展示期間がそろそろ終了するので2度目の寺山修司展に行ってきました。
一度チケットを購入すると期間中何度でも入館できるのは嬉しいです。
初回は彼の年表や作品に圧倒されて、意味無く落ち込んでしまったので。
天才の早熟・貪欲・情熱の波に溺れそうになる。
2度目の鑑賞は、自己批判?何それ美味しいの?となるべく頭が
からっぽな状態でただただ彼の生み出した言葉を味わう。
二十歳前後の寺山修司と山田太一の往復書簡がいい。
寺山が長期入院している間、ほぼ毎日葉書を送っていた山田。
2人の文面が若くて瑞々しくて、そしてちょっぴり気取っている。
後の大人物だけれど、若い文学青年が背伸びをして書いていたのだと
思うとなんだか愛らしく思える。
毎日送っていたのだから、今のメールのような感覚だったのでしょう。
でも今の二十歳は、こんな素敵なメールを男友達に送らないだろうなあ。
<1956/6/8 山の風景が描かれた葉書>
中学の頃、この大観山のあたりで濃い霧が流れはじめて、
友人と二人で泣きそうになって、湯河原まで歩いたことがあった。
よかれ悪しかれ、僕はこういった風土に影響されて少年期をすごした。
俗悪な商魂が行きわたった病みかかりのこんな風景も、僕には反揆と共に
愛着を抱かせる。旅行したいなあ。
昨夜は結局、新宿へは出なかった。部屋で、じっとしていたよ。
寒気がして、熱がある。
この葉書は床へ入って書いた。
山田太一
先週末で終わるはずだった寺山修司展は、好評につき11/24まで延長に
なったそうです。毎週土日には寺山作品のリーディングもあり。
「さらば映画よ」のリーディングは、吹き抜けのフロアに役者さんの声が
響き渡り迫力がありました。
もう一度くらい行こうかな。