2015年3月20日金曜日

2月の渋谷らくご、コントセンター

2/15 渋谷らくご 昼席

柳家わさび  厩火事
玉川奈々福  お民の度胸
立川志ら乃  狸の札・鯉
柳家喜多八 うどんや

 ロビーで東京かわら版の販売が始まっていた。素晴らしい。
良い定例落語会は会場でかわら版を売っている(自分調べ)

わさびさんの厩火事。
おさきさんはあんまり美人じゃないけれど、プリプリと焼きもちを焼いていて
かわいい。現代的。サンキュータツオさんがブログで
これ、年取った人がやるとただ口の悪いワガママなおさきさんになるだけで、
おばさん感が強調されるだけで、かわいく思えないのだ。」
と書いていて、確かにまるでおばあちゃんみたいなおさきさんで演じる人も
いるな~と思う。
その場合は「その時にはあたしゃ歯がなくて土手ばかりだから
噛みつけないのよー」に妙なリアリティがある(笑)


奈々福さんの浪曲は、お民がまぁ~いい女で!
完璧な女房ではなく、一回亭主を疑っちゃう気の弱いところがあるのがいい。
お民がキップのいい女な分、ドスの効いた親分や渋いお年寄りの役になると、やっぱり
男性の声で聴きたいなと思ってしまうのは、もう好みだからしょうがないのだけれど。
女が駄目だという問題じゃなくて、男が演じて魅力的になるように作られている物だから
大変だろうなあっていう。
だから噺の中で男性が女性を演じることには違和感がないんだよね。
宝塚の男役が女性が演じるからこそ魅力的に作られているようなもので、
男性が宝塚で演じるくらい難しいんじゃないかと。

志ら乃さんの狸は頭の中で絵が浮かぶ。
このカメラワークや演出を観客の脳内に仕込む落語は、師匠の志らくさん譲り。
ちょこんと座る狸がかわいいんだなぁ。

落語講談浪曲を聞くと、今ではめったに使わなくなった表現や言葉が出てきて、
これはちゃんと覚えていたいなと背筋が伸びる。
それを実際に使ったりはしないけれど、知っているのと知らないのでは大分違うような気がする。
今日なら喜多八師匠がまくらで
「まあ、このあたりは色街というか花街・・最近『はなまち』なんて読む人がいますが『かがい』ですよ。

花柳界だからね」と話してくれたり。

うどんやはあらすじがシンプルなので、やりとりの間が命ですね。
話がループするタイプの噺が苦手なので(天狗裁きとか)、うどんやも
酔っぱらいのおじさんにあんまりじっくりと婚礼の話を語られると
困っちゃうのだけれど。
喜多八さんの絶妙な表情と口調で楽しく聞くことができました。
終演後に鍋焼きうどんを食べたくなるのは良いうどんや。

 
2/21 渋谷コントセンター 昼の部

ダブルブッキング
シソンヌ
Aマッソ
シンボルタワー

2/23 渋谷コントセンター 昼の部

阿佐ヶ谷姉妹
ホロッコ
シューレスジョー
犬の心

シソンヌが初登場。
15分のコントを2本。地方のお祭りのコントが面白かった~。
テンポの良いお芝居を見ている感覚なので、全く長さを感じない

毎月出演しているコンビは、どうしても重なるネタが多くなりますね。
ホロッコは眺めるままにニコニコしてしまうよう、ほんわかとしたコント。
カーテンコールもラブラブなご夫婦です。

シューレスさんは演技力が抜群で、相棒に刑事役として出ても違和感が
ないなーと思う。
一人コントって演技力の高さ必須なんですね。
面白いピンのコント師さんはみんな演技が上手。
今度、ワラインプロのリクエストに名前を出してみようかな。

阿佐ヶ谷姉妹は今回、コントとコントの間に映像のある構成で
ミニ単独ライブっぽかったです。
パン子さんのお料理教室コントは、作るお菓子が変わったと思ったら
中のギャグも総取換え!
とあるコントでは、大竹マネージャーの歌声も披露されました。
ASH&Dに移ってからも大活躍ですね。

犬の心は15分のロングコントを2本。
単独ライブからかな?池谷さんの声がカスッカスでひやひやしましたが
犬の心ならではの、二人の会話のやりとりで魅せるネタを堪能しました。
首になっても毎日会社に無理やり来ちゃうコントはちょっと切ない。

 シアターガイドにお笑いライブ関連のコラムがあったのですが、
「10~15分程度のショートコント」という会話が出てきて、そうか、
演劇の感覚だとこの長さはショートだ。
お笑いライブでは長尺に入るはず。
私もお笑いを見はじめた頃は、普通のコント尺は5分程度と聞いて
そんなに短い時間で一体何ができるの?!と驚いたのに、
今ではすっかり慣れてしまいました。