2019年5月29日水曜日

ネタギリッシュNIGHT チャンピオン大会

下ネタの祭典 ネタギリッシュNIGHT。
そろそろチャンピオン大会ができるねという話が現実となり、今大会が開かれた。
しかも会場は1000人の豊洲ピット。

冒頭の映像で誰もが最初に笑うネタはう○ことち○こだというキリっとした VTRが
しっかり作られている。
本日の会場は録音録画写真撮影は NG だがシコるのはOKという異例の状態である。
客席を見渡せば女性客もなかなか多い。
どの程度の下ネタまでは笑い、どのくらいから先は引いてしまうのか。
 
見届け人としてキャスティングされているのは劇団ひとり、おぎやはぎ。
司会の松丸アナウンサー。そして四人の女性審査員。
今日どうしても観に来たかった中村マネージャーのバーターで手島優も入っている。

会場を温めるオープニングアクトとして呼ばれたのはインポッシブルだ。
先日のネタギリッシュNIGHT予選で素晴らしい活躍をした彼ら。
優勝するのではないかと思われたが、選ばれたのはプラスマイナスだった。
体いっぱい使った「巨大な女性のあそこと戦うコント」は、会場を抜群の温度に温める。
見届け人も「これぐらいでいいんだよ。最近の優勝ネタは練られすぎてる。
賞レースじゃないんだから」と笑う。
 
トップバッターはタイムマシーン3号の「どんな単語もエロくする」。
彼らの「どんな単語でも太らせる」の下ネタ版漫才だ。
とにかく多い手数、選び抜かれた単語、スピーディーで全く破綻がない。
やや単調になりがちかと思われた辺りで攻守交代して、今度は「あらゆる単語を
萎えさせる」と言う切り返しの山場をきっちり作っている。
美しい構図、見届け人も絶賛だ。
しかしあまりにも完璧すぎるその隙の無さを指摘。
これならばネタギリッシュではなくどこでもできると言う意見だったが・・・できないと思うよ?
 
続いてザ・ギース「SLクラブ」。先日の単独ライブで披露されたコントだ。
とは言え、単に単独ネタを転用したのではない。
単独の時から明らかに誰もが「あっ、これはネタギリッシュ用に作ったネタだな」と分かった。
つまりネタギリッシュ用に作ったネタを、単独ライブで磨きに磨いたのだ。
予想通り大きな舞台によく栄えるコント。尾関さんの頭の煙突から出る煙も今日は持続時間が長い。
ネタギリッシュ用に追加したり改良した部分も面白いようにハマり、客席のボルテージが
どんどん上がっていく。薄めの下ネタを濃くするべく高佐さんも大きめに喘いでいる。
コントが終了後は客席から万雷の拍手が起こる。見届け人が出てきても拍手が鳴り止まない。
「こんな事ってあるの?」「すごいよ鳴り止まないんだよ」「完璧」
「今まで見たギースのコントの中で一番面白い」と大絶賛。
女性審査員からも好評。
そのあまりの仕上がりに、ひな壇で待つ後半の芸人たちは「これキングオブコント
でも優勝すると思う」「もう帰りたいです」と戦々恐々とする。
 
「皆さん、ご安心ください。次の出演者はジョイマンです。」

楽しいジョイマン、愉快なジョイマン。本日も安定のナナナナ~。
異常に盛り上がった会場を適度に整え、シーンと冷えた会場ならば温める彼らこそ職人。
寄席ならば膝代わりに欲しいタイプ。ネタは「ラップで歴史上の人物覚えようよ」。

「それで僕、覚えられるようになるんですか?」
「きっとなる、ア○ル!」

薄々感づいていたが、もうみんな男性器くらいじゃぬるいぜ!とばかりに色んな
バージョンの女性器を言いたい放題だ。
関西弁バージョンにプラスマイナスが立ち上がって大喜びしている。
私も笑いつつ、あぁテレビ放送が遠のいていくな…と思った。
 
