出演者:MC溜口佑太郎(ラブレターズ)、ジンカーズ、高佐一慈(ザ・ギーズ)
小林健一(動物電気)・駒木根隆介・本多力(ヨーロッパ企画)
8種類の害虫カードで遊ぶカードゲーム「ごきぶりポーカー」。
スラッシュパイルでは今までにも芸人が人狼をやる「芸人狼」という
イベントを開催していて、今回は芸人×ゲームシリーズの第二弾
といったところ。
話し合いからちょっとしたドラマや思いもよらない展開が生まれる
人狼とは違い、ごきぶりポーカーは宣言しながらカードを1枚出して
それが嘘か正しいかを見抜くだけの単純なゲーム。
それをどうやってイベントにするんだろう?と疑問に思いながら足を運びました。
結果的に大いに盛り上がって楽しかったけれど、規模を大きくするの
は難しいかなという印象。
あと、戦略を練ることができる上級者とルールを把握したばかりの
初心者では、戦い方がかなり変わってくるのでそのバランス調整が大事かも。
今回一番の経験者だったのは俳優の駒木根さん。
自分の手札とまだ出ていない手札から考える確率、相手が押し付けて
くるであろうカードの読み方。
いわゆる「ごきぶりポーカーの定石」が頭に入っているので、序盤は
面白いように当ててくる。
しかも彼はその定石や自分の推理をきちんと言葉にして、
まるで解説者のように紹介してくれたので、このゲームに馴染みがない
客席にとって大変ありがたい存在でした。
みんなが「駒木根さんがMCをやればいいのに!」と絶賛して、MCの
溜口さんがふくれっつらをする。
高佐さん相手に倒し方まで予告してしかけてくるなど、魅せ方も
心得ているあたりはさすが役者。
口の悪いMC溜口さんが思わず
「あったまのいいデブですね~」と感心して周りから、先輩に向かって
どういう口の利きかただ!とつっこまれる。
ゲーム知能指数が高かったのが高佐さん。
ごきぶりポーカーは数回プレイした程度でも、普段からカードゲームに
触れる機会が多いからか、コツの吸収の仕方がとにかく早い。
ゲーム中にガンガン学んでいるのが観ていてもわかって、この人も
頭いいな~と。
しかも強敵である駒木根さんに果敢に対決を挑む、負けず嫌いな
チャレンジャー。
ジンカーズはとにかくかきまわして面白いことしたいいたずらっ子の
馬場さんと、たぶん最後までゲーム自体にピンときていなかった樋口さん。
勘を頼りになんとなく答える!ゲームラストで全く勝敗に関係ない人を
指名して会場全体を「・・・?」という雰囲気にさせる。
でもこのゲームは結局本当か嘘かを答えるだけだから、ゲーム内容に
通じていて理論的に出した答えが勘に負ける瞬間もある。
そこが面白い♪
俳優組も実に個性的。
ヨーロッパ企画の本多さんは「見る」の回避をせずに勝負に出て
積極的にはずしていて、
「このカードは○○です(めくる)○○じゃありませんでしたー」
と繋げて言うのがやたらおかしかったなあ。
溜口さんのちょっとしたミスで作戦がばれた時、2人で
「騙されてるよプププゥ~」とか見え透いた演技してたのもかわいかった。
うん、本多さん&溜口さんペアはやたらかわいかった。
動物電気の最終兵器・コバケンさん。
この前、お隣の駅前劇場でふんどし姿を見たばかり。
さすがに今回は脱がなかったけれど(当たり前)、個性派俳優の
面目跳躍だった。
奇抜な作戦を思いついては自滅する様子に共演者も客席も爆笑。
初対面の人たちばかりなのに「あの人相当バカだぞ・・・!」という扱いを
されるコバケンさん。THE イジられ上手。
害虫の鳴き声を入れて惑わす作戦はその後みんなに流行っていく。
最後に溜口さん。
どうやら今回の出演者は芸人も俳優も溜口さんと繋がりがある
人たちだったらしい。
「私はマスターオブセレモニーですからいじらないでください」
「スラッシュパイルさんに今後使ってもらえるかかかってるんだから!」
と予防線を張ったにも関わらず、ま~全方位からイジられることイジられること。
ライブのエンディングでよくある風景。
その溜口さんはMCなのに口は悪いし、出演者に肩入れしたり
ディスったりと立場が中立じゃない。笑ったな~。こんなMC珍しい。
見ている方はめちゃくちゃ楽しかったけれど、他イベントのMCが
来るかは微妙なところかも?
今回、溜口さんのちょっとした一言がプレイヤーにヒントを与えてしまった
ところがあった。これはゲーム系イベントのMCの難しいところのようで。
プレイヤーはほんのわずかな違いや反応からヒントを得ようと探しているから。
そう考えると、人狼イベントMCの負担の大きさがよくわかる。
夜のターンですでにいない人にも、まるでいるかのように話しかけなければ
ならないし、ヒントを与えないように動くのは相当神経を使うはず。
別イベントでスパローズやラバーガールの有能さを感じるとは。
とは言っても初めてのイベント&MCに失敗はつきものだし、
ごきぶりポーカーイベントに2回目があるならば、是非また溜口さんに
MCを担当して欲しい。
その際にはプレイヤーの人選を慎重に。