2017年12月22日金曜日

ラブレターズ 渋谷ライブシリーズ

今年の4月から続いていたラブレターズのライブシリーズが、
12月の単独ライブで幕を閉じた。

・60分ライブ
・トークライブ
・ミュージシャンと対バン
・お寺でライブ
・溜口スーパーディナーショー
・学生のお笑いサークルと対決
 
私はお寺ライブと学生対決以外は通ったのかな。
正式にはここに入らないけれど、秋にバッファロー吾郎Aさんと
せきしろさんが次々に企画したライブに、溜口さんと塚本さんが
それぞれ参加していたのも、感覚的にはシリーズの一環に思える。

元々能力の高いコンビである二人が、経験値を得て
成長をしていく姿が眩しく、
未経験のジャンルに飛び込む、そのドキドキする
気持ちを一緒に体験させてもらえたのがとても幸せだった。
私はチケット代を払って客席に座っているだけなのに、こんなに
楽しませてもらっていいのかしらと戸惑うくらい。

大ラスの単独ライブ「SWEET da PARTY」はまさにパーティー!
溜口スーパーディナーショーで着ていた白タキシードに
今日は二人で身を包み、歌いながら登場するその歌詞には、
対バンライブで共演したバンドの名前が折り込まれる。

越後製菓、王理恵のそばなどファンにはピンとくる
せきしろさん脚本のコントも、いつものラブレターズとはまるで違って面白い。
(しかし抜群の演技があるので、コントとしての違和感はあまりない)

ラブレらしさ100%のオープニングコント。
当たり前のように受け入れているコントのシチュエーションを解体する「コンビニ」。
ハートウォーミングな「どんぐり」など。

私は富良野で暮らすおじさんの諦観と、ラジオのサテライトスタジオの側で
自分の声が届かないDJに話し続けるおじさんの
無自覚な寂しさが心に触れた。
やさしい視線を持ちながら、単純な「いい話」に落としこまない
そのバランス感覚が素晴らしい。

最後の2.5次元インタラクティブミュージカル(ライブビューイング)は
観客参加型で、パーティーのラストにピッタリのコント。
私も恥をかき捨てて「大丈夫だよー!痛くないよー!」と叫んできた。
本職とまではいかなくても、一定レベルの歌唱力と演技力、そして
恥ずかしがらずにやりきる強いハートがなければできないこのコント。
まさにラブレターズにぴったり。

小柄でポップなラブレターズなので、いつまでも掛け出し若手のイメージがあり、
単独ライブに行くたびにその達者さに新鮮に驚いてしまう。
300席を超える会場に全く負けない存在感と華を持つだけでなく、どうやら
風格さえ漂い始めた。
来年は私達をどこへ連れて行ってくれるのだろう。

2017年10月12日木曜日

溜口スーパーディナーショー

溜口さんの初ソロライブということでチケットは完売御礼。

2017年6月7日水曜日

すいているのに相席5

「今」
東進ハイスクールで講義中の林先生(尾関)の元に
タイムマシーンに乗って未来から自分(高佐)がやってきた。
タイムスリップ。とは言っても、未来が変わってしまうことは避けたいので、
数分後の未来からやってきたらしい。
「僕が来たのは?」「未来でしょ!」

珍しく黒髪の高佐さん。
同一人物という設定なので、尾関さんに寄せたのかな。
細かいSF設定があるということで、やはり脚本担当は上田さんだった。

「同窓会~未来へ~」
小学校の同窓会で集まった五人の男女。
ヒロッチ(佐藤)、ノッポ(尾関)、ハカセ(高佐)、ぷーやん(野田)、チコ(本間)。
彼らは教育実習にやってきたあいる先生(山脇)の思い出を語り合う。
元気でかわいい人気者だった彼女は、みんなから親しみを込めて”アヒルちゃん”と呼ばれていた。
ところが、この日に現れたアヒルちゃん(バ吾A)は、当時とは似ても
似つかない姿になっていた。
果たして彼女はアヒルちゃん本人なのだろうか?

相席反省会のAさんによると、アヒルちゃんの着ているB&Bシャツから
生まれたコントらしい。
最後に出てきた骨格標本は、以前どこまでも転がるごきげんようサイコロのコントで
出てきたものだった。
確かその時の相席でも「あれは高かったから、今度別のコントに使わなくちゃ」と
せきしろさんが言っていた気がする。
意外と物ありきでコントは作られるのかもしれない。

 
「離婚届」
黄昏時のマンションの1室で、疲れた顔をした女(山脇)が荷物をまとめて出て
行こうとしたところに男(尾関)と鉢合わせ、とげとげしい会話を交わす。
どうやら彼らは離婚を決意した夫婦らしい。
部屋に置いておいたはずの離婚届が見つからない。
その理由は・・・山羊。
山羊に離婚届を食べられてしまったなら仕方が無い。
「なあ、俺達もう一度やり直せないか?」

尾関&山脇コンビだし、この夫婦は「恵方巻き」の夫婦なのだろう。
ベランダで恵方に向かって恵方巻きを食べていたら、妻の浮気現場を
目撃してしまったあの夫婦がついに離婚。
・・・のはずが山羊に救われる。
部屋に山羊て。

「風に吹かれて」
金閣(野田)と銀閣(バ吾A)が、名前を呼ばれて返事をすると
吸い込まれる瓢箪を片手に獲物を探している。
そこに現れた1人の男(尾関)。サングラスをかけ、ギターを抱えて飄々と歩く
彼こそ、伝説のミュージシャン ボブ・ディランだ。
金閣と銀閣に名前を呼ばれ続けるも、沈黙を守るボブ。
彼はたった一言を残し、風に吹かれて去って行った。
行けたら行くよ、と。

カーテンコールで「まさか自分がボブ・ディランになれるなんてすごく嬉しい」と
喜んでいた尾関さん。
一度最前列に座って見上げたら、サングラス姿も似合うし、あの長身なので
とてもかっこよかった。

