2013年6月19日水曜日

学割が国を作る

細川徹さん主催の男子はだまってなさいよ!聖バカコントで高校生以下1000円の学割が
実施され、その心意気が嬉しい私は周りにお奨めしまくってしまった。
 
学割を用意してくれるアーティストや団体は皆尊い。
自分自身が学生時代に学割の恩恵を受けたので心からそう思う。
 
「これは学生時代にしておいた方がいいよ」と今の学生さんにアドバイスを
するよう求められたら、私が選ぶ3つは
 
・図書館で本を借りてたくさん読むこと
特に自分の興味外でも名作とされている本、長編小説、
 
・海外旅行に行くこと
できれば宿も航空券も自分で手配する自由旅行
 
そして
・学割を使ってあらゆるものを片っぱしから観ること
 
物事を知り、体験するのに遅すぎるということはない。
それは確かなことだけれど、若いうちの体験は身になるというのも
また真実だと思う。
クドカンか松尾スズキさんだったかな? インタビューで
「自分がいま創っている作品は高校生くらいまでに好きだった物や
知識や想像が源になってる。それをアレンジして毎回出しているようなものだ」
みたいなことを話していて、あぁわかるな~と。
 
若い頃の体験が将来の作品に深い影響を及ぼす。
だから、良いクリエイターやアーティストを育てたいのならば、若者に
文化を安い値段で提供することが必要。
それが学割。
 
10代後半から大学生までの、お金はなくても時間と気力体力が
あり余っている時代。
具体的な生活費や仕事に悩まされず、好きな物のことだけを
考えて夢中になれる日々。
私は演劇に夢中で、高いチケット代に悩まされていた学生時代に
学割を用意してくれる劇団や劇場は、そりゃもう神様みたいにありがたかった。
 
セゾン劇場のジーンズシートは、玉三郎だろうが海外招聘の有名
パフォーマーだろうが破格の値段で見せてくれた。
国立劇場で能も歌舞伎も狂言も文楽も一通り体験した。
加藤健一事務所には良質の海外コメディをたくさん教えてもらった。
キャラメルボックスは高校生の観客にいつも優しかった。
 
会社勤めも10年を超えると、せっかく発売日に買ったチケットが手元に
あるのに「ああ、今日は疲れたな・・・明日も早いし・・・
なんかもう家に帰りたい・・・」と自らドタキャンすることがある。
学生の頃なら考えられなかったなーと苦笑いをする。
あの頃の私にこのチケットをプレゼントしたら喜ぶだろうな。
ポンと肩を叩き「代わりに行ってくれない?お金はいらないから」と
渡したい。喜んで飛んでいくだろう。
 
先日、大竹まことのゴールデンラジオにスチャダラパーがゲストで
出演していた。
ラップ以前に韻を踏むということがよくわからない大竹さんに
解説する3人が微笑ましいと思っていると、コーナーが終わる
数十秒前に突然大竹さんがクラブの無許可ダンス営業の
ニュースを振った。
 
踊っちゃいけない法律なんて馬鹿馬鹿しい、こんな法律
外国にも恥ずかしくて言えないだろと辛らつに語った後に言った
「文化が国を作るんだろうが!」
という発言にシビれた。まこりんかっこいい。
 
文化が国を作る。学割は文化を支える。
だから、学割は国を作る。そういうことだろ?