2015年3月16日月曜日
「3月突然シティボーイズ総選挙 斉木しげると一緒にハッスル大観賞会」
東京カルチャーカルチャーで開催されたイベント
「3月突然シティボーイズ総選挙 斉木しげると一緒にハッスル大観賞会」
に行ってきました。
斉木さんの個人イベント「しげるの素」メンバーの方々が立ちあげた企画です。
こういうの嬉しい!大好きなシティボーイズライブを100人以上のファンと
鑑賞するなんて夢のよう。
出演者は斉木さん、妹尾マネージャー(ASH&D)、阿佐ヶ谷姉妹。
そしてイベントの代表でもある司会の小林さんです。
あれもこれも見たいところですが、タイトル通り公正な選挙がおこなわれ
あらかじめ用意された候補作の中から1本が選ばれることに。
候補は以下の4本。
小林さんの1本「愚者の代弁者、うっかり東へ」1995年
シティボーイズ+中村有志+いとうせいこうという黄金メンバーの始まりであり、
今年6月に上演される会場と同じ東京グローブ座。
「しげるの素」スタッフさんの1本「夏への無意識」1999年
今年のライブはシティボーイズ3人のみで、3人で公演を行うのは
この「夏への無意識」以来。
みなさん、あの「漂流商事」を、きたろうさんのかわいいポチを見たく
ありませんか?
阿佐ヶ谷姉妹・美穂さんの1本「モーゴの人々」2007年
事務所の先輩、ムロツヨシさんが出演。
阿佐ヶ谷姉妹・江里子さん「10月突然、大豆のごとく」2010年
事務所の先輩、ザ・ギースさんが出演。
ギース高佐さんから当時の斉木メモを入手!
今年の公演「燃えるゴミ」に関連する2本と、ASH&D所属の芸人さんに
縁の深い2本です。
投票の結果選ばれたのは「愚者の代弁者、うっかり東へ」
圧倒的な得票数でした!
実は斉木さん、投票の前から思い入れのある作品が1本あるので
選ばれるといいなと話していて、それが東へだったそうです。
これはご機嫌で喋ってくれそうだな~。
どのあたりのコントが入っているんだっけ?と思ったCBファンには
メリーゴーランドが中心になっていたライブ、と説明すればわかるかな。
あの「ウワン」と音の鳴るメリーゴーランド。
斉木さんは普段、自分の出た作品の映像を見直さない。
大竹さんときたろうさんは自分の中のイメージ通りなのだけれど、
自分の演技は自分では見えないから、映像で客観的に見ると
なんだかなーと思ってしまうそうで。
でも、改めて見返すとこの愚者の代弁者シリーズ(西へ、うっかり東へ)は
とてもよくできているし、演技も納得のいく部分が多かったとのこと。
演出は三木聡さん。
以前は三木さんが何本か作ってきたコントを直させたりしてたのが、
この頃から内容がグーーーン!と上がって、もう直せなくなってしまった。
メンバーと演出家の立場が逆転。
三木さんの性格はとにかく真面目で、稽古もきっちりとする。
この頃は立ち稽古を1ヶ月間やっていた。今では2週間程度。
斉「宮沢くんも三木くんも真面目。面白いコント作る人はみーんな真面目!」
台本はあっても、稽古場でのお喋りや、メンバーからの何気ない提案が
取り入れられることも多く、愚者の代弁者というタイトルも、斉木さんが
三木さんに勧めたSF小説「死者の代弁者」から取ったのだそう。
どこだったかな。斉木さんがフと「1995年て携帯はもう普及してた?」と
聞いて。「コントに出てこないから、まだあたりまえじゃなかったかもね」と。
コントは日常を映す鏡。
収録コントは↓の通り。
「はさまった人々」「小粋な3人」
「うるさい原因」「蛸逃げ」「義昭ちゃんとメリーゴーランド」「メリーゴーランドの話」
「ピアノの粉末」「誰も出てこない食堂」「メリーゴーランドの話2」「五人姉妹の物語」
「カウボーイ迷う」「会話の訓練」「五人の鉄砲隊」
名作ぞろい。ピアノの粉末もこのライブだったか。
印象に残ったトークを箇条書きで。
・小粋な3人
動きに迷いのない有志さんの美しい動き、きたろうさんのぐずぐずな動き。
「もう着物の裾がずんべだぼになってますよ!」という台詞があるけれど、
この単語を他で聞いたことないな。
若い斉木さんがスリムでハンサムですね~。
・アドリブで言った台詞か台本通りかを、今でもちゃんと覚えている斉木さん。
・うるさい原因での有志さんの緻密な演技。