「今日から勝俣を見る目が変わる話」
人助けや善意のために、勝俣(高佐)のズボンが見る見るうちに短くなっていく話。
勝俣は現代の幸福な王子だったのだ。

このタイトルが出てから始まるのだから、考えてみたらとんでもない。
基本的に繰り返しで、しかも最初のひとくだりでオチというか、仕掛けは観客に
わかってしまう。
タイトルでバラし、オチも早速バラし、それでもウケ続けるコント。
本間さんが演じたチャラい男の台詞
「おっ、椅子がある。あそこでイチャイチャしようぜ!」
が、共演者にも観客にも大人気だった(私も大好き)。

「猫と話す」
不思議な服装のおばさん(野田)が、抱き上げた猫に延々と話しかけている。
それをじっと見つめていた男(バ吾A)がひらめき、立ちあがって叫んだ。
「わかった、喋っている本体は猫ではなくおばさんだ!」
見事正解した男はおばさんからレイを受取り、
アメリカ横断ウルトラクイズ次のチェックポイントへと力強く進むのであった。

ウルトラクイズでおなじみのSEが流れた途端にやられた!と思ったコント。
男の隣に置かれたスーツケース、おばさんが首からかけているレイ。
ヒントは散りばめられていたのに。

野田さんが「今までは顔芸やでかい声で無理やり笑いをとっていたけれど、
今回初めて小声で話すだけで客席がドカーン!と笑う体験をした!
練られている脚本てすごい!」と大興奮だった。
その一方、野田さんが台詞を派手に飛ばしたり間違えたりするので、
皆は舞台袖で上手くいきますようにと祈っていたらしい。

内容はチケット取りあるあるなので、中盤まではお笑いファンに大受けで、
後半はアイドルチケットあるあるになるので、私も含めて「?」となっている人多し。
脚本はもちろんアイドル好きのせきしろさん。

「イソップ物語」
スクールウォーズミュージカル。
アイアシアタートーキョーで絶賛上演中!

思い出しながら書こうとしたら、ほとんどあらすじがなかった。
せきしろさんは反省会で「このコントは歌い出すまでは何でもいい」
と言っていた意味がよくわかる。
スクールウォーズ世代がどれだけいるかなんて気にせず、長々と高佐さんに
イソップのものまねをさせる相席が好きだ。

「野田 vs. 尾関」
おなじみの映像によるハーフタイムショー。
今回は野田と尾関が日替わりのお題で対決をする。

「マツケンサンバ」
舞台上で振付家の真島(高佐)と松平健(バ吾A)が、マツケンサンバの
リハーサルを行っている。
振付の確認中、松平健が突然保険証がないと騒ぎ出した。
リハーサルが終わったらすぐに歯医者へ行くために、着物の帯に挟んでおいた
保険証がなくなっているのだ。
周りを巻き込んで大騒ぎをした結果、保険証は楽屋に置いてあるパーカーの
フードの中から見つかる。
暴れん坊将軍ならぬ、あわてん坊将軍な健さんであった。

今回の思い出について聞かれるたびに、このコントについて熱く語っていたのは尾関さん。
とにかくラストの「全員でオレ!→照明落ちる→客席からの拍手」の流れが
快感だったそうな。
あれは観ていても気持ちのいい瞬間だった。

そして、実はこのコントは登場人物・台詞・動き・流れに一つの無駄もない、
完璧な構成なのだと教えてくれた。
反省会で映像を見直すと、健さんが最初からちゃんと保険証を確認しながら
ダンスをしているのがわかる。
マジー役の高佐さんの動きも美しい。
本間さんの演じた初老の照明さんもいい。演じる役の幅が広い!

ちなみに今回の相席で、真っ先に出来たコントがマツケンサンバ
だったとのこと。上田さんはいつもせきしろさん、Aさんから届く脚本を
読んで自分の作品を考えるのに、届いたのが
「松平健が保険証をなくし、踊り、そして見つかる」
という内容だったので、この後に一体俺は何を書けばいいんだろう?と
頭を抱えたそうな。

「ひょっとこ」
ステージ中央でひたすら踊るひょっとこ仮面の男(野田)。
「私を先頭に10kmの渋滞です!」

野田さんのハートの強さを堪能するコント。

「メモ。川合俊一は警戒心が強い」
海辺でスイカ割りをしている二人の男。
目隠しをした男(尾関)を誘導する友人(佐藤)は
いたずら心から、凝った説明で左右を示す。
「じゃあ、川合俊一の分け目の方!」
川合俊一の分け目。それは自分が川合俊一の場合だろうか、
それとも自分から見た川合俊一の場合だろうか?

アフタートークで上田さんが、この憑依方法の革新さについて述べていました。
誰かの人格が入ってしまうという話を書く場合、例えば気絶させるとか
怪しい薬を飲むとか、きっかけの方法は色々あるけれど
「俺から見た川合俊一なのか?俺が川合俊一の場合なのか?
・・・俺か?俺は川合俊一なのか・・・?」と
対象の事を考えすぎて別人格になる、というパターンは初めてみたとのこと。

「素敵な紙芝居」
パチンコで金をすった男(本間)がイラつきながら公園で待っている。
待ち合わせに現れた男の恋人は、内面の優しさが外見にも
滲み出るような、男とは正反対の素朴な女(山脇)だった。

公園では老人(野田)が、不思議な紙芝居を語りだした。
女には紙芝居に描かれた素晴らしい絵が見える。
自らを犠牲にして工場を救った男(佐藤)にも。
しかし、女の恋人の目にはただの白紙にしか見えないのだった。

しゃぶしゃぶを食べる時に、ごまだれを使う人だけが見ることができる
不思議な紙芝居。
アフタートークで客席アンケートを取り、想像以上にごまだれ派がいたので
Aさんが衝撃を受けていた。
反省会で、突然出てくるストーリーテラー(高佐さん)はごまだれ派なのか
ポン酢派かとなのかと聞かれ
「あの人はベジタリアンです」。

