おおのの「東京モダンガールズ」
演出家・大野裕明さんの演劇ユニット。
今回は脚本を女優でもある吉田麻起子さんに依頼したとのことで
素敵な化学反応を期待していました。
三村さんはいつ見ても素敵でメロメロしちゃうし。
最初に出てきた眼鏡&おさげ姿は、たんぽぽ(お笑い)の人か!と
思うほどダサダサな感じなのに、「青踏」を立ち上げた途端
キリリとスーツの似合う女性になった仲坪さん。
背も高いし宝塚の男役みたいにかっこいいな~。
江戸川卍丸さん、こんな落ち着いて色気のある役もできたのね!
・・・と、いいところも沢山あるのですが。
「女のどろっとした部分」が出ていて、いつもより楽しめなかったんですよ。
でもこれは私にも原因があって。カラフルなちらしとおおののの雰囲気から
勝手に、女性が世の男たちを蹴散らしてヒャッホーと雄たけびをあげるような
快活なお芝居を期待しちゃったんですね。
場面数&暗転が多くて集中力がとぎれてしまったのも難点かな。
おおののシリーズの特徴ではあると思うのですが、そろそろ大野さんが
場面数も少なく大きな流れのある物語を演出するのを見てみたい。
それにしても伊藤野枝の実際の人生が波乱万丈すぎる。
貧しい漁村の生まれながら猛勉強して女学校に飛び級で入り、
英語教師と恋に落ち、親の決めた結婚の夫を捨てて同棲&結婚。
平塚らいてうの「青踏」に入ってめきめき頭角をあらわし、20歳で
リーダーになったと思ったらアナーキスト大杉栄と恋愛して、でも
妻・愛人と四角関係・・・で、大杉がもう愛人に刺されて色々あり~の
内縁の妻の座をゲット。
その間にも女性運動関係の出版やら批評やらバリバリやって、子供も
前の旦那との間に生まれた子を入れると7人くらい産んで。
最後は大杉&6歳の甥と共に憲兵に虐殺されて死亡。
これで享年が28歳って(絶句)