大阪公演もまだあるので、読む方はご注意ください。
◆楽屋にて
スプリングボンボン開演直前の楽屋。
尾関が最近自分は個人の仕事で忙しいが、単独ライブを何より大切に思っていることを高佐に伝える。
相方の真摯な言葉に嬉しさを隠せない高佐。
尾「ちゃんと言っておきたいんだ。
一番大事なのは単独ライブ。次にコンビの仕事。
3番目に“カ
ー プ”」
高「ん?カープにだけエコーかかってない?心に響いちゃってない?」
広島カープ、キャラ弁と特技を生かした個人仕事が多い尾関さん。
心の中で本当に大事に思っている物の単語が口から出ると盛大にエコーがかかる。「お金」にいたっては何より大事なものだから、エコーがかかり過ぎて
マイクがハウる始末。
でも、台詞とわかっていても、単独ライブが何より大切と真剣な口調で
語ってくれるとファンは嬉しくなっちゃう。
2回目に観た時には、コントのラストに連呼される「高佐」にもエコーが
かかるようになっていた。
あら素敵。
◆OP映像
◆貴重な目撃者
都内で発生した連続殺人事件の捜査をしている刑事二人(尾関、高佐)。
手掛かりが何もなく焦る中,目撃者情報が届く。
しかも目撃者は美大生で、捜査に役立てて欲しいと犯人の似顔絵を作成してくれた。
頭が逆さまについた紳士、胎児の描かれた心象風景、抽象画・・・?
絵に胎児を描いちゃう美大生はだいたいやばいby尾関刑事
だんだん目撃者の絵に陶酔していく高佐さんの様子もやばい。コント内で使われた絵は誰が描いたのだろう。
幕間は恒例の生着替え。ブルー暗転の中で光る白いシャツが綺麗。
東京公演を2回観たらまさかの同じ席番(上手寄り)だったため、主に尾関さんの着替えを見つめていた。
上半身ムキムキだなあ。
相手にペットボトルの水を飲ませてもらうとむせたり鼻から出ない?と
心配になる。
時間つなぎで高佐さんがペットボトルを使ったパントマイムを披露した後で、
客席にうやうやしくお辞儀をするのも素敵だった。
◆バイトの交通手段
電話をかけながらゴミを捨てに来たピザ屋の店長(高佐)。
店が忙しいのにバイト(尾関)も遅刻でウンザリしている。
ゴミ捨て場から店に戻ろうとすると、突然辺りがざわめき暗闇に包まれる。
次の瞬間、誰もいなかったはずの場所にバイトが突然現れた。
「えーーっ!君、バイトにいつもワープで来ていたの?」
入口SF中身はあるある。
ワープなのに交通費を貰っていた、履歴書に書きにくい、すぐ行けるからと
ギリギリまで家にいるため遅刻しがちというワープあるあるが披露される。
ドラえもんでも、特殊な能力や道具を手に入れると意外としょうもない事に使っているもんね。
暗転のたびに次はどんなことが起こるのか期待が高まる。
アキラ100%のお盆は持ってきちゃだめだよ、遠い場所できっとおろおろしているよ。
◆多重人格合コン
今日は会社の取引で知り合った男女同士の合コンだ。
4対4のはずが、椅子に座っているのは男(尾関)と女(高佐)の2人だけ。
だって連れてきたのは『お互いの中にいる人格3人ずつ』だから。
多重人格の債務者が出てきたのは正しいピクニックのやり方かな?
今度は二人とも多重人格。尾関さんの中にはEXITっぽい人と宮下草薙の草薙さんがいるし、高佐さんの中には人数合わせで連れてきた男性の人格までいる。
王様ゲームで飲み物一気を引き当てた人格が全部尾関さんで、1回でベロベロ
になるのがおもしろい。
ラストはまさかのカップル成立で、この人とこの人がカップルになるんだ!