「グルメの言霊」
本日も彦麻呂(バ吾A)のグルメレポートは絶好調。
それを笑いながら見るディレクター(尾関)の横で、AD(本間)が怪訝な顔を
している。
彼は彦麻呂が最近料理の味ではなく、自分の口の中の状態をレポートしている
ことに気づいていた。

終盤のAさんの不穏な演技。大迫力。
口内レポートは背筋がぞわぞわしてくる気持ち悪さだった。

「フェス」
夏フェスを楽しんだカップル(高佐&山脇)が、風にのって聞こえてくる星野源の
歌声を背に、出口に向かっていた。
バスの時間があるから、もう帰らなくちゃいけない。
でも、二人の時間をもう少し長く楽しみたい。
あと少しだけ。

相席には珍しいピュアな恋愛もの。
このフェス、ソード(剣)ステージ、トラディション(伝統)ステージといちいち
分け方がおかしい。
星野源はメインステージのトリなのだろうか?
フェス会場では和泉元彌が乗っていることになっていたヘリコプター。
今回の相席では他のコントでもヘリコプターの音がちょくちょく聞こえている。
ファンの間で、実は全てのコントは同じ夏の日なのではないか説が囁かれている。

「クララが立つのを横から見るか?下から見るか?」
クララが立つところが見ることができるらしい。
そんな噂を聞き、僕(佐藤)とゆうすけ(野田)は
小学校の夏休みを利用して、小さな冒険に出かけた。
自転車を漕いで、漕いで、やっと到着した古びたテーマパーク。
「クララ スタンダップショー」と書かれた看板の横に座っているのは、
クララの雑なコスプレをしたおじさん(バ吾A)だった。

まさかあのおじさん?
不安に思いながらも、ショー開始の時間を待つ。
なにしろ親友と一緒だから、話したい事はいくらでもあって、長い待ち時間など
苦にならないのだ。
家からもってきたお菓子を年寄りくさいとからかう僕。
少しムッとしながら、お菓子をわけてくれるゆうすけ。

突然の雨によりショーは中止になり、がっかりとしながら僕たちは家路につく。
ゆうすけとはいつでも会える、また行けばいい。
そう思っていたのに、夏休みが終わると先生からゆうすけの転校を告げられる...

最後は少年たちの切ない夏物語。
オチの佐藤さんが衝撃的で、座っているだけで受けるから
佐藤さんが「クララシステム」と名付ける。
(楽日があまり受けなかったのは、多分リピーターが多いからではないかと・・・)
クララ(仮)の幼馴染役だった本間さんは、マッチョいじりを
工夫して、日を追うごとに笑い声が大きくなったのを喜んでいた。

 

2017年4月19日水曜日

シティボーイズ報告官S(前篇)

順番が前後してしまったが、シティボーイズ報告官Sの前半レポート。
今回の目玉である「シティボーイズ公演を演出家ごとに振り返る」

とはいえ、過去を振り返るのが嫌いな斉木さん。
WOWOWから発売前のDVDが送られてくるも、封を開けずに
並べたままで、いつの間にか人にあげたり貸したりでなくなってしまう。
自分の芝居があまり好きではないから、という理由もあるらしい。

スタッフの選んだその演出家の代表コントを、1本まるまる全員で
鑑賞してから語ると言う流れで、直近から過去に遡ってゆく。


演出家1:前田司郎 モナリザ(燃えるゴミ)

シティボーイズライブの準備は数ヵ月前から始まる。
最初は雑談を繰り返し、コントが出来てくると少しずつ稽古をするというシステムらしい。
しかし前田さんは、そろそろ本番前1ヶ月前という時期に
なっても一行も書いてこない。
そしてある日、突然どーんと台本を1冊書き上げてきた。
ずっと3人の無駄話を観察し、クセや喋り方などを掴んでいた。
「前田君のホンは字だけで読んでも面白くない。でも芝居にすると面白いんだよ」

 
演出家2:宮沢章夫 喫茶店(西瓜割りの棒、あなた達に、桜の下ではじめる準備を)

シティボーイズライブのコントはいつも新作だが、このコントだけ
ラジカルガジベリビンバシステム時代の再演だった。実に30年ぶり。
しかし当時と再演では、観客の受け方がいまひとつ違う。
あの頃は素直にみんな大爆笑する、小気味良い作品だった。
今回はお客さんが引きながらも笑う、という感じ。

30年前は「差別に対する逆差別」を出して、それが素直に笑いになっていた。
しかし今は「“差別に対する逆差別”は無意識にやってしまうことだから
よくないよね」という認識が、当たり前になっているのかもしれない。
それは良い意味で当たり前なのか、むしろ当たり前すぎで逆に鈍感になって
しまっていないだろうか。

今回のゲスト、首都東京大学の准教授 渡邉さんによると
シティボーイズのビデオを学生に見せると、まず戸惑う。
そして、笑う学生が出てくると「あっ、笑っていいんだ」と安心して他の子たちも
笑いはじめる。
だから、もしこのコントを授業で見せたら、最初から最後まで全く
笑いがおきない可能性もありますね、と語っていた。

こういうものを笑ってはいけません、という教育が染みている子供たち。
そこを乗り越えても笑えるんだ!というところまで持って行くのは難しい。
当時と今では単純にスピードが違うので、テンポで笑わせることが
できない点も大きい、と斉木さん。
「みんな歳とったよね」


演出家3:天久聖一 異常な記憶力の村(動かない蟻)

天久さんのコントは全体的にネガティブだった。結末も暗いものが多い。
暗いばかりだとあまりにも・・・ということで、みんなで意見を出しつつ
変えたのがこのコント。
しかし、昔の事ばかり異常に覚えているのはあるあるだよね、という話題で
盛り上がる。

 
演出家4:細川徹 原発推進キャンペーン(マンドラゴラの降る沼)