ジョイマンが整えた会場に現れたのはAMEMIYA。
これが今回の超絶怒涛の問題作「ニューハーフ風俗に行き着きました」。
映像で披露宴の仕事が多いので下ネタはどうだろうと言ってみたり、今日は二日酔い
で体調が悪いなんて言いながらも魂のこもったパフォーマンス。
微笑みの国タイでニューハーフ風俗にハマり、帰国してから理想のパラダイスを鶯谷に見つけた
AMEMIYAの、本人曰く限りなくリアルに近いフィクションに「なぜそこまで」
「これ言っちゃっていいのか」「ネタギリッシュに人生賭けなくても」と
会場のざわめきが止まらない。
彼、いや彼女に喜んでもらおうとバナナを買って練習までするという、ひとりの男が
新しい愛を見つけるストーリー。
己の生き様を歌に全てぶつけるような魂の叫びを聞き、会場はギースに勝るとも
劣らない熱狂に包まれた。
見届け人も「こんないい歌聞いたことがない」「俺はもう泣いている」「尾崎豊を初めて
聞いた時と同じ感覚だ」と口々に絶賛する。
しかし、これが「子作り始めました」のエピソード0だと聞き、女性陣が急にサッと
引いたのが面白かった。
確かに自分の彼氏や夫が実際にニューハーフ風俗にはまるのを考えると、複雑な心境だよね…。
 
後半の準備のため、下ネタ版滑らない話コーナーがあったのはここだったかな?
 
後半一組目はチョコレートプラネット。
ポテチを開ける業者のコンドームバージョン。隣の部屋に彼女を待たせているという設定で、
コント中に ちょいちょいとそちらに話が行くのがうまい。
バスローブ姿でイラついている彼女の姿が見えるようだ。
高額オプションも下ネタ仕様で、コンドームの袋を歯で破るシーンの練習のために
長田さんは楽屋で20個ぐらいコンドームを開けたらしい。
「パンストを破るサービスもやってるんですよ。最近怖いっていう人がいて」
「え~あれがいいのに」「時代っすかね」

次はプラスマイナスで「結婚の挨拶」。
今回の中ではかなり下ネタ成分が薄いかな?と感じていると、後半にかけて
畳みかけるようにエロくなっていく賞レースに強そうな漫才だ。
ネタの練習中に、こんな過激な単語を入れるのは自分達くらいだろうと話していたのに、
始まったらとんでもなかったちょっと反省する二人。
最後に舐める巨人師匠を入れたのは、舞台袖で急に決まったことらしい。
 
続いてマツモトクラブのコント「バイトの面接」。
これこそ(比較的)どこのライブでもできる し、実際いくつかのライブで見たことがある。
彼の持つ品と壮大なクラシック音楽の相乗効果で、見届け人からまるでシェイクス
ピア劇を見ているようだと賛辞が贈られる。
 
最後はさらば青春の光。彼らだけライブ被りがあったため、出番を一番最後にして
ここからのみの参戦だった。
ネタは名作「電マ」。健康器具であるはずの電気マッサージ器がAVに使われるよう
になり、怒る電機メーカーの社員とAV 監督による深いやりとり。
いつから我々はリビングでむき出しに電気マッサージ機を置くことができなくなったのか。
 
本音を言い過ぎちゃうアイドルtruth によるパフォーマーズの後、いよいよ審査結果の発表だ。

優勝はザ・ギース!
あまりの嬉しさに高佐さんが必死に涙をこらえて顔をしかめるが、堪え切れずに泣いてしまう。
こんなに褒められたことなんてない、今まで何の賞も貰って来なかった。
そう言いながら涙をこぼす彼にジーンとするASH&Dファン。
この前のコントメンもAWARDでも1組だけ何も貰えなかったからね・・・。
まさかコントメンの借りをネタギリッシュで返すとは。
「ギースやってて良かったな」と喜び合うコンビの姿を見て、会場のお客さんも貰い泣き状態になっている。

まるでアカデミー賞のような感動に包まれる会場の雰囲気とギースを見て、
おぎやはぎの二人は「そういうんじゃないから」「違うから、これそういう大会じゃないから」
と努めて冷静につっこむことを忘れない。
TENGA型の優勝トロフィーを手に持ち、オスカー像のようにキスをする尾関さん。
この喜びを誰に伝えたいですかと聞かれ、ものすごーく悩んだ後に「娘に・・・」。

ギースとAMEMIYAの一騎打ちだろうという予想通りの結果だった。
(女性審査員の間でも意見が分かれたらしい)
この2組だけクオリティが異常だった。
もちろん元ネタのままや変化球で勝負した他の芸人が手を抜いたわけでは決してない。
見届け人も繰り返し話していた通り、そもそも全力でネタを練り上げるライブじゃないんだよ。
しかし魂かけちゃった二組がいたおかげで、これだけ感動的なライブになった。
その内容がどれだけテレビで放送されるかは、下手袖でずっと爆笑しながら見ていた
佐久間プロデューサーにかかっている。