「一人ですごく練習したんだろうな~」
コントの中には観客と同じ目線を持つ常識人が一人は必要で、3人でやると
それは大竹さんの役割になりがちだけれど、5人だとせいこうさんになる。
・稽古場で演出に関する相談をしていたのは三木さんとせいこうさん。
「クレジットには『演出:三木聡&シティボーイズ』になっているけれど、本当は
三木聡&いとうせいこうだね」
・蛸逃げの有志さんのマイムは、うねうね動くのより変な姿勢でピタッと止まって
いるのが凄い
・コントの絶妙な会話を見て会場からも笑い声が。
斉木さんが何度となく「間だよねぇ」と。
・斉木さんの義理の兄が浜松でピアノ工場の工場長をやっていたので
ピアノに関するうんちくをいくつか。
・シティボーイズライブほど大規模なコントライブをする人もいない。
億かかっている。ウルトラシオシオハイミナールで野宮さんが歌う時に
着たドレスは100万以上したらしい。
事務所の規模を考えたら驚異的だなあ。そりゃ、大竹さんが顔面麻痺になっても
払い戻しに躊躇するはずだ。
・20年前の映像なのに、きたろうさんが今とあまり違うように見えない。
斉「もちろん顔は老けたけれど。立っている時の姿勢かな」
・「カウボーイ迷う」で阿波踊りを踊っていた斉木さん。
「このコント疲れるんだ・・・」
舞台で一人待つ大竹さん、せいこうさんをじらすようになかなか出て行かない
というアドリブ(笑)
こういういたずらをよくしていた。
・五人姉妹の物語。きたろうさんが座布団ひっくり返すの忘れる大ミス。
この日は昼夜で録画をしていて、出来の良い方を映像化する予定だった。
きたろうさんミスの回は、他のシーンはとても出来が良く、きたろうさんは
頼むからこの回は使わないでくれ!と強く頼んだけれど・・・
「そこまで言われたらさぁ~使うよね~(笑)」
・このコントでは完璧に原節子で役作りをしている有志さん
「一人だけ芝居が違うんだもん」
女性役の時に芝居を作る人とそのままの人。
司会の小林さんが「このコント、食堂のコントと繋がっているんですか?」と
質問を。よく見ると姉妹の会話に「お店の方にいるんじゃない?」という
台詞があり、お店=食堂なのではないか?
そういう設定は特になかったようですが、皆さん細かくチェックしています。
・「会話の訓練」コントを全く覚えていなかった斉木さん。
そのコントで何を表現したいか、伝えたいかという意識が自分の中にないと
どうも忘れちゃうのだそうです。
暗転のたびに「まだ続くの?」「長くない?」「このコント、いらなくない?」
ちょ、斉木さん・・・!(笑)
・「五人の鉄砲隊」はラストに5人がせりあがり、空砲を鳴らすだけのネタ。
小林さんが「グローブ座の3階席から見ると、せりあがってくるのが
事前に見えちゃうんですよねー。真上から見下ろすから」と
懐かしそうに。
江里子「ゴム脳の時も見えてました!」
うっかり東へを生で見た方は会場内で10人?くらいでした。
・「コントとはシュールレアリズムである」by斉木しげる
話していた内容を要約すると
「コントにおいての良い演技は自然な演技に非ず」
でいいのかな。
演劇であれば良しとされる自然な演技では笑いがおこらない。
今年のライブ「燃えるゴミ」の演出家は五反田団の前田司郎さん。
きたろうさんが声をかけてみたけれど、現在人気で多忙な方
なので無理だろうと思ったそうで。ところが
斉「俺らのファンだって言うんだよ。是非やらせて下さいって
言ってくれて。そうしたらもう断れないじゃない(笑)」
3人で始めたライブだから、最後あたりは3人でやるのはどうだ
と提案したにもきたろうさん。
ファイナルpart.1というなんとも判断のつかないサブタイトルに
ついては、きたろうさんはファイナルとつけたがったけれど
斉木さんは客集めみたいだから嫌だと反対。
大竹さんが「じゃあファイナルにpart1つければいいんじゃないか?」
今回がラストと明言はされなかったものの、いつまで続くか
誰にもわからないシティボーイズライブ。
この先一つも見逃せない・・・!
休憩も含めて3時間弱くらいあったでしょうか。
とっても楽しかったです。
小林「細川時代ライブ総選挙や三木時代ライブ総選挙もやりたいですね」
それもいいなー!