毎日のように開催されているK-PROのお笑いライブ。
かもめんたる槙尾さん企画で、インプロとお笑いの要素を合わせた
新しいライブ「ワラインプロ」を始めるとのことで、第1回へ行ってきました。
メンバーは槙尾さん、ツィンテル勢登さん、さらば青春の光森田さん、
ラブレターズ溜口さん。
お笑いライブでもエチュード(即興演劇)はよく取り上げられていると
聞くし、それとどう違うのかが一つの興味だったのだけれど。
結果的には最後に作ったインプロコントとエチュードコントの差はわからず、
というか同じということでいいのかな。
インプロの講師を招いての公演で、前半はインプロの練習となる
ゲームを数種類。後半にそれを踏まえて即興でコントを2本。
「上手なインプロコントの作り方講座」を受講した気分になるライブだった。
私もずいぶん前にインプロを体験したことがあるけれど、人前に立つ
ことと目立つことが苦手な自分には辛かったな・・・。
目立つ必要はないんだけれどね。皆で作り上げていくのが目的なので
なるべく滞らないように、流れがスムーズになるようにもっていくのが肝心。
そんなインプロを芸人さんがやるとどうなるかというと、まず
「笑いを欲しがってしまう」。
見ている方は先に進めて欲しいのに(たぶん講師の方も)、わざと
しつこく繰り返したり混ぜっ返したりするからストーリーが止まっちゃう。
これ、一番ひどかったのが森田さんね(笑)
大阪の芸人さんっぽいなー。
ただ、機転が利いて失敗を恐れずにグイグイ進んでくれるのも森田さん。
彼がいなければ、ゲームもコントもなかなか前に進まなかったんじゃないだろうか。
芸人インプロ特徴その2「負けず嫌い」。
賞レースや投票ライブで常に競争を強いられているから?
とにかく失敗して負けたくない!という意識が強そう。
帽子をいいタイミングで叩き落としたら勝ち、というゲームで負けるのが
嫌なあまり、勢登さんと溜口さんがお互いの腕でお互いをがっちりホールド!
これじゃ埒があかない、と注意を受けて二人ともマイナス
ポイントがついてしまう。
もちろんネガティブな面ばかりではなく。
ラストのコントは講師の方も興奮するほどうまくいく場面展開が
何度も訪れた。
特に、溜口&森田コンビでやることになってしまった西岡中学校に
場内大爆笑。
とっさに2脚のパイプ椅子を西岡中学校仕様に前後に並べ替えて
勢登さんが校長先生の挨拶→槙尾さんが女子生徒で校歌斉唱アナウンス
→勢登さん(?)が口でリズムトラック→泣きながら校歌
という流れが素晴らしかった。
溜口さんは本気のテンション、歌詞があやふやな森田さんは微妙な
顔をしながらも「生徒の輪っ!」とか決めのフリが完璧。
1本目のコントがすっきりいかなかったので、ラストはいい話にして
綺麗に終わろうと作った野球コントも、終盤の流れがバシバシ
決まって場内は大興奮だった。
これは勢登さんのバランスの良さが際立っていた。
元が芝居好きなもので、“演技の得意な芸人”というより
“コメディが得意な役者”の香りがするツィンテルの2人は大好き。
今回は役者としての輪郭のくっきりした演技の上手さと、芸人的な
笑いどころを掴む勘の良さが発揮されていたな~と。
バッターボックスに立つ森田さんの後ろにスッと入ってキャッチャーに
なった所と、審判役で森田一家の状況をハハ~ンと察してデッドボール
にしてあげた演技!ブラボー
みんなが気持ちを共有できる流れ=王道展開なわけで、
とてもベタなストーリーなのだけれど、ベタって見ていて気持ちがいいもんだ。
多分そのベタさに照れた芸人さんたちは、最後の最後でヒネって感動
ではなく笑いにしてしまったけれど、そこが「ワラインプロ」らしい良いラスト
だったと思う。