と一瞬意外に思ったものの、どの人格がくっついても本体は二人きりなんだよね。
◆厄払い
単独ライブ恒例のすべり一発ギャグ。
神社に厄払いにきた男(高佐)と神主(尾関)が、天照滑りの神様にギャグでご祈祷を捧げる。
今回も良い具合にお滑りになられている。
1度目に見た時は尾関さんのギャグがスタッフさんとの連携ミスで途中で
強制終了、2度目では袖で思いついたギャグを急にやったら途中で行き先を
見失い、叫びながら走り回っていた。
高佐さんのベストキットギャグが不発で崩れ落ちたのは1度目だったかな。
(内容が悪いわけじゃなく「カラテ」という単語が客席に届かなかったのですよ…)
2度目ではあまりの受けなさに納得がいかず、バッキバキになった高佐さんが
自ら志願して4回も挑戦。
◆アリバイ
連続殺人事件の現場近くで目撃されたため容疑者として警察に呼ばれた女(高佐)。
犯行現場は新宿、渋谷、下北沢。確かに彼女はどの日も現場近くにいた。
「この日も。この日も。この日もお笑いライブに行っていました」
「あんたなんでそんなにお笑いライブに行くんだ。ラリー○田か?」
高佐さんの女装が過去最高に田中美佐子だったのでは。
新宿、渋谷、下北沢と聞いた途端に私が「刑事さん、そいつお笑いファンですぜ…」とわかったのは、ロビンソンズの名作コント「お笑いライブ通いの娘」を
見ているからです。
よしもとメインであり若手からベテランまで幅広く、企画趣旨が面白いと
感じればどこのライブにも足を伸ばすタイプのお笑い好きとお見受けしました。
お笑いライブのアンケートをしっかりと書けば、殺人の容疑をかけられた時
にアリバイになる。
コントは我々に大事なことを教えてくれる。
ライブの内容や芸人さんの名前は大阪公演で変わるのかな?
東京では推しの芸人が金属バット。ライブは一発屋総選挙とK-PROのネタライブ。
一番最後は多分日替わりで
・「ギャグラリーというライブでギースの高佐さんが酷い目にあっていました」
「頑張れと伝えてくれ!」
・「エンディングでアルコ&ピースの平子さんが嘘の告知を長々としていました」
「よくあることだ。あれ迷惑なんだよ」◆夢は音楽と共に
本日で新聞配達の仕事を辞める老人(尾関)。
一緒に働いていたミュージシャン志望の青年(高佐)が、お世話になった
感謝の気持ちを込めて音楽をプレゼントしたいと言う。
予想と違い持ってきた楽器はハープ。彼はハーピストなのだ。
青年の弾く中島みゆき「糸」に感銘を受け、老人は紙切りとして舞台を
湧かせていた頃の情熱が蘇る。
Twitterにハープを貸してくれる人の募集をしていたので、何のコントで使う
のだろうと思っていたら、高佐さんが本気で弾いていた。
2~3週間の練習でちょっとしたSE(ファミマの入店音とか)、FFテーマ
曲の冒頭、中島みゆき「糸」をマスターしている。
もはや努力が面白い。高学歴、ピアノ、パントマイム、ダンス、漢字検定と
特技が渋滞をおこしている。
それにしてもピアノでショパンを弾く高佐さんが耽美さの最高峰だと思って
いたら、まだ上を行く楽器があったとは。
ハープを返却するともう見られないという意味で、今回のライブで一番
希少価値の高いネタかもしれない。
◆SLクラブ
全身黒レザーの女王様(尾関)が頭に煙突を乗せて座っている。
ここは秘密の”SL”クラブ。「変態しか乗車できない専用車輌だよ」
エクスタシー行き鈍行電車の切符を持ったエリート銀行マン(高佐)と女王様の、
めくるめく90分コースが始まる。
身長189cmある尾関さんが頭に煙突を乗せると見上げるような巨大さ。
おまけに「筋肉は裏切らない」状態のガタイの良さなので、女王様の迫力が
とてつもない。
なかなかの下ネタ設定でありながらいやらしくならないのが、ギースの
持つ品なのだろう。
シティボーイズのコントに通じるものがあり、今回一番お気に入りのネタ。
大きな舞台でもとても映えると思う。
高輪ゲートウェイな時事ネタでしっかり爆笑を取るところもかっこいい。
このコントも大阪バージョンがどうなるのか気になる。
おまえは武蔵野線だよ!と言われても全く通じないだろうし。
◆父の正体
かつて家庭を捨て家を出た男(尾関)の元に、妻が他界したという知らせが届く。
急いで駆けつけると、母の位牌を前にうなだれる息子(高佐)の姿があった。
今さら名乗る資格はないと自分を知りあいのおじさんと偽り紹介する。
どうやら妻は自分のことを違う人物の逸話とまぜて息子に伝えていたらしく…。
「子犬を助けるために新幹線を止めたんだよね」
「それはテリーマンだ」
「でも、SASUKEは完全制覇したでしょう?」
想像していたお父さんと全然違うけれど逢えて嬉しい。
どんな想像をしていたのかたっぷりと聞いた後なので、笑いながらも胸がほんわか温かくなる。
元ネタがプロレス、キン肉マン、石原軍団etcなので、客席の男女比で受け
具合がはっきり違いますね。
2018年のキングオブコント決勝進出を経て、新たなギースらしさとコント師
としての評価を確立しつつあるお二人。
絶対に面白いから観に行こう!と自信を持って誰でも誘うことのできるライブだった。としての評価を確立しつつあるお二人。
それはつまり私にとって「最高のライブ」という意味です。