震災の後にネットで話題になったこのコント。
動画サイトのコメント欄を見たら「不謹慎だ」と書かれていた。
こちらの方が5年くらい前なのに・・・。
細川さんは斉木さんのキャラがたつコントを作るのが上手い。

 
演出家5:坪田塁 3人の兵士(ラ・ハッスル・きのこショー)

このコントはベタだけれど稽古が大変だった。
台詞に脈略がないのでとても覚えづらい。
きたろうさんが叫びすぎて、声がガラガラになる。


演出家6:三木聡 五人姉妹の物語(愚者の代弁者、うっかり東へ)

とにかく脚本の素晴らしさに感嘆する。今見てもまったく古びていない。
このコントでは、とりわけ有志さんの東京物語ぶりが素晴らしい。
あとは、どの演出家に怒られたかという話だったかな。
宮沢さん、三木さんにはよく怒られた。
アドリブは基本的に禁止。稽古場で試してOKが出たアドリブのみ
許される(それはアドリブなのだろうか?)

2017年4月7日金曜日

港で酒をもらう番組

毎週楽しみにチェックしている「博多華丸のもらい酒みなと旅」。
そういえばDVDが出ていたなと思い、ちょうど楽天ポイントも貯まって
いたので購入してみた。
今回の特典は須黒アナと相棒である博多大吉さんの副音声。
さっそく聴いてみると・・・いや~大吉先生が真っ黒ですな!
止まらない番組&よしもとへの愚痴。

そうそう、この番組がよしもと制作であることもDVDを買って初めて知った。
再生するとよしもとのタイトルが出る。
(アメトーーク!もDVDで観ると、やはり同じく「あっ、よしもとか!」と驚く)
ということで、番組を通して事務所に色々とクレームが出るわけで。

大吉さんのトークから察するに、あの「華丸、泥酔で生放送事件」が、
華大の冠番組だった「知りたいサタデー」が終了する原因の一つだったのだろうか。
だとしたら、激怒するのも無理はない。
そんな状態になるまで相方に飲ませたのは番組=事務所で、
身内に裏切られたようなものだろう。

その怒りから「もし自分がゲストで出たら、記憶が飛ぶほど飲んで
ベロベロになってやる!」と決意していた大吉先生。
その宣言通り、飲みに飲んでの大暴走。
タカアンドトシのトシがマジギレするほどに(笑)

「華丸さんに会いたい」と連呼したり、ネットで相方愛が凄いと盛り上がっていた部分に関しては、
「会えばもうこの収録が終わらせることができるから~」
「照れたわけではなくて面白すぎて赤くなって~」
と、一生懸命弁明をしていた。かわいい。
きっと半分事実で、半分照れ隠しなのだろう。
須黒アナに相方がボケているときは目を見てあげてね、と
アドバイスをしたり、好きな食べ物をバッチリ把握していたりと
なんだかんだでやはり仲の良い華大さんだった。

今は第2シーズンに入り、いつの間にか港要素が消えてしまった。
あのまま続いたら肝臓がやられてしまいそうなので、これは
これでいいんじゃないかと。
その代わり、第1シーズンではどうにか食に絡んで出演していた
よしもと芸人が、もう堂々といきなり登場する。
普段は大宮と幕張を中心に頑張っています!的なメンバーが、しかも増えてやってくる。
酒が減り、お笑いが増えた(笑)

バイプレイヤーズ関連で松重豊さん&光石研さんと飲んで
博多弁トークをした回もとりわけ面白く、今後色々な人と飲みながら
本音を語る番組として続いて欲しい。

2017年3月17日金曜日

シティボーイズ報告官S(後編)

SはしげるのS!

シティボーイズに課金したくて堪らないのに、公式が全く燃料を投下してくれない。
そのため有志のファン主導でイベントが定期的に企画され、
スペシャル版が今回カルチャーカルチャーで開催された。

斉木さんをお招きして、シティボーイズライブの歴史を
演出家ごとにわけ、関連したトークを聴くというマニアックな内容である。
会場にはヒグラシのSEを聞いた瞬間に「五人姉妹の物語だ・・・」と
ザワつくようなマニアが集っているので、補足がなくとも全く問題はない。
もちろんASH&Dに許可はとっているが、基本的にノータッチ。

お喋りしたくてたまらない斉木さんをMCの方が上手に捌きつつ、
演出家やコントに関する裏話をしてくれたのが前半。
前半部分もめちゃくちゃ面白かったのだが、今回特に興味深かった
後半部分を記しておきたい。

後半はイベント主催&MCで、地図関係のお仕事をされている
小林政能さんによる独自の考察プレゼンからスタート。
取り上げたコントは「丈夫な足場」の「もしかして、あなただけかもしれません」。
当然だと思っていた世間の常識が多数決によって否定され、
自分の中の正解と不正解、常識と非常識が揺らいでゆく。
それでいて内容はあくまでもバカバカしくスピーディーという
全お笑いファンに見て欲しい傑作コントだが、それはひとまず置いておいて。

小林さんが注目したのは、このコントだけが丈夫な足場の中で
浮いている点について。

フランスにある日本の会社
ムヒを貰った話
暗闇坂のオルガン教室
森村さん
白い廊下の出来事
アヤムラのおばさんチャーシュー泥棒を捕まえる
森村さんの夢
布団祭り vs 岩祭り
兄弟たちと森村さん
もしかして、あなただけかもしれません
7月7日の蒸発者達

丈夫な足場は各コントに巧妙な伏線が張りめぐらされ、
ストーリーが進むにつれ繋がりがだんだん判明してくる、伏線回収型の
お手本のように美しい造りのライブとなっている。
それなのに「もしかして、あなただけかもしれません」だけ、他のコントとの
繋がりが全く描かれていないのだ。
なぜだろう?

