2014年1月9日木曜日

阿佐ヶ谷姉妹ライブ「はじめてのディナー」

2013年12月1日 新宿ミノトール
 
初単独ライブがディナーショー。
この設定だけで成功したも同然の、阿佐ヶ谷姉妹ライブに足を運びました。
 
新宿ミノトールは普段から食事を提供するライブハウスで、ジャズライブハウスに
近いアダルトな雰囲気の会場です。料金にお料理1品・ワンドリンクが含まれていて
サラダ・キッシュ・パスタなど、どの料理も結構ボリュームがありそう。
昼食が遅く、あまりお腹が減っていなかったため、私は2ドリンクに変更しました。
 
この日の年齢層がまたアダルティで、平均40歳以上・・・?
普段はお笑いライブで、若い女の子達の中で肩身の狭い思いをしているのに。
やだ、今日の私は若い人かもしれない!
それはともかく、開演まで時間が余ってしまいましたよ。
1時間もどうやって時間を潰そうか悩んでいたところ、相席となった女性が話しかけて
下さり、二人で阿佐ヶ谷姉妹と変ホ長調の素晴らしさについて熱く語っていたら
あっという間に時間が過ぎていきました。ありがとうございます。
 
客席からの温かい眼差しの中、ちょっと緊張しながら様々なネタを披露してくれ阿佐ヶ谷姉妹。
ディナーショーということで、歌が多かったのが嬉しかった。カラオケ対決番組で聞くエリコさんの歌声が美しく、彼女の歌だけが詰まったipodが欲しい!と叫ぶほどなのですが。
できれば点数だの音程正確度だの、余計なストレスのないシチュエーションで
心ゆくまでエリコさんの歌を堪能したいと思っていたので。
 
1 恋のフーガ(姉妹)
~阿佐ヶ谷姉妹コンサート~
2 あの鐘を鳴らすのはあなた(エリコ)
3 時には昔の話を
(ピアノ:ミホ 歌:エリコ)
~阿佐ヶ谷二人暮らし日記~
4 Woman~Wの悲劇(歌:ミホ)
5 星に願いを~幻想即興曲(ピアノ:ミホ)
6 くちばしにチェリー(エリコ)
7 恋人達のゴム脳(斉木しげるさん&姉妹)
~コント「わんこそばや」~
8 山寺の和尚さん(斉木しげるさん&姉妹)
9 やさしさに包まれたなら(姉妹) 

セットリストは阿佐ヶ谷姉妹ブログより。
 
エリコお姉さまの「時には昔の話を」に序盤から泣かされる。
一生懸命こらえたのに、目から涙がツーッと・・・。若く輝いていた青春時代を
懐かしく振り返る、加藤登紀子さんの名曲ですね。
 
“見えない明日を むやみに探して 誰もが希望を託した
揺れていた時代の 熱い風に吹かれて 体中で時を感じた そうだね”
 
“どこにいるのか今ではわからない 友達も幾人かいるけど
あの日のすべてが空しいものだと それは誰にも言えない
今でも同じように見果てぬ夢を描いて 走り続けているよね どこかで”
 
語りかけるように歌うエリコさんは、歌詞の女性のようだけれど、
阿佐ヶ谷姉妹は今、青春の只中にいる。そう思う。
体中で時を感じることも、走ることも、若者だけの特権ではない。
 
今後の人生を考えれば、いつだって「今」が一番若い。
あの時にああしておけば・・・と、過去を嘆くことはいくらでもできるけれど、
今の自分を信じて、何をするにも遅すぎるということはない、と念じて
未来に向かって走る人は何歳でもちゃんと輝くのだ。
 
そんなキラキラ輝くエリコさんは、EGO-WRAPPINのくちばしにチェリーも
ノリノリのセクシーさであった。目を閉じると、そこに中納良恵が!という
完成度で、彼女の艶やかな中低音によく似合う曲。
 
対するミホさんのWoman~Wの悲劇は、まるで月の光。
繊細で美しい消え入りそうな高音に、お客さんがじっと耳をすませていると
エリコさんから振り付けの指示が!みんなで大きく両手を振りながら、
唄うミホさんを見守る。エリコさんの声量が大きくパンチがあるため、
どうしてもネタ中に唄うと、ミホさんの声が聞き取りにくいことが多いけれど。
とーっても綺麗な歌声なのですよ。
 
そうそう、今回はミホさんの魅力を発見するライブでもあったのです。
実は音楽系の短大を出ているミホさん。初披露の「毒舌ピアノ演奏ネタ」が
面白かった。ピアノを弾きながら文句を言うのだけれど、毒づく相手が
楽屋のお弁当とか地元のお店屋さんとか。日常の範囲内なの。わはは!
おっかしいな~。
 
大好きな「阿佐ヶ谷二人暮らし日記」は今回も秀逸。
おもしろくて、切なくて、しみじみと良いネタですよね。
今回は夜中、静かに白髪染めをするシーンがあって、そのチョイスに
思わず唸りました。
若い女性には決してわからないであろう、白髪染めという言葉の持つ切なさよ。
 
今の時代、年齢を重ねても若さを保つ方法はいくらでもあるのです。
身体を鍛えて、美容とメイクにお金をかけて、流行の話題をチェックする。
そこまで若さに執着しなくても、昔より独身女性もずっと生活しやすいし
正直、自分自身も「なんだか私、年をとった気がしない。中身はまだ20代
くらいの感覚なんだけどな~」と、おこがましくも思ったりする。
 
でもね、白髪が生えてくるのは努力じゃ止められないの。
たまに見つけたら抜くレベルを超えて、定期的に白髪染めをしようと決意した時の、
あの軽い絶望感。自分はもう若くはないのだ、という事実を突きつけられる。
それが白髪染め・・・!
 
二人暮らし日記、定期的に見たいな。お二人のキャラクターありきなので
営業や、ゲストで呼ばれるライブではやりにくいネタだと思うけれど。
動画で配信とかしてくれないかしら。音声だけでもいい気がする。
着替えでステージ上に誰もいない時、「ねえ、ミホさん」「なあに?お姉さん」
と二人の会話が音だけ流れていて、その掛け合いがとても楽しいので。
 
最後にゲストの斉木さん。
相変わらず恰幅がよろしく、ダンディで、いつの間にやら襟足の長いヘアスタイル
に変わり、持ち歌「恋人達のゴム脳」を唄ってくれました。
CD持ってるわー。あの青いサントラ。おしゃれな曲揃いでBGMにぴったり
なのだけれど、いきなりしげるの歌がテロにみたいに始まるCD。
あと、山寺の和尚さんで「ポン!と蹴りゃ~」の足の上がり方に、今年も
舞台は大丈夫だ!という確信を持ちました。