2014年5月17日土曜日

ワラインプロ2

かもめんたる槇尾さん企画、笑いとインプロの融合ライブ「ワラインプロ」を
見てきました。
今回が2回目の開催で、メンバーはかもめんたる槇尾さん、しずる池田さん
トップリード新妻さんTHE GEESE高佐さん、ラブレターズ溜口さん。
1回目も見ていて、その時のレポートは2013年7月の日記へ
 
 
今回は見終わった後に、ひたすら笑える短編ドキュメンタリーを
見たような気分になりました。
参加している芸人さんの、インプロに対するスキルがメキメキと上がっていく
瞬間を目にすることができたからでしょうか。
 
多分、お笑いファンが普段目にするインプロは、お笑いライブの
企画コーナーだと思います。
モノボケやジェスチャーゲームと同じように、「即興コント対決~!」とやる
あのゲームですね。
対決なわけですから、そこには勝敗が存在する。なので、演じる芸人さんも
「即興=相手より上手くできた方が勝ち」と思っている節がある。
 
でも今回のインプロは優劣ではなく、むしろ協力し合って皆で進める事が
目的なんだと、だんだんゲームを通じて舞台上の芸人さんが理解していく。
その過程を観察するワラインプロを、まるでドキュメンタリーのように
感じたのかもしれません。
 
内容が、面白かった1回目よりさらにレベルアップしていたのも良かったです。
これはひとえに、進行役兼講師だったモクレン野村さんの力が大きい。
前回の反省点をふまえて、だいぶゲームの内容を選び直したのでは
ないかな。
 
1回目は各自ポイント制にして、一番ポイントが低かった人は
罰ゲームだった記憶があります。
それだと競いあってしまい、協力プレイがなかなかできないんですよね。
芸人さん、負けずぎらいな人が多いし(笑)
インプロにも沢山の種類がある中で、今回は特に「協力する。皆でひとつの
目的に向かってスムーズに進むよう努力する」ものが採用されて
いたようです。
 
そして、数多くのインプロを手がけている野村さんも興奮するほどの、
芸人の皆さんの瞬発力・理解力。
 
「やはり一流の芸人さんは一流のインプロバイザーであることを再確認。
インプロの遊び方をすこし教えるだけでものすごい勢いで吸収し、
表現していきます。
普段二時間ぐらいかけてやることを40分ぐらいでできるようになっちゃって
「え?!あれもできるの!?じゃこれもできんじゃん!」みたいな感じで
めちゃくちゃつめこんでしまいました!笑 
お笑い+インプロはめちゃくちゃ相性が良いです。
どんな失敗してもポジティブだし、他人を助けるし、声大きいし!!
もぉ〜芸人さん大好き!!」

「ワークショップ後にみなさんに話しを伺ってみたところ、芸人の方たちにとっても
ものすごい刺激的な時間だったようです。
一番衝撃をうけていたのは「ボケなくていい」という言葉。
常に短く、早く、大きく裏切って笑いをとらないといけない芸人たちにとって
新鮮だったのでしょう。
笑いへのプレッシャーから自由にはばたきだした芸人の新しい魅力が
そこらに輝いていました」
 
即興実験学校facebookより
 
最初のゲームあたりでは、不安そうにルールを何度も確認していた高佐さんが、
エンディングで「今まで即興が苦手だったけれど、楽しかったし
ものすごく勉強になった!」と、晴れやかな顔をしていたのが印象的でした。
皆で気持ちを合わせて、心も身体も開く。
みんな、セミナーかカウンセリングを受けた後のような爽快感があったみたい。
 
今回の芸人さんも実力派コント師揃い。
新妻さんの演出力、池田さんの発想力、溜口さんの演技力。
爽やか高佐さんがルールの理解力があって、1番似合っていたのがデブキャラ
という衝撃ね。
企画立案者の槇尾さんは、あまりにも女子力が高い(笑)
 
とあるゲームで、池田さんがかもめんたるの世界観を体験したいから、とペアの
相手に槙尾さんを指名すると、僕とじゃ体験できないと思うよ?なんて言う槙尾さん。
でも前回、他のメンバーに
「槙尾さんが俺らに演出の指示を出す時の口調や態度が、う大さんにそっくりだ」
と言われていたのを覚えてますよ~。
コンビは夫婦みたいに似るものなのかも。
 
溜口さんは楽しそうにイキイキと演じていました。
記憶喪失の青年も冒険気質な少年も、演技が細やかで丁寧。
ロングコント(スーパーC)では企画プレゼンに早々に落ちてしまったため、ほぼ
プレイヤーに徹することになったのですが、演技でぐいぐいと物語を進めて
いるのを見て、さすが役者さんだなあ、と。
 
私の席からは下手袖がよく見えたのですが、レストランコントで新妻さんから
女友達の役を与えられた溜口さんが、出るタイミングを伺いながら女の子の仕草や
表情の役作りを念入りにしていたのが気になって、ずーっと眺めてしまいましたよ。
不思議なもので、メイクもないのに本当に可愛い女の子に見えるの。
結局女の子役の出番はなくなってしまって、残念だったな。
 
このワラインプロ。客席から見ていると、演者さんのコントにおける
能力値レーダーチャートが背後に見えるようだったけれど、新妻さんは全項目が
ぶっちぎりで高いのではないかしら。
弱い項目があるとしたら、そこはきっと補うように和賀さんが高いのかもしれない。
トップリード・・・恐ろしい子。
(和賀さんがワラインプロに出るのも見たいなあ!)
 
特に、今回のワラインプロでハッとするほど素晴らしいと思った場面は、
新妻&高佐ペアで演じた「次何しましょうゲーム」。
バンド仲間という設定の二人は、最初に話の流れでバンドを解散する
ことになり、なんとなく部屋にあるドラムを片づけたんですよ。
そしてラストシーン。

高佐「じゃあ・・"次、何しましょう?”」
新妻「何します?(ニヤリ)」
高佐「えっ?」
新妻「まず・・・・・・ドラムを出しましょう!」

最初に戻った!うわ~トップリードのコントみたいな構成だ!
普通ならね、あの場面で出てくる台詞は「またバンドやりましょう」ですよ。
多分周りもそれをほぼ予想してましたよ。そこで最初に出てきた、
あの何気なく片付けたドラムを使うとか、もう・・もうっ!(ジタバタ)
ただの天才である。
 
エンディングで、名残惜しさのあまり「同じメンバーで続けていきたいな」と
いう声もあがりましたが、観客としては色々なコント師がワラインプロを
体験する姿も見たいですね。
ライブ後の感想も上々で、次回公演も7月に決定したとのこと。
コンスタントに続いて欲しいライブです。