2018年11月2日金曜日

ラブレターズライブ「秋が終われば私もいない」

暴徒のごときハロウィン騒動に怯え、この時期に行きたくないわと人々が
渋谷を避ける時期に、ラブレターズのライブがユーロライブで開催された。
ClubAsiaはパリピでぎっしり。LOFT9では「女流棋士ハロウィンナイト」と
それぞれの趣を感じる円山町である。


いつもの60分ライブとどう違うの?と思っていると、稽古の段階でこれは
60分を越えそうだということが発覚したらしい。
そこで、60分、61分~70分の10枚の紙が入った抽選箱の中から1枚引き、
その時間で終わらせようということに。
溜口さんが引いたのは最長の70分。
70分~71分で終わらなければ、罰ゲームとして自腹でお客さん全員に年賀状を出す。 

披露されたコントは6本。
・トム・クルーズ in 蕎麦屋
・ペットナンパ
・机上旅行部
・面接
・コバヤシくん
・プロポーズ

私は面接とプロポーズがお気に入り。
面接では溜口さんが演技力をこれでもかと見せつけてくれる。
三つ揃えのスーツで、やり過ぎなほど嫌らしい男の演技をねっとりと
演じる姿が完璧で笑ってしまった。
巧さや完璧さが生む笑いもある。

プロポーズはマジックの楽しさとテンポの良さでひたすらハッピーな
気持ちになれる。
塚本さん演じる彼氏が最初はマジシャンらしく極力喋らず、でも自分の
本心を打ち明けるシーンではとびきり優しい笑顔と素直な声で、
そのギャップがとても良かった。

机上旅行部も愉快だな。
タイトルに惹かれて調べてみたら「机上旅行」は意外と知られた趣味らしい。
新入部員溜口さんのヤバいけれど、なんとなく憎めないキャラクター。
その新入部員を意外と上手に掌の上で転がす塚本部長。

ラブレターズの笑いは狂気や自虐を含むところがあり、ファンやお笑い好き
には堪らない半面、あまり慣れていない観客が多い場では引かれてしまう
ことがある。
いわゆる大衆受けを狙ってその特色を消しても、彼ららしさの全ては
失われないけれど、やはりどこか物足りなさも感じる。
どちらに振るのが良いだろう?と思ったこともあったが、今回の
ライブを見て「そうか、両方作ることができればいいんだ」と感心した。

実際、今回の内容を思い返して
「トム・クルーズネタを本気で増やそうとしているのね」
「このネタは女性が好きそうだからコントメンで受けるかも」
「おお~これはお笑いファンが多いK-PROで強いんじゃないかな」
と、それぞれのコントの色分けを感じた。

いや、簡単な仕事じゃないよ?
でもラブレターズならばできるのかも。

ライブが全て終了してストップウォッチを押すと68分台! 惜しい…。
というわけで観客は二人から年賀状が頂ける事になった。
しかし年賀状にコメントを書くのであれば本来は人件費が発生しているわけで。
はがき代くらいは事務所経費で落としてもいいんじゃない?