がお買い上げ、立川仮面女子という名前で落語家人生をスタートするという
波乱万丈な前座かしめさん。
彼の二つ目トライアルが横浜にぎわい座で行われ、私も蔵前の勉強会に
通っていたため、応援のために足を運んだ。
「集客力」をクリアしたことになる。
今回はさらに師匠であるこしらさんからの命令でスポンサーを集めた。そのおかげで我々、お土産の詰め合わせを頂きましてありがとうございます。
動物園
金明竹
歌唱:俵星玄蕃
大師匠・立川志らくによる講評
出され、歌だけでは心もとないのでと振り付きで歌い踊る。
そして途中から本物の歌手(大塚文彦氏)が登場。このお方、志らく師匠がツイッターで褒めていた歌手で、そのツイートを
見たかしめさんは即座に大塚氏に連絡を入れてお稽古をつけてもらい、
当日も出演して頂くという趣向を用意したのだ。
さすが元・大手広告代理店の営業マン。全てにおいてそつがない。
気が利く上に周りから愛される愛嬌もある。
しかし芸人の本質は芸である、ということで志らく師匠からは厳しい指摘がびしびしと飛ぶ。
落語については「まんじゅう怖いは下手。動物園の改作はつまらない。
金明竹は着眼点が面白いが惜しい」
端的にして明確。確かに動物園はどこまで続くのかな、と不安になる時間があった。
かしめさんの気配り能力は褒めつつ、落語の基礎を身につけることがどれだけ大事か、そこを疎かにすると将来大変なことになると警告してくれる。
ついでにこしらさんにも「スターになる素質はあるのに、落語マニアの
おもちゃになっていてもったいない」とお小言。
かしめさんの持っている落語50席のうち、音声で覚えたものも半分くらい
あるということで(立川流ではOK)
それをきちんと誰かに稽古をつけてもらいなさい、という条件付きでの二つ目保留(内定)となった。
相変わらず志らく師匠の講評は聞きごたえがある。
10年程前に上野広小路亭で行われていた志らく一門会によく通っていたが、志らく師匠の鮮やかな講評が聞きたかったからと言っても過言ではない。
問題点を指摘し、クリアするべき方法を提示する。
それを忠実に守り努力して乗り越える奴もいるし、やらない奴は何を言って
もやらないと当時から話していた。
かしめさんは師匠と同じように改作の道を行くのだろうか。
古典とも新作とも違う改作は、なかなかのいばら道に見える。やろうと思えば古典もしっかりとできる人が、あえてやる改作はかっこいいよね。
落語家としてどう成長していくのだろう。
これからも追いかけるのが楽しみだ。