このコントの中には「小説歩き」というものが出てくる。
小説のト書き部分のように、目に見える風景を口に出して説明しながら歩く
奇妙な歩き方のこと。落語を知っている人ならば、黄金餅の道中づけのような
ものと言えばわかりやすいかもしれない。
この小説歩きには実際の地名が使われている。
そこで、小林さんは使われている地名、道順を台詞の通りグーグルアースに
落としこんで辿ってみた。

麻布長坂、豆源の本店etc。
すると辿っていく先にひとつの坂道が現れる。グーグルアースでズームすると
そこの書かれていた坂の名前は「暗闇坂」。

そう、丈夫な足場の中のコント「暗闇坂のオルガン教室」の暗闇坂なのだ!
彼らはこのコントの中で、オルガン教室のある暗闇坂を通っていた、もしくは
オルガン教室に向かう途中だったのではないか、という結論だった。

これが判明した瞬間、会場中からどよめきと感嘆があがる。
そしてこの考察を聞いた途端、斉木さんから
「今のと似たような話を稽古場で聞いた気がする。確か三木くんと、
なんで暗闇坂なの?という話をしたよ」という証言が!
言われてみれば「暗闇坂のオルガン教室」のコント内に、暗闇坂という
単語は出てこない。モモンガも出ない。
しかし、暗闇坂である必要があったのだ。

「これを発表しておおーっ!と言ってもらえる場所はここだけです(笑)」と小林さん。

二人目の発表は今回のゲストである首都大学東京 准教授の渡邉英徳さん。
専門分野は情報デザイン・芸術工学・webアートなど。
御自身の手がけているプロジェクトの説明として1つ紹介してくれたのは、
広島原爆の実相を世界に伝える多元的アーカイブ「ヒロシマ・アーカイブ」。

「ヒロシマ・アーカイブ」

こんなに堅い研究をしている方とシティボーイズにどういった関係が?と
思いながら聞いていると、なんと大学の講義にシティボーイズライブを
取り入れているらしい。
「丈夫な足場」を鑑賞しながら「伏線」「要素どうしの想定外のつながり」を
見出してツイートせよというのが講義の内容で、学生のツイートは渡邉さんが
togetterにまとめて公開している。

デザインマネジメント概論(5/8)
「シティボーイズ「丈夫な足場」から伏線と想定外な繋がりを見いだす」
 https://togetter.com/li/300764

これをふまえて学生に課題を出している、とのことだったのだが、その課題が
どういうものか忘れてしてしまい・・・。
キーワードを2つ選んでストーリーを作る?いや、違うな。申し訳ない。

この「伏線と繋がりを見いだす」という授業において、丈夫な足場がいかに
優れたテキストかを語ってくれた。
他の作品も色々授業で試してみたが、丈夫な足場ほど上手くいかない。
それは、学生から返ってくる課題レポートの質に如実にあらわれる。

学生達には瞬間的な笑いだけを面白いと感じて欲しくない。
もちろんそういう面白さもある。しかし、デザインとアートを学ぶのであれば
様々な角度から見て、繋がりを感じて、見終わった後に全てを総合して
「ああ、いい作品だ」と思われるような、そんな作品を作る感性を育てて欲しい。

出演者である斉木さんに「丈夫な足場」を使わせて頂いている御礼を
直接伝える絶好のチャンスということで、広島出張の予定を急遽
キャンセルして今回のイベントに参加したとのこと。

 シャーロック・ホームズファンが原作を「聖典」と呼び、考察したり
パロディ(パスティーシュ)を作ったりと隅から隅まで味わうように、
ファンならではの楽しみ方というものがある。
今回はシティボーイズ「丈夫な足場」という最高の素材をもとに
謎を解いてゆく楽しさ、学問とリンクさせる驚くべき使い方を
紹介してくれた。

公式ももっと動いてくれてもいいんだよ・・・と、と文句の一つも
言いたくなったところで大ニュース。
今年の6/12,13.14の3日間、シティボーイズのイベントをよみうりホールで
開催するらしい。
今のところわかっているのは、三木聡脚本の新作コントが1本あるということ。
(演出は別の人)
それだけでもう大興奮のカルチャーカルチャー。だってマニアしかいないから。

しかしたった3公演とは。これはチケット争奪戦だろうなあ。
WOWOWさん、収録お願いします!

2017年3月4日土曜日

ラバーガール大喜利

ライブの冒頭で二人が
「僕らは今までフワッと大喜利をやってきたし、終わっても
特に反省をするとか苦手な部分をなくすような努力を
全然してこなかった」語っていたのが本当だとしたら、
ラバーガールは天才が過ぎる。
そんな天才が大喜利の努力をしようとする恐ろしいライブ。

しかも、ただむやみやたらに問題をこなすのではなく
「前の人の回答としりとりにしてみたら、自分でも意外な答えが
思い浮かぶかもしれない」とか「D関で回答中の解説席トークから
話題を拾って答えを作るとハマるのではないか」など、新しい視点をもったコーナーを作る。

新ネタ会議といい、ラバーガールは今まであるものに一味加えたり切り口を変えたりして、
客席にいる私たちを楽しませてくれる。
しかも突飛なものではなく、実に観客に近い視点で。
 
今回は特に自分の苦手なタイプの大喜利をみんなで練習してみようというコーナーが面白かった。
普段大喜利をみながら自分で答えを考えると言う事はしていないので、
苦手なタイプとは?と不思議に思う。

ラバーガール飛永「ランキングに関するお題」
→○位という数字に意味をもたせるのか、どこに重点をおけばいいのかわからない

ラバーガール大水「腹が立つ系のお題」
→あまり喜怒哀楽の感情がないから腹が立つことにピンとこない


 ザ・ギース高佐「チャラいことに関するお題」
→自分にチャラい要素がまるでないので、チャラさを表現する用語等が出てこない

ポテンシャル聡「言い換えるお題」
→正解があるのに、なんでわざわざ言い換えるんだよ!と思ってしまう



ラブレターズ溜口「写真で一言」
→そのままにしか見えない。他に何も浮かばない


言い換えるお題と言うのは例えば
「猿も木から落ちる、みたいなことを言って下さい」
なるほど、そんなお題あるね。
他の人の答えを参考にしながら、苦手科目を克服していく皆さん。

