2013年5月9日木曜日

ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの

東京都写真美術館にて。
 
町山智浩さんがラジオで紹介していたドキュメンタリーの続編。
これ気になっていたんだよね~でも前作見てないしなあ。
迷ったあげくに飛び込み鑑賞して・・・泣いた。
ホトホトと泣いた。
 
この映画は周りに何といわれようと、好きなものを地道に追いかけ続け
愛し続ける人々の道標だ。
 
郵便局員と図書館司書の夫婦が、1LDKのアパートに収まる
手頃な価格の美術品を生涯をかけて収集し、その数2000点を
越えたところで全てをナショナルギャラリーに寄贈した。
今回はさらに増えた美術品を50点ずつ50州の美術館に寄贈する
プロジェクトの話。
 
膨大なコレクションの中には、その後有名になったアーティストの作品もあるけれど多くは無名のまま。
しかしハーブ&ドロシー夫妻が真に美しい、素晴らしいと感じ
収集したコレクションの中に自分の作品が含まれていることが
彼ら無名アーティストの自信や誇りになる。
 
「でも、私は成功しなかった」
「成功や名声には興味がないの。私たちは良いと思って買っただけよ」
「あなたを誇りに思うわ」
 
どの世界にも素晴らしい物を作り、多くの人々に認められても
それが生活に結びつかない表現者たちがいる。
下北沢の小さなライブハウスで月1のライブをするミュージシャン。
バイトの掛け持ちをしながら家族を養うコメディアン。
俳優、詩人、作家見習い、大道芸人。
 
彼らにどうにも惹かれてしまったファンもまた思い悩む。
彼らはどこへ向かい、何を残すのか。
自分たちにできることは何なのか。
 
好きならばもっと積極的に関わるべきなのかもしれないな。
ドロシー&ハーブのように。
それならば、中途半端な気持ちじゃ駄目なんだ。