2012年1月10日火曜日

モンティ・パイソンのスパマロット

ミュージカル『モンティ・パイソンのスパマロット』
【スタッフ】脚本・詞・音楽=エリック・アイドル 音楽=ジョン・ドゥ・プレ 企画・脚色・演出=福田雄一
【キャスト】ユースケ・サンタマリア/池田成志/戸次重幸(TEAM NACS)/賀来賢人/ムロツヨシ/マギー/皆川猿時/彩吹真央
いやはや面白かった~
昔映画もコントもビデオで見たけど面白さわからなかったし・・・とぐだぐだ悩む必要なかったです。
だってモンティパイソンじゃなかったもの。

あれは「ド リ フ の 大 爆 笑」だもの。

本当だよ!
志村けん(池田なるしー)も長さん(皆川)もいてべったべたの兵隊コントやってたよ!
スクールメイツ(女性アンサンブル)も超笑顔でポンポン持って踊ってたんだよ!

というわけで私的にはウェルカムな舞台でしたが、モンティパイソン好きには
どうなのか気になる。
マギーがパンフレットにも書いてたけど、絶対見に来るであろうKERAの感想を
聞いてみたい。

思いっきりネタバレ感想としては・・・


王冠池田成志ファンならば観なきゃノンノン

このミュージカルの魅力の7割は池田成志でできています。
面白いところ全部先輩じゃないですか、ずるいっすよ
(パンフレットはメイン以外に誰が兼役してるか書かなきゃだめだろー)
メインのランスロットというよりは、フレンチとニの騎士が至高の面白さ。
しかもランスロットは○○で、フランク古田ーみたいな格好で踊る羽目に。(笑)


王冠歌唱力問題はなんとかクリア

あんなにミュージカル畑じゃない人ばかりでどうするのかと心配していた
歌唱力問題はうまくごまかしがきいていました。
元々の構成なのか?ソロ曲が少ない。
誰かが唄い始めるとアンサンブルがガーッと出てきて歌い踊り、合唱に
なるので歌下手でも目立ちません。

このミュージカルの歌とダンスはアンサンブルの皆様によって支えられて
おります(笑)。一見メインの騎士たちしか歌っていない場面も、たぶん
アンサンブルが影コーラスを入れまくっていたはず。
彩輝真央様のタカラヅカ男役出身をギャグにしまくった湖の貴婦人は
ミラーボールのように輝いていました。

王冠後藤ひろひと&ドリフ?

前半の小ネタ応酬を見ていると、赤坂ACTシアターにいるのに
「あれ?私いま、駅前劇場で後藤ひろひと作品見てる?」
って気になる。
ドラマで福田さんの作品を見ると、失礼ながら「後藤ひろひとの
パロディっぽいなあ」と思っていたんだよね…。

大王はモンティパイソンとかその周辺のコメディの影響を受けている
と思われるし、福田さんがモンティパイソン大好きだと書いていたので
「後藤ひろひとっぽい」のではなくて「モンティパイソンっぽい」だったの
だな、と認識を改める。

スパマロットが日本で上演されるならば、演出はきっとKERAか宮沢章夫か
後藤ひろひとだと思っていたのだけれど(次点:キッチュ or いとうせいこう。
G2になっちゃう危険もあったかw)
こういうのは時の勢いだよね。うん、福田さんの演出良かったと思う。
他の人だったら演出をどう変えたのかなあ。特に日本オリジナル部分ね。
そうそう、家政婦のミタネタと相棒ネタが入ってました。TBSなのに(笑)

しっかし後半は特にドリフだったわ~。
みんなで淡々と台詞を話せば多分モンティパイソンぽくなり、ツッコミ過剰
にやりあうとドリフ化するの法則。

王冠他キャスト

マギーのパッツィがけなげかわいい。
その路線を狙っていたそうで、思惑にハマっちゃったのがなんだか悔しいけど(笑)

主役のユースケは印象薄いよー(そういうキャラ設定にしたらしいが)主要キャストの何人かはキャラも芝居も薄味で、薄味な人が大きな劇場で
小ネタやると笑いのスケールもちっちゃくなっちゃう。
線の太い芝居できる人がこういうおバカな役を演じるともっといいと思うんだけどなー。

アーサー王のオリジナルキャストはティム・カリーなんだよね。
しかもイギリスでは、あのシェイクスピア作品の名優サイモン・ラッセル・ビール
が演じたそうじゃないですか!
じゃあ、どう考えても日本版キャストは吉田鋼太郎だよ。
ナレーターにはひろひと大王がピッタリ!とか、どこかに三上市朗入れたい
とか、脳内のキャスティング会議が止まらなかった。

王冠社会風刺とか国民性

日本版オリジナルネタとして
「今は日本で大人気になろうと思ったら韓流スターにならなきゃね!」
という、かなりの覚悟を感じた韓国ネタがあったけれど、リスクのわりに
リターン少なそうだ・・・。
モンティパイソンだから毒多めの社会風刺入れなきゃ、と書いたのかな。
善男善女の多い客席にはあまり合わなかった模様です。

ま、そんな善男善女もイギリスがフランスをおちょくるネタには大爆笑するわけですが(笑)
身内の喧嘩は笑い事じゃないけど、他人の喧嘩はワイドショーですから。
そういうもんですよ~。私ら日本人だもの。
身内の喧嘩も王室(皇室)も堂々とネタにできるイギリス人とは、やはり
国民性が違うわけで。

フランスネタは元ネタにもあるんでしょうね。
マルセルという名のパントマイマー(!)に、あんなくだらないことさせて
イジり倒すとかイギリス容赦ないな。

それにしてもミュージカル見終わったのに、元の映画をさっぱり思い出せない
私の脳みそはどうなっているのか。
唯一思い出したのはロビンにまとわりつく、迷惑でウザい吟遊詩人とココナッツの殻です。
あと、黒騎士。

*コミケにモンティ・パイロンのファンサークルさんが参加していて、机の上に
ココナッツの殻でできたアレが展示してあり「ご自由にお使いください!」
と書いてあったのが忘れられない。
あの方たちは今回観劇しているのだろうか