今後ダイナマイト関西に今日のメンバーが出たら、この日のライブを
思い出しながら見ることになるだろうなと思う。

2017年2月23日木曜日

イキウメ「カタルシツ演芸会 生きてる時間」

イキウメ&柳家三三のコラボ。
演劇&落語は今までもちょこちょこと見てきたけれど、
今回の作品はその中でもかなり幸せな融合に思えた。

遺伝子学や医療の発達により個人の寿命が測定可能となった近未来の話。
全ての個人情報を国に提出する代わりに税金が無料となる
実験的なモデル地区は、ひそかに寿命の売買が行われていた。

寿命を金銭で売買する近未来の話と聞くと、おおっなんか
イキウメらしいSFなストーリーだなあと思うけれど、
落語側から考えたら、これ思いっきり「死神」なのだ。
他人の寿命を自分に移す。

舞台の途中に三三さんの落語(着物姿で座布団に座る普通の高座スタイル)が入る。
語られる新作落語が、演劇の話の補足や裏設定になる。
その見事な補完ぶり。

また、この新作落語が素晴らしい完成度で、多分ここだけを
抜き出してつなげれば長編新作落語の名作になりそうなので
三三さんが貰い受けてどこかの落語会でかけてくれないかな。

2017年2月15日水曜日

ASH&REPORT

ASH&D若手芸人のトークライブ第6回目。
今回は大阪で「べっぴんさん」収録中の夙川アトムさんも
オープニングからフル参加で喜ばしい。

ASH&D所属タレントからスタッフまで含めて総勢21名が
全員参加をした新年会の話題から。
今回の事件は、普段あまりお酒を飲まない尾関さんが
最初から泥酔状態だったこと。
部屋の鴨居に頭をゴン。
2次会では完全に寝落ちしているのに、無意識のまま
口にポップコーンを運んではこぼすという、
無間地獄ポップコーンの動画を撮られている。

2次会は大竹マネージャー仕切りによる、紅白2組に分かれての歌合戦。
両組の大将が一人ずつメンバーを選び、カラオケで出る得点の合計を競う。

今年はきたろうチーム vs 大竹まことチーム。
最高得点は阿佐ヶ谷姉妹美穂さんの「瀬戸の花嫁」で、最低得点は斉木さん「昴」。
泥酔してまるで記憶がないまま歌った尾関さんの「いい日旅立ち」より低い。
シティボーイズの中では一番唄が上手いとされている斉木さんだが
“とにかくクセが凄い”らしい。

歌に気合が入りすぎているこの事務所は、
1次会のデザートも断り、早目にカラオケ館へ急ぐ。
酔っ払った若手が盛り上がりすぎる姿を見て、大トリを飾る大竹父(下戸)は
「俺の歌で果たして盛り上がるのか・・・?」と
ひそかに震えあがっていたという。

大福さんから重大発表があるというので、何かと思えば改名のご挨拶だった。
このネット社会で「大福」という名前はあまりにも弱い。
検索に引っかからない。和菓子のあいつら超強い。
そこで本名を加えて「みさわ大福」になるそうですよ。
大竹マネージャーがここでも手腕を発揮して、この場で
明日リリースされるお笑いナタリーの原稿を仕上げるという。
ナタリーの生原稿で客席の興奮をあおるなんて、
彼はなんてお笑いファンのつぼを心得ているのか。

ギースの近況報告は、尾関さんがカープ仕事で
初ハワイを体験するも、行きの飛行機とサブウェイだけで
中身がスカスカの旅行記を語る。

ラブレターズはゴッドタンにハマる。
ハマる・・・ものの、有料限定のエロ企画にのみやたら登用されるので
是非佐久間さんにそのあたりを聞きたい溜口さんであった
一方、塚本さんはラジオに呼ばれない。あんなにラジオを愛しているのに。
そしてラブレ60分ライブが評価されるも、アンケートを読むと
溜ちゃん凄い溜ちゃん可愛いと、溜ちゃんコールが嵐のごとく。
ネタは全部塚本さんが書いているのに。

年末年始も絶好調の阿佐ヶ谷姉妹は、とうとう徹子の部屋にお呼ばれした。
芸人にはとりわけ厳しいことで有名なあの部屋だけに、
選曲もかなり寄せたのに、徹子に睨まれた者全てを石にする目線を頂く。
(画像はぬかりなく大竹マネがキャプっている)
結局、徹子の心を掴んだのはピンクドレスの値段の安さだった。

オーラスはおなじみ「ASH&D事件簿」のコーナー。
“日本で一番遅くピコ太郎の正体に気付いた人”こと、S社長のおとぼけ
エピソードに始まり、最後は

「むかしむかし、ある村にいつもソリティアばかりをやっている男がおったそうな~」

と、常田富士男氏の声でナレーションが聞こえてきそうな、「ソリティア太郎」と
名付けたい現代の寓話が大竹マネージャーの抜群の話術で語られ
この日一番の拍手笑いをかっさらっていた。

いつの日かロフトプラスワンで「ASH&D事件簿オールナイト」が開催されたら、
リーダー席には是非彼に座ってもらいたい。

2017年2月2日木曜日

ラブレターズ60分ライブ「明日には消えちゃう、こんな愛」

開演時間が遅め(19:30)かつ上演時間60分なので、終演後に余裕で
飲みにいける。しかも内容はハイクオリティ。
良い事だらけのライブレターズの新ネタライブ。
ちなみに毎回不思議なライブタイトルは溜口さん考案(のはず)。

・結婚の挨拶
・サプライズ
・焼き鳥
・コーディネート

新作4本はこんな感じかな。私は「サプライズ」が一番好きだった。
長尺ならではの展開があり、チャラい店員役の溜口さんがノリにのっている。
テンポがよく流れるように進みながら、しっかりと演技に強弱がついている。
惚れ惚れとしてしまう。

4本目のコントはおなじみ大竹マネージャー編曲による歌ネタで、
ラッパーを目指す息子と父親の上京コントに近い。
「今後は、大竹マネージャーの新曲目当てにくるお客さんが
増えるかもしれないね」なんて話をしていた。
舞台の上の二人はキラキラと輝いていて、どんなきっかけでも足を
運んだ人は心を掴まれてしまうだろう。

着替えの間は今年R-1に初挑戦した溜口さんのドキュメント映像が
流れる。実際にR-1でかけたピンネタも披露してくれた。
賞レースの予選を見たことがほとんどないので、
2分ネタの短さに驚く。こんなに短いネタで優劣を競うんだ!

