★ドドん
苦行をして1つ上の存在になりたい。
安田さんの台詞がやけにグルグルしているな、と思っていたら
石田「おやおや、どうやらネタを飛ばしたな?」
冷静におちゃめに本筋に戻した石田さんに拍手。
宗教がらみということでNHKのオンバトに出られないらしい。
仏教も駄目だとは思わなかった。
★ラブレターズ
キラキラネームのネタ。
単独ライブを思い出すような溜口さんの喉の飛びっぷり・・・と一瞬ヒヤリと
したのだけれど、もしかして大きな会場で声を張り上げると常にああいう風に
なってしまうのかな?せっかくの台詞があまり届かなくてもったいない。
兄弟の描写が毎回少しづつ変わっていますね。
ラストはまだちょっと違和感があるかも。
★囲碁将棋
やってみろよ!は本当に使っているんだ。
私は野球が詳しくないので知っている人ほど笑えなかったけれど、綺麗な
流れの漫才。
★鬼ヶ島
何これ怖いー
饅頭食べちゃう大河原先生、透明人間大河原先生。
ホラーなんだかパニックなんだか。そこにさらに詩の朗読などという文学的な
部分を入れてきて。いや、これまた狂っていたけれど。
★コマンダンテ
大阪からのゲスト。
漫才の常套手段「俺○○がやりたいから練習させて」でまさかの痴漢願望。
関係性がだんだんひっくり返り、ラストに向けてテンポがあがっていく
とても気持ちの良い美しい形の漫才。
★ビーフケーキ
部屋でニコ生配信(しかもインド舞踊?ヨガ?)してたらおかんが
入ってきて大ピンチ!
お母さんのキャラクターと、言葉をしつこく引っ張る感覚が大阪っぽいな~と。
この二組はいかにも関西らしさを感じたのだけれど、次のトークコーナーで
ラブレ溜口さんが二組ともどこか東京っぽさを感じると言っていて???となる。
演者から観るとまた別の「東京らしさ、関西らしさ」があるのかしら?
★三四郎
誰が言ったか知らないけどハゲは愚直に漫才なんだよ!
何度聞いても面白いフレーズだなあ。
あと、ハゲはシティ派コントやっちゃいけない。
★ジグザグジギー
ジャムトーストだー。JT1でーす。
このコントは途中から池田さんがほぼ舞台で一人になってしまうのに、
コントの世界感(?)が全く小さく感じないのが不思議。
あんなに広い会場なのに。池田さんは華があるしね。
★アームストロング
バラバラなライブやイベントで彼らのコントを4,5回見ているはず
なのだけれど、ネタが全部これなのが残念・・・。
★スパローズ
単独のオープニングで衝撃の走ったクズコント再び。
園児と賭け事は混ぜたら危険!そして中野の空に舞う野口たち。
森田さん、動物エプロン似合うのにね。
大和先生も園児のお母さん達に人気出そうな風貌ですよ。
★エルシャラカーニ
えーーっと、旅行ネタだっけ?超能力ネタだって?
最近混乱しがちです。でもどれも面白い。
★ラバーガール
1000円でお誕生日のプレゼント交換。
歌でも唄おうかと提案するも
♪ハッピバースデートゥーユ~(普通の)
♪ハァァッピィ バースデ~ (TVでよくかかるやつ)
で割れるのが面白かった。千円のお醤油わたしは嬉しいよ。
最後ズコーだって。かわいい。ずこーーーー。
★エレキコミック
自分の意見を持つな。人につけ。
AとBの意見が対立した場合に、常に有利などちらかにつくCであれ!
“積極的に主体性がない人間”というダメな存在なのに、やついさんの説明に
かかるとものすごく有能な人物に思えてくる不思議。
何でも人の意見に合わせる会話例は、落語のたいこ持ちのマクラにも出てきますよ。
★しずる
友達が呼ぶので遊びに行ったら、友達はマンガばかり読んでいて
自分を放ったらかし。WHY?
その理由を丁寧に紐解いていくコント。とりたててドラマチックなことは
起こらないのに面白い。
“日常のミステリー”系の推理小説を読んだような気分です。
★磁石
たしか運命の出会いで結婚したい、という漫才だったような。
切れる永沢さんを観察して苦笑し続ける佐々木さん。
佐々木さんかっこいいなー。大きな会場でも男前オーラが後ろまで届く。
★オジンオズボーズ
高松さんが篠宮さんのボケ封じを始めるターンの興奮たるや。
なんて気持ちいい瞬間なんだろう。思わずガッツポーズしたくなる。
「・・・人?」という顔で首をひねる篠宮さんが最高にキュート。
★キングオブコメディ
しずるに続いてお友達が遊びにやってきた設定。
見た目はおじさん中身は小学生という逆コナンなキンコメ2人が
ゲームとおならでわちゃわちゃしてるのを愛でるコント。
★バイきんぐ
コンビニでありえない万引きを笑うネタだと思いきや後半が
予想しない方向へ。
バイきんぐのコントは、強面の小峠さんが楽しそうに自ら巻き込まれて
いく(さあ、俺を巻き込んでくれよ!という感じで)展開がとてもいいなあ。
★かもめんたる
KOC2013チャンピオンが大トリ。
単独ライブ「メマトイとユスリカ」に出てきた犬のラッシュの話。
ピクピク動く心臓を想像すると気持ち悪いのだけれど
知能を持ったラッシュと主人の関係がどことなく悲しくて切ない。
かもめんたるのコントを見た後は胸にどろりとした何かが残る。
本音と建前のギャップ。人に知られたくない自意識。聞きたくなかった他己評価。
笑いというオブラートに包まれたコントの中から、目を背けたい現実が
チラチラと顔を出す。
「メマトイとユスリカ」を観て、確かに面白かったのだけれど
twitterやネットの絶賛ぶりには正直戸惑った。
笑いをまとって人間の本質を描く作品が観たいならば、NYLON100℃や
松尾スズキの演劇もある。
なぜあえてお笑いというジャンルで作ろうとするのだろう。
そして、笑いに来ている観客に向けて随分と皮肉めいたものを見せる。
ところどころ観ていて心が痛むような、イライラと焦るような気持ちになるのは
私だけなのだろうか。
皮肉=アイロニー(irony)を辞書でひくとこんな意味もある。
◆アイロニー(irony)・・・ソクラテスの問答法
無知を装いながら、知者を自認する相手と問答を重ね、かえって相手が無知であることを
あらわにし、その知識が見せかけのものでしかなかったことを悟らせる。
「一体何を知っているというんだ?
お前は所詮、知者に見せかけた無知な人間じゃないか」
もしかして私はソクラテスの問答法の使い手である彼らに、コントを通じてこう言われて
いるような気がして、無性に心をかき乱されるのかもしれない。
そしてそれは結局、自分という人間の自信の無さに繋がるのかもしれない。
一筋縄じゃいかないなあ、かもめんたる。
「さようなら、俺のサーカス」
メマトイとユスリカで一番好きだったフレーズ。
こんなフレーズに会いたくて、きっとまた単独ライブに行ってしまうだろう。
改めて、キングオブコント2013優勝おめでとうございます。