中や公演の感想も掲載されて
いるので、相席ロス仲間の方々には是非読んでほしいです。
◆Aさんは自分で演じていて落ちの部分が見えなかったからと
「声」のコントをリクエスト。
しかし、やっぱりあのコントを見ないわけにはいかないでしょ。
というわけで、毒蝮三太夫のミュージックプレゼント最終回。
アップで抜かれるAさんの顔の凛々しいこと!
これはもう本気でかっこいい。戦う男の顔なのである。
怒りでパワーアップする場面は、本当にAさんの周りに
オーラが見えるので、敵対する役の尾関さんも演じていて
とても気持ちがいいと言っていました。
歌の力で敵のパワーが落ちる元ネタはMOTHER(ゲーム)かと
思ったら、マクロスなのだそうです。
愛、おぼえてますか?
「長生きしろよ!」ちゅどーん!マムちゃーん(涙)
・・・からの、暗転でいつも通り提供クレジットを読む、悠里さんの
淡々と落ち着いた声。
「悠里さんには何も響かなかったんだね」(笑)
最初にも書いたように、褒められたり自分の役がクローズアップされ
ると、皆さん照れて画面を見なくなったりイヤイヤと謙遜する
のですが、Aさんは顔を赤らめながらも
「きちんと役作りをしたからね!」
「これは、ドラゴンボールを参考にしているんだよ」
と、堂々と胸を張り、自分の演技を謙遜することも卑下する
こともなく語っていたのに、とても感動しました。
ギャグラリーもラブスタディもユーモアゲームも、一見冗談のように
思える企画だけれど、彼が心の底から面白いと思っていることを
真っすぐ誠実に続けることによって、周りの人たちを巻き込んで
どんどん成長していったのでしょう。
私が知った時にはすでに巨大なイベントだった、ダイナマイト関西も
きっと同じなのだと思います。
誰もが慕ってついて行きたくなる、大きな背中を持つ人。
照れ屋で、誠実で、とびきりチャーミング。
そして心にはいつでもユーモアを忘れない。
「ユーモア」は「寛容」の仲間なんだ、とは糸井重里さんの言葉。
確かにユーモア軍団の皆さんは、ライブで見ていてもとびきり優しい。
そしてその優しさは、笑いというフィールドで戦う力強さに裏打ち
されている。
そんなクラクラするほどいい男達に会いに行くユーモアイベント。
とりあえず次の相席は、ルミネでね。