2017年1月30日月曜日

すいているのに相席 ファン感謝祭

まさかの相模原開催。
なぜに相模原かと思ったら、すいているのに相席の制作協力に
入っている㈲イエスマンの持ち小屋がここにあるらしい。
(駄菓子屋とステージが合体したユニークな劇場)
ここを皮切りに、ユーモアツアーとして全国を周っていくとのこと。

昼には「野田 vs, 尾関」があったが、私が参加したのは
夜の「すいているのに相席 ファン感謝祭」のみ。
前半は各出演者が相席3.5~4を中心にもう一度見たい
コントを選び、映像を見ながら振り返る。

バッファロー吾郎A→力持ち
尾関→小さな森のお菓子の家
高佐→キミに届け
野田→美輪さんとかくれんぼ
山脇→天使
(せきしろ)→尾関豊「十五の夜」

「キミに届け」で、たった数個の台詞で鮮烈な印象を残す
高田さんの女性役がとても好きだ。
女と書いてスケと読ませるあのはすっぱな感じ。
その後、高田さんが元・毛皮族と知り思わず膝を打つ。
そりゃ似合うはずだ~。

「美輪さんとかくれんぼ」は高佐版と野田版を
見比べてみる。
お笑いとして圧倒的に正しい野田版は、真面目に
演じる野田さんの奇妙な動きに終始みんなで大笑い。
高佐版の青年はその後IKKOや舟木を追い求めている間に、
耽美をこじらせて、一周まわって笑えるキャラになっていった。
それなので、この相席1で美輪さんとかくれんぼをしている
頃の青年にはあまり麗しさはない。
なんなら今見ると、ちょっと美輪さんに対して上から目線なくらい。
役は育っていくものなんだね。

山脇さんは、あんなにお稽古したのに1回きりの公演だった
のが勿体ない!と思い入れたっぷりの「天使」を。
コンセプトが2.5次元ミュージカルということで、ハイキュー好きの
山脇さんが振付や2.5ミュ出演者としての振る舞いを
みんなにみっちりと指導をした。

ラストはステージ上にいなかったせきしろさんからの
リクエストで尾関豊。
あーそういえばこんなのあったね!
この機会がなければ、振り返りもせずに忘れられそうな
キャラだったので良いリクエストだと言われていた。
(大画面で自分の熱唱を見る尾関さんは恥ずかしそう)

後半は相席シルエットクイズ。
すいているのに相席の1場面を切り取り、モノクロにした
図を見てどの場面か当てる。
これが意外と難しい。
高佐さんだと思ったシルエットが尾関さんだったり、
アニメキャラのモノボケ部先輩が混ざっていたり。

ラストは相席5でやってみたいコント。
尾関さん主演で笑ゥせぇるすまんコントの案が出て、
これは観たいなあ。
金に意地汚い主人公(尾関)が、野田さんと
「これは俺のものだー!」とか奪い合う。
Bar魔の巣のマスターも是非入れて欲しい。

2017年1月27日金曜日

英国ロイヤルバレエ「アナスタシア」

去年から引き続き鑑賞している映画館でバレエシリーズ。
ボリショイバレエと英国ロイヤルが定期的に上映してくれるが、
お金と時間の関係で、さすがに全て見るわけにはいかない。

今回選んだのは英国ロイヤルバレエ「アナスタシア」。
舞台好きとしては未見の演目に興味があるので。
20世紀FOXの作ったアニメ映画で見たことがあったかな?
バレエ版では、死んだはずの皇女アナスタシアと、自分を
アナスタシアだと主張する女性アナ・アンダーソンを描く。

1幕はアナスタシアのおてんば娘らしさ、2幕は美しく成長した姿で
デビュー舞踏会に暗い影が刺しやがて革命に。
そして3幕は精神病院のアナ・アンダーソン・・・と思いきや、
よく見てみると1幕と2幕の舞台美術にも病室を思わせる部分があると
舞台美術スタッフのインタビューで語られていた。
つまり全てはアナの妄想として描かれている。
この作品が作られた当時はまだアナ・アンダーソンが本当に
アナスタシアなのかは判明しておらず、3幕の精神病院部分だけの
短編バレエだったという。

アナスタシア/アナ・アンダーソンを演じるのは、現在イギリスで
活躍中のロシア人バレエダンサー ナタリア・オシポワ。
1幕~2幕のチャーミングさと難しいダンス(出ずっぱり!)
何より3幕の狂気の表現が鳥肌がたつほど素晴らしかった。

かねがねバレエダンサーはどのように演技力を磨いているのか
不思議だったが、インタビューによると彼らは特別な演技の
レッスンは受けていないらしい。
音楽に身を委ねて踊ると演技は自然とついてくるのだ、と。
なんて美しい・・・。

それにしても、海外の舞台作品がどれにしようかな?と迷うくらい
映画館で上映されるのだから幸せな時代だ。
この上映のためにかなりのカメラとスタッフを用意して撮影を
するので費用はかかるだろうが、その映像で世界中の
映画館で観客を動員できるし、プロモーションにもなる。
団員・スタッフを率いて(場合によってはオーケストラも)世界ツアーを
する莫大な費用と労力を考えれば、この方式はメリットだらけだろう。

しかも舞台を見に行く観客を奪わず、むしろ新しいファンを掘り起こしている。
実際、私の母は若い頃からバレエファンで、来日公演を喜んで観に行って
いたが、最近は億劫がって劇場に足を運ばなくなっていた。
それがこの映画館で上演されるバレエシリーズを知り、今度は
映画館でバレエを楽しむようになったのだ。

 「劇場では咳をひとつするのも憚られるけれど、劇場ならば気軽に
飴を口に入れたりお茶を飲んだりできるし。
トイレにも行きやすいでしょう?
それに、劇場であんなに表情や足の動きがよく見える席を取ろうと
思ったらとっても高いんだから!
いい時代になったわねえ。」

2017年1月25日水曜日

ガレージシャンソンショー ニューアルバムリリースツアー「13~treize~」

ぬるぬると活動を再開して3年。
なんと13年ぶりの新譜が発売されることとなったガレージシャンソンショー。
山田「13年も空いたらさぁ、普通CD出さないよね(笑)」

年明けからNHKラジオ「すっぴん」に出演した二人のインタビューによると、
活動再開後の方が肩の力が抜け、楽しく演奏できているらしい。
「前よりもお互いのことが好きになったんですかね?
良い意味でお互いがお互いを構わなくなった、と言いますか」

メインタイトルが佐藤さんの作った13拍子の曲なもので、じゃあそれに
合わせましょうとライブも13日の金曜日に設定したものの、こんな縁起の
悪い日はガラガラだろうと侮っていたら
意外とどのホールも埋まっていて予約に苦労したらしい。

セットリストは新譜を中心に、おなじみの時事ネタコーナーもある。
しかしその時事ネタがなかなか際どく、これではとてもとても
DVDに残せないということで、収録用の別バージョンも撮っていた。
そう、ライブDVDが出るんだって!これは嬉しい。
大好きな売買ブルースも入っているし、なによりこの日の
フラミンゴ・ブルーヴァードは絶品だった。

ポップでキッチュなお二人はムジカ・ピッコリーノが似合いそうだから、
NHKの中の人がDVDを観ていつかブッキングしてくれないだろうか。

2017年1月20日金曜日

阿佐ヶ谷姉妹単独ライブ「産声」

今まで変ホ長調やタブレット純との合同ライブ、なぜか単独ディナーショウ(!)を
経験していた阿佐ヶ谷姉妹。10周年で初の単独ライブが開催されることになった。
 
会場は都内の小さな会場を飛び越えて座・高円寺、しかも大阪公演ありと
彼女たちの現在の活躍ぶりが伺える。
客席にはいかにも業界人・関係者らしい人も点在するが、地元阿佐ヶ谷で
応援するご町内の方々も多く、平均年齢高めのゆったりのんびりとした雰囲気に
包まれていた。
 
<リアリーおばさんのクッキー>
バスの乗り遅れてパートを休むおばさん(江里子)が、クッキーを配り歩く
ふりふりのコスプレおばさん(美穂)に出会う。
「あなたもしかして・・・ステラおばさん?!」
彼女はステラおばさんではなく、Really?しか喋らないリアリーおばさん。
 
<おばさんあるあるオーディション>
なかなか物を受取らないおばさん、お金を紙に包んで渡してくるおばさん、
電話で声のトーンが変わるおばさんetc。
彼女たちの飛躍のきっかけとなった「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に
で見ることができる、秀逸なおばさんあるあるのショートコント集。
 
<喧嘩漫才>
漫才の途中で喧嘩になる江里子と美穂。
「カエルの声が出る動画見るのやめてよ気持ち悪い!」
「なによ、妖怪肩パッドばばあ!」
「寝る前にポテトチップス1袋食べるのやめて。幾つよ?!」
「私はおじゃがが好きなの。おじゃがでお腹いっぱいにして
寝るのが幸せなの!」
 
<二人の前世は本当に姉妹だった?>
第二次世界対戦へと突入したことを嘆く二人の姉妹。
姉(江里子)は音楽の先生であり、空腹のこまっしゃくれた妹(美穂)を
なだめるために、絵本を読んだりお歌を歌ったり。
「わたし、生まれ変わったらお腹いっぱいおじゃがを食べたい」
 
<どこにもいる こんな人>
♪いるいる どこにもいる どこにもいるこんな人~
というフレーズに乗せて、絵付きのフリップに顔をハメるネタ。
振り返るタイミングを取るために、小さな声でせぇ~のと言ってるのが
会場に聞こえてしまい微笑ましい。
 
<スタンド・ババア・ミー>
昼下がりの公園で鳩に餌を撒く二人のおばさん。
美穂に好意を寄せている江里子は・・・。
 
<リアリーおばさんのクッキー おかわり>
 
 
<ソングコーナー>
ドリームガール
You’d be so nice to come home to
みずいろの雨
魂のルフラン
産声
365日の紙飛行機
花束を君に
月がとっても青いから
さよならの向こう側
トルコ行進曲
 
 
ピンクの衣装とは違うドレスに身を包み、歌詞を阿佐ヶ谷・高円寺に寄せた
「ドリームガール」から始まり、盟友タブレット純が二人のために作った
オリジナルソング「おしぼりをまるめたら」はしっとりと歌う。
「産声」はこの日のために作られたオリジナルソングで、
作詞は演出の坪田塁さんだ。
 
劇中で何度となく流れた美穂さんの
「誰に頼まれたわけでもない。自分で選んだ道だもの。
自分で良いようにしなくては」
そのような台詞に、年齢や性別に関係なく自分の人生を
選びその責任を自分で引取る、柔らかくも芯のある覚悟を感じる。
 
特筆すべきは舞台上から客席の隅々にまで行き渡る幸せいっぱいの空気!
カーテンコールでは予想通り江里子さんが涙・涙で、お客さんも
貰い泣きをしていた。
お二人からとびきりの贈り物を頂いた気分で劇